ソーシャルレンディングの不労所得でセミリタイアは実現する?

2019.05.06 [月]

ソーシャルレンディングの不労所得でセミリタイアは実現する?

2010年代から日本でも案件が増え始めたソーシャルレンディング。

ソーシャルレンディングは新しい投資の形として徐々に知名度を上げており、投資家は、一度投資を行ったら満期までほとんど何もせずにお金を増やすことができる点が特徴です。

このソーシャルレンディングを活用してセミリタイアが可能だとしたら、どうでしょうか?

この記事では、セミリタイアについての考え方と、ソーシャルレンディングによってセミリタイアを目指す方法について解説します。

 

セミリタイアについて考える

まずは、セミリタイアとはどんな状態を指すのか定義を確認しましょう。混同されやすいアーリーリタイアとの違いも解説します。

セミリタイアとは?

セミリタイアは定年前に仕事をやめ、貯金や不労所得によって自由なライフスタイルを実現する生き方です。

貯金や不労所得で足りない分の生活費は、短時間の労働などで補います。週5日8時間で働いていた本業の仕事をやめ、貯蓄や不労収入+副業的な仕事で生計を立てている状態を条件とします。

アーリーリタイアとの違い

セミリアイアと混同されやすい言葉として、アーリーリタイアがあります。

どちらも定年前に仕事をリタイアする点は同じですが、アーリーリタイアは副業的な仕事も持たずに、生活の全てを貯蓄や不労所得で賄うことができるスタイルです。

アーリーリタイアの場合には、相応の貯金額や月々の不労所得からの高い収入が必要なので、ハードルが高いように感じますよね。

一方で、不足分の収入を働くことによって得るセミリタイアであれば、アーリーリタイアよりも実現のハードルがぐっと下がる印象を受けます。

セミリタイアの生活

セミリタイアであれば大きな額の収入は、必ずしも必要ありません。もちろんあるに越した事はないですが、なくてもセミリタイア生活を目指す事が可能です。

例えば、月に投資からの不労収入として10〜20万円を作ることができれば、足りない分はアルバイトや単発の仕事などをして補い、セミリタイア生活を実現することが可能です。

収入額が大きくなくても、贅沢をせずに生活すれば十分生きて行くことができます。本業の仕事に行かなくても良いので、自分のやりたいことに時間を割くこともできます。

 

セミリタイアのために必要なお金

セミリタイア生活を送るために必要なお金はどれくらいなのか気になりますよね。

ここでは、平均年収や平均支出から、セミリタイアに必要なお金を考えます。

必要なお金は個人の状況によって異なるので、最終的には自分の状況を加味して必要額をシュミレーションすることをお勧めします。

平均年収から考えよう

日本の現役世代の平均年収は、全体で約420万円となっています。年代が上がるごとに平均年収は上がっていき、30〜40代の平均年収は450万円〜550万円ほどです。

単純に平均年収を参考にして、会社員時代と同じレベルの生活水準を維持したいと考えるのであれば、年に約500万円、月にして40万円ちょっとの収入を不労所得+副収入によって得る必要がありそうですね。

平均支出から考えよう

先ほどは平均年収から必要資金をざっくりと考えました。

しかし、年収で考えた場合には、貯蓄分なども含まれていることが想定されます。そのため、生活をするための最低ラインを確認するため、平均支出も調べてみたいと思います。

総務省の家計調査報告によると、平均支出は、2人世帯で一ヶ月平均約28万円となっています。単身世帯の場合は、一ヶ月約16万円が平均支出として統計が出ています。

年間に計算すると、2人世帯であれば340万円弱、1人世帯であれば200万円弱の支出です。

これらのデータを参考にすると、家族が2人であれば年間340万円以上、一人であれば年間200万円以上の収入があれば、理論上では平均的な生活を送ることができるようになります。

なお、家計調査報告によると、関東エリアでは2人世帯の平均支出が月間約33万円となっており、全国生平均よりも5万円ほど高い数値が出ています。

当たり前ですが、物価が高い地域で生活をしたいのであれば、平均額よりも生活費を得なければなりません。そのため、もしセミリタイア生活を送りたいのであれば、物価が安い地方へ移住をしてしまう方が有利と言えそうです。

( ※参考 総務省家計調査報告)

最終的には自分の状況や希望を加味して判断する

年収や支出から必要なお金をざっくりと計算しましたが、最終的にはこれらに自分の状況や希望を加えて、セミリタイアに必要な資金をシュミレーションする必要があります。

例えば、セミリタイア後にどんな生活を送りたいかで、どれくらいの収入が必要かは異なります。家でのんびり本を読んで過ごしたいのであれば、最低限の生活資金を稼げば問題ないかもしれませんが、海外を旅するように暮らしたい、という人であれば、また違った計算が必要でしょう。

また、これまで会社員だった場合には、給与引き落としだった年金や保険、税金などを自分で納めなくてはいけなくなります。国民年金や国民健康保険、税金などについても試算しておきたいところです。

 

セミリタイアに必要な元手を稼ぐシミュレーション

セミリタイア生活を送るために十分な貯金がある人を除いて、多くの人はセミリタイア生活を目指して”元手になるお金”を作る事が必要なのではないでしょうか。

将来的にソーシャルレンディングを利用してセミリタイア生活をするため、元手となるお金を作るためのシミュレーションを行いたいと思います。

年間の不労所得をどれくらい得たいか?

最初に、セミリタイア後にどれくらいの年間の不労所得を目指すかを決めましょう。その金額によって、準備しなければならない元手の額も変わります。

日本におけるソーシャルレンディングの利回りの平均は8%前後となっています。年利8%で、年間の不労所得240万円を目指す場合には、元手は3,000万円必要です。(計算式:240➗0.08=3,000)

同様に計算すると、年利8%で運用した場合に必要な元本がわかります。

<年利8%で運用する場合の必要元本>

年間に目指す不労所得 必要な元手
240万円/年 3,000万円
340万円/年 4,250万円
500万円/年 6,250万円

年間500万円の所得を目指す場合には、最初から6000万円以上のお金を準備する必要があります。

大きな額なので、最初は年間の目標不労所得を240万円に設定し、元手となる資金を増やしながら、不労所得からの収入を上げることを目指していくと良いのではないでしょうか。

3,000万円の元手を作るために

ここからは、年間240万円の不労所得を目指し、3,000万円の元手を作るための方法を考えます。

パターン1:貯金でつくる
貯金で3,000万円というお金を作ることも不可能ではありません。しかし、少々時間がかかるのと、年間の貯金の額が大きくなりがちです。

例えば、年間100万円貯金ができたとすれば、3,000万円を貯めるのに30年かかることになります。30歳で貯金を始めた場合、お金が貯まるのは60歳のときということになります。これでは、時間がかかりすぎてセミリタイアではなく通常のリタイアになりかねません。

パターン2:投資で運用してつくる
貯金よりも効率よく、かつ早く3,000万円の元手を作るのであれば、やはり投資を利用することが有効です。

例えば、100万円でスタートし、年利8%で運用したとします。

この場合、先ほどの貯金の例と同じように毎年100万円ずつ積み立てると、15年後には3,000万円に到達する計算になります。

30歳の時にスタートしたら45歳時点でセミリタイアの元手が貯まることになります。貯金のみで資金を貯めていた時の半分の期間です。

また、毎年100万円を積み立てるのが難しい場合もあるでしょう。スタート時のお金を100万円、毎年積み立てる金額を半額の50万円にすると、21年で3,000万円がたまります。

貯金と比較した場合、9年早く資金を貯めることが可能です。

<スタート時100万円で3,000万円に到達する期間>

方法 期間
毎年100万円貯金 30年
年8%で運用+毎年50万円積み立て 21年
年8%で運用+毎年100万円積み立て 15年

効率よく資金を増やすには、複利で増やすことが有効です。

今回は、元手を作る際にもソーシャルレンディングをメインで利用することを想定し、年利は8%で計算しましたが、別の投資商品を使うことでさらに高い利回りを期待できる場合もあります。

ただ、利回りが高いものは、当然高いリスクや手間、プレッシャーなどを伴うので、よく考えて投資先を選んでください。

 

ソーシャルレンディングでセミリタイアを目指す

セミリタイアを目指すために必要なポイント、方法をまとめます。

ソーシャルレンディングでのセミリタイアを目指す手順

ここまでご紹介してきた通り、まずはセミリタイア後に必要な生活資金の計算や、自分がどんな生活を望んでいるかを洗い出します。

そして、セミリタイア時に必要な元手を作るために、積み立て投資を始めましょう。

貯金だけ、投資だけだと効率が悪く、時間がかかってしまいます。積み立てと投資を同時に行うと10〜20年で大きな資金を作ることができます。

分散投資を忘れずに行う

元手を作る際にも、セミリタイア後の運用でも、分散投資を心がけましょう。

ソーシャルレンディングは、貸し倒れや事業者の倒産リスクも孕んでいます。

一つの事業者や一つの案件に集中して投資を行ってしまうと、最悪の場合資金をすべて失ってしまうこともありますので、必ず複数の事業者、案件に分散して投資を行いましょう。

さらに余裕があれば、株式や国債などの別の投資商品にも分散して投資してみると良いでしょう。

十分な必要資金を準備してからセミリタイアを

十分な資金を貯めずに見切り発車でセミリタイアしてしまうと、生活に必要なお金の余裕がなくなってしまう場合があります。

投資によって不労所得を得ることを予定している場合には、資金に余裕がないと気持ちの余裕も失われ、良い結果を出すことができなくなることもあります。

しっかりとした計画を立てて、十分な資金を貯めてからセミリタイア生活を始めるようにしましょう。

 

まとめ

ソーシャルレンディングによるセミリタイアをする方法についてご紹介しました。

現代は、多様な生き方が選択できる時代です。一つの会社で定年まで過ごす人生以外にも、自分の好きな人生設計を立てて実行することができます。

ソーシャルレンディングを利用したセミリタイアも一つの選択肢です。まずは理想を計画に落とすことからスタートしてみてはいかがでしょうか。

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