ソーシャルレンディング、急拡大で増えるリスクについて知っておこう

2019.06.08 [土]

ソーシャルレンディング、急拡大で増えるリスクについて知っておこう

ソーシャルレンディングは、フィンテックを活用した新しい投資の形です。

2019年3月時点で、日本ではすでに20以上のソーシャルレンディング事業者が誕生していますが、新しい形の金融サービスのため、始める前にリスクについても把握しておきたいですよね。

 

ソーシャルレンディングはリスクがあるの?

まずは、ソーシャルレンディングの基本情報のおさらいと、リスクの有無について考えます。

ソーシャルレンディングとは

ソーシャルレンディングは、資金を調達したい企業または個人と、投資を行いたい人を、インターネットを経由して結びつけるプラットフォームです。

ソーシャルレンディング業者は、投資家から集めたお金を企業に融資します。

この際、企業から得られる金利の一部を事業者が手数料として取得し、残りを投資家に分配します。

日本よりもソーシャルレンディングが普及しているアメリカでは、個人でもソーシャルレンディングによって融資を受けることができますが、日本の場合は法人への融資がメインになっています。

投資家は、案件を選んで資金を預けるだけでほぼ手間をかけずに資産運用を行うことが可能になります。

日本におけるソーシャルレンディングの利回りは7〜8%で、ミドルリスクミドルリターンの投資と考えられています。

ソーシャルレンディングにはリスクがある

ソーシャルレンディングは投資を行う金融サービスに分類されるため、当然リスクが存在します。

案件ごとに期待できるおおよその最大利回りが事前にわかるものの、他の投資と同様に不確実性があるものです。

リターンが期待できるということは、リスクも存在すると納得した上で始める必要があります。

また、ソーシャルレンディングは2008年に日本に入ってきたサービスで、事業者のほとんどは、2010年代に入ってから参入したスタートアップ企業ばかりです。

新しいサービスのため、業界全体の体制が整っていない点や、歴史が浅い事業者の経営リスクなども認識しておく必要があります。

 

ソーシャルレンディングのリスクの考え方

ここでは、ソーシャルレンディングのリスクについて、考え方について触れておきたいと思います。

投資家目線の利回りで安易にリスクを判断しないこと

投資において、リスクとリターンの期待値は同じ程度になるとする考え方があります。

例えば、アメリカ国債の利回りは、2〜3%となっています。利回りは高くないものの、アメリカという国が無くなる可能性は低く、他の先進国と比べて経済成長率も高いですからリスクは低い商品です。

一方で、FXのトレードでは年間利回り100%以上を出す人もいます。しかしFXは始めて1年後に当初の資産を減している人が90%以上と言われる世界です。

ハイリターンが期待できる一方でハイリスクですね。

このように、基本的にリスクとリターンは連動しやすいという考え方があります。

しかし、この考え方をソーシャルレンディングの案件選びに応用する際には、注意が必要です。

ソーシャルレンディングは、事業者が取得する手数料を上乗せして企業に融資を行っています。

ソーシャルレンディングの手数料は1.5%〜3%となっている場合が多く、他の金融サービスより少々割高です。

例えば、案件Aは、投資家利回りが7%だとします。

しかし、事業者の手数料が3%の場合、借り手である企業から見た際の金利は10%です。

一方で、案件Bは投資家の利回りが8%で、事業者手数料1%です。この場合企業から見た際の金利は9%です。

投資家から見た場合、利回りが低い案件Aはリスクが低いように見えますが、実際に企業から見て金利が高く、利回りの面でリスクが高い案件はBとなります。

このように、投資家目線での利回りで判断せず、事業者の手数料の割合を加味してリスクを考慮する視点が必要です。

担保がある案件を選ぶと良い

ソーシャルレンディングの案件では、担保があるものとないものがあります。

リスクを抑えて投資を行いたい場合には、担保付きの案件を選ぶことがお勧めです。

その際に注意したいのが、担保の詳細情報があるかどうかを確認することです。

実際にソーシャルレンディング事業者のサイトから案件を確認すると、案件によって担保情報が詳細にわかるものと、ほとんどわからないものがあります。

事業者や案件によって開示できる情報のレベルが異なるのです。

リスクを軽減するために、できるだけ詳細に情報が開示されており、投資家にとって誠実な対応をしている案件を選びましょう。

担保が株式である場合に気をつけたいこと

担保は、借り手である企業が返済を行えない事態に陥った際、損害を補うために債権者(この場合事業者)が企業から提供を受けるものです。

ソーシャルレンディングの場合も、保証として担保を設定する案件がありますが、担保の種類は不動産や株式などがあります。

担保が株式である場合には、注意が必要です。

担保を差し出す必要になっている状態ということは、企業がお金を返済できない状態になっているということです。

そういった状態に陥っている企業の株式に、良い価値がつくとは限りませんよね。担保が株式の場合は、どれくらいの価値がつくのかをきちんと想定した上で、リスクの度合いを考える必要があります。

 

ソーシャルレンディングの具体的なリスク

ここからは、ソーシャルレンディングを始める前に知っておくべき、具体的なリスクについて解説します。リスクについて把握した上で、投資を判断するようにしましょう。

貸し倒れのリスク

借り手である企業が倒産してしまうと、ソーシャルレンディング事業者を経由して借りたお金が返済できない状態になってしまいます。

こうなってしまった場合、担保が設定されていない案件の場合には全額、担保があっても一部しか資金が回収できませんので、投資家は損をしてしまうことになります。

ソーシャルレンディングの仕組み上、貸し倒れが起こる可能性が0とは言い切れません。貸し倒れは、最初から認識しておかなければならない、重要なリスクです。

事業者の運営期間が短い(倒産リスク)

先ほどもご説明しましたが、ソーシャルレンディングサービスの歴史自体がまだ浅く、日本の事業者は、2019年3月時点で運営10年未満のものがほとんどです。

中にはSBIソーシャルレンディングなど、金融大手のSBIグループが運営をしている事業者もありますが、ベンチャー企業も多い状況です。

そのため、事業者自体の将来性や安全性にもまだリスクがあると言えます。

事業者が倒産してしまうことがあると、投資したお金は戻ってこない可能性も十分にありえます。このように事業者の運営期間が短く、将来性に懸念があるのも一つのリスクです。

事業者リスクを分散させるためには、一つの事業者に投資資金を集中させず、複数の事業者に分散して投資することが有効です。

投資期間中は資金がロックされる

ソーシャルレンディングは、案件ごとに期間が決まっています。そのため、一度お金を投資すると、満期までは資金を手元に戻すことができません。

例えば、自分のタイミングで決済を行い現金化ができる株式投資のような投資商品に比べて、ソーシャルレンディングは現金化がしにくく資金がロックされてしまうことをリスクと考える人もいるでしょう。

こうした特徴を踏まえて、ソーシャルレンディングへの投資は一定期間使わない予定だった余裕分の資金で行いましょう。

海外の案件に投資する場合には、為替に注意

コントロールが難しいリスクとして、為替リスクがあります。

国内の案件に投資する場合には為替リスクと考える必要はありません。しかし、海外案件に投資する場合には、必ず為替リスクが付いて回ることを覚えておきましょう。

為替リスクとは、通貨を交換する際の為替レートの変動によって、資産価値が上下することを指します。ソーシャルレンディングでは、為替リスクを、事業者や融資先が負ってくれる場合もあります。

そのため、為替リスクを誰が負う案件なのかを必ずチェックして投資を判断しましょう。

投資家がリスクを負う案件の場合には、為替の変動を想定してもリスクが出るのか考える必要があります。

相対的に、海外の案件の方が、利回りが良い傾向がありますので、リスクとのバランスを見てチャレンジをするようにしてください。

元本が保証されていない

ソーシャルレンディングは元本保証がされている金融商品ではありません。

もともと企業の貸し倒れや、ソーシャルレンディング事業者の倒産リスクも孕んでいるため、元本の保証が難しいタイプの投資商品です。

元本割れが起こってしまうことがあるというリスクがあるということを組み込んだ上で、投資計画を立てましょう。

 

まとめ

ソーシャルレンディングは、手間がかからず投資を行うことができ、メリットもたくさんあります。しかし、他の投資商品と同様も不正確性があるものです。

メリットだけではなく、デメリットやリスクについても把握した上で、よく考えて投資計画を立てるようにしましょう。

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