ソーシャルレンディング事業者を一目で理解。事業者比較

2019.06.08 [土]

ソーシャルレンディング事業者を一目で理解。事業者比較

インターネットの普及により金融投資が身近に感じられるようになっていますが、そのなかの一つに『ソーシャルレンディング』という金融商品があります。

ソーシャルレンディングとはネット上でお金を借りたい会社と、お金を貸したい投資家を結びつける融資型クラウドファンディングです。

その仲介役となるソーシャルレンディング事業者について調べてみました。

 

ソーシャルレンディングで事業者選びが重要な理由

はじめてソーシャルレンディングに出資しようと思っている方にとって事業者選びはとても重要です。

ソーシャルレンディングは「元本保証がない」商品ですから、比較的運用利回りが良い反面、出資先の経営悪化などによる返済遅延や貸し倒れリスクも伴うことになります。

一般に銀行などの金融機関が借り手側にお金を貸し付ける場合、貸し付けたお金がしっかり返済されるかどうかなど、その企業の経営状態や資産を調査します。

そして定期預金や不動産などの担保をとって、その銀行がお金を貸します。もし借り手側の経営状態が悪化し返済が難しくなっても、担保として押さえている定期預金や不動産などを取得し、貸したお金の代わりに返済にあてることができます。

一方、ソーシャルレンディングの場合、仲介役であるソーシャルレンディング事業者が借り手企業を審査し、格付けや融資条件などを決めます。

その後、貸し手(投資家)を募集します。投資家はソーシャルレンディング事業者が決めた融資条件や借り手企業に関する簡単な情報だけを頼りに貸付(出資)することを申し込みます。

その際の、借り手側についての審査などは仲介役であるソーシャルレンディング事業者に全て委ねています。

ですから、ソーシャルレンディングをするときには、どのソーシャルレンディング事業者を選ぶかということはとても重要なことになるのです。

しかし事業者の中には担保保証を付けている商品を出している会社もあるので事業者選びのポイントにすることをおすすめします。

 

事業者を選ぶときの5つのチェックポイント

1.金融庁への「第二種金融商品取引業者」登録と、各都道府県への「貸金業者」登録をしているか。

参考
https://www.fsa.go.jp/policy/kinyusyohin/index.html
http://kantou.mof.go.jp/kinyuu/kinshotorihou/mokuji_nisyu.htm
http://kinki.mof.go.jp/213.html

2.グループ企業などの関連会社情報も含め、公開されている企業情報が多く、信頼性の高 い事業者かどうか。
IR(企業が株主や投資家向けに経営状態や財務状況、業績の実績・今後の見通しなどの広報)を公式HPに載せているかなど。

3.担保付きまたは保証会社付きの案件(商品)があるかどうか。

4.投資口座への振込・払戻手数料などが必要かどうか、また必要な場合の手数料金額の確認。
口座に関する管理費や委託費用などが必要かどうか、

5.実績(案件成約額や登録者数)などの開示をしているかどうか。

 

日本のソーシャルレンディング事業者の比較と特徴

『SBI Social Lendeing』 SBIソーシャルレンディング株式会社

https://www.sbi-sociallending.jp/

東証一部上場企業の大手金融グループであるSBIグループの100%子会社です。

デフォルト歴が無く信頼性が高い会社です。そして投資家登録数も約32000人と最も人気の高い会社です。同じ会社の中で投資家用窓口と借り手側窓口が分かれています。

登録、販売、分配金送金の手数料が無料で管理手数料、委託手数料は必要です。

住信SBIネット銀行口座でクイック入金サービス利用の場合の出資金の入金に対する振込手数料は無料です。

それ以外の出資金入金時の振込手数料は投資家負担です。

・成約実績    :319億円
・担保or信用保証 :案件により異なる
・投資可能額   :1万円~
・運用利回り   :3.0~10.0%

『LC LENDING』(エル・シー・レンディング)株式会社LCレンディング

https://www.lclending.jp/apl/contents/company/index

ジャスダックに上場するLCホールディングス株式会社の100%子会社です。

サイトの運営や、投資家の募集、管理などはmaneoマーケット株式会社が行っています。

全ての案件に信用保証か担保が付けられていている点は見逃せません。

・成約実績    :274億円
・担保or信用保証 :有り
・投資可能額   :2万円~
・運用利回り   :4.0~10.0%

『maneo』(マネオ)maneoマーケット株式会社

https://www.maneo.jp/

2007年10月に日本で初めてソーシャルレンディング事業を立ち上げ、他の事業者のプ ラットフォームとなっている会社です。

そのことから、他の営業会社の不祥事の為、2017年8月に金融庁より業務改善命令を受けています。

現在は「再発防止に向けて全社一丸となって取り組み、信頼の回復に努めている。」とのことです。

・成約実績    :159億円
・担保or信用保証 :案件により異なる
・投資可能額   :2万円~
・運用利回り   :4.7~9.9%

『OwnersBook』(オーナーズブック)ロードスターファンディング株式会社

https://www.ownersbook.jp/

マザーズに上場しているロードスターキャピタル株式会社が運営している不動産投資に特化している会社です。

主要メンバーのほとんどが宅地建物取引士や不動産鑑定士、ビル経営管理士の資格を持つ不動産のプロ集団が東京近郊中心に不動産を取得しています。

投資口座への振込み、払戻しにかかる費用(300円)が係るが、それ以外の管理費用などは係らない。

少額で不動産投資ができるので、不動産好きの人や不動産に興味がある人はチェックしてみてほしい事業者です。

償還金(分配金)は四半期毎、または償還時一括配当のいずれかです。

・担保or信用保証 :全て不動産担保付き
・投資可能額   :1万円~
・運用利回り   :4.0%~6.0%中心

『J.LENDING』(ジェイ・レンディング)株式会社ジャルコ

https://www.sociallending.jalco.co.jp/trade/home/toppage.do

東京証券取引所 JASDAQ(スタンダード)に上場のJALCOホールディングス株式会社の100%子会社です。

パチンコ店などのアミューズメントホールの不動産投資案件が多い。配当は毎月分配で口座開設手数料・取引手数料なしで

運用期間は6~24ヶ月が中心になっています。

・担保or信用保証 :有り
・投資可能額   :50万円~
・運用利回り   :3.0~8.0%

funds(ファンズ) 株式会社クラウドポート

https://funds.jp/

約1年半の準備期間を得て2019年1月にサービスを開始した新しいタイプのソーシャルレンディングです。

fundsは1つの口座で複数の企業のファンドに投資することができ、投資可能額はなんと1円からできます。

さらにソーシャルレンディングで課題となっていた借り手側の情報公開を実施するという透明性の高い商品といわれています。

また「関係会社貸付スキーム」というシステムで投資家への返済リスクの軽減を図ります。

文字通り少額分散型投資ができる商品として人気が高まっています。

・累計応募金額  :1億455万円(2019年3月時点)
・投資可能額   :1円~
・運用利回り   :1.5~6.0%

 

まとめ

日本国内のソーシャルレンディング事業者では、最後にご紹介させていただいた株式会社クラウドポートのfunds(ファンズ)を除くほとんどの会社で、借り手側の詳細な会社情報は非公開になっています。

このことから、私たち投資家が独自の判断で、仲介役のソーシャルレンディング事業者を見極めることは余儀なくされます。

様々な商品には、発展途上国に向けてなどの社会的意義の高いものや、起業まもないベンチャー企業の事業資金や、介護施設の不動産投資などもあります。

個人の投資金が有効に活用されることを目的に考え、はじめてされる方は、少額から、短期間運用のものなどからはじめることをお勧めします。

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