2020.05.08 [金]

ビットコインより優秀かも!? 暗号資産【イーサリアム】の正体に迫る

 

現在、ビットコインに次ぐ暗号資産、【イーサリアム】はあまり認知されていません。しかし、このビットコインにはない仕組みを知ることで、ビットコインをしのぐ可能性を秘めていることが理解できるでしょう。

イーサリアムの正体と、ビットコインとの違い

まず、イーサリアムというのは日本でも人気が高い暗号資産の1つです。時価総額では、常に上位に入り、有名なビットコインに次ぐ主要通貨となっています。

イーサリアムは2013年に、当時19歳だったロシア生まれの、ヴィタリック・ブテリンという人によって発明され、誕生しました。この暗号資産は誕生後からすぐに人気を得て、瞬く間に世界の暗号資産取引所で扱われるようになりました。

このように、当初から注目を集めていたイーサリアムですが、この言葉は実際には、分散型プラットフォームのことを指しています。そしてこのプラットフォーム内で取り扱われている通貨をイーサと呼んでいます。分散型プラットフォームというのは、非中央集権で分散管理型の仕組みを作ることが可能で、このプラットフォーム内に様々な機能を取り付けることができるのです。

このイーサリアムもビットコインと同様に、ブロックチェーンの技術を利用していますが、ビットコインよりもさらに機能を拡張させています。この2つの違いはいくつかありますが、最大の特長はのちに紹介する「スマートコントラクト」という機能がイーサリアムにはあるということです。

これまでのビットコインは、単に取引情報しか記録できない暗号資産でしたが、スマートコントラクトはその契約内容まで記録することができます。さらに、条件が整えば自動でその契約内容を実行することもできるのです。

例えば、株式や不動産の業界では契約内容を管理する必要性が高いので、大いに役に立つことが期待されます。

 

最強のスマートコントラクトってなに?

そのスマートコントラクトですが、簡単にまとめると、人の手を介さずに契約内容を自動で実行してくれる仕組みのことです。また、その契約内容と実行条件をあらかじめプログラミングしておくことが可能です。また、その実行条件がそろえば契約が実行されるので、処理スピードが高いことも特徴です。

ビットコインなどの場合は、日本円や米ドルなどの法定通貨とその用途が被るので、国や金融当局といった中央管理者からの規制を心配する声があります。しかし、イーサリアムの場合はこのスマートコントラクトという機能への需要があるので、国からの規制対象にもなりにくい通貨とも言えるのです。

特にスマートコントラクトの活用により、これまで同様の取引をする場合に必要であった過大なコストのかかるサーバー設置が不要になります。そのため、金融業界や不動産業界、役所等の公共機関などから様々な需要があるのです。銀行の場合はサーバーが軽減できることから、年間で約200億ドルもコスト削減が可能といわれています。このような理由から、スマートコントラクトの機能を持つイーサリアムは多大な支持を各方面から集めているのです。

また、スマートコントラクトは過去に交わされた契約内容を半永久的にプラットフォーム内に保存することが可能です。そして、分散型のプラットフォーム内で行われた契約内容は世界中の人から閲覧可能なので、改ざんすればすぐに指摘されるという面で、非常に信頼性の高い仕組みなのです。

このように、イーサリアムはスマートコントラクトの技術を取り入れることで、大きな信頼を得ているのです。

 

イーサリアムのメリットとデメリット

イーサリアムはスマートコントラクトという技術をつかっていると説明しましたが、実際に利用する際のメリットを紹介します。

1つ目は、イーサリアム内で扱われる暗号資産イーサを利用しての送金スピードがとても速いという点です。ビットコインは、送金するのに約10分かかるのに比べ、イーサの場合は15秒で完了するというので驚きです。

2つ目は、発行上限と半減期がないという点です。ビットコインの場合、2100枚まで発行できるという上限と半減期があります。半減期というのは、新規発行量が一定期間で半減することを指し、ビットコインの場合は4年に一度半減します。

比べて、イーサリアムは発行上限と半減期がないので、インフレの可能性があるものの、価格が安定するということがあげられます。

しかし、イーサリアムにはいくつかデメリットも存在します。

1つ目は、イーサリアムの利用者が増えていくにつれて処理する取引情報が必然的に増え、取引処理に時間がかかってしまうことです。これではスマートコントラクトの長所を打ち消してしまう恐れがあります。

2つ目は、ブロックチェーン上に誤った情報が書かれたり、バグがおこったときの対処方法が難しいという点です。スマートコントラクトの弱点として、改ざんを阻止できる可能性が高いがゆえに、もし誤った情報を記録しても修正が難しいということがあげられます。

これは、解決が難しい課題といえそうです。

 

イーサリアムは将来性がある

従来の暗号資産の問題点を改善するスマートコントラクトの実用性や利用価値が評価され、マイクロソフトなどのグローバルな企業がこのイーサリアムに興味を示しています。このビットコインに変わる新たな暗号資産の未来は明るいといえるでしょう。

 

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