ソーシャルレンディングの魅力の1つが、気軽に投資できること。
かつては大きな資金が必要だった不動産投資などを、ソーシャルレンディングでは少額で行えるようになりました。
そこで今回は、少額投資を行うメリットと、少額投資ができるソーシャルレンディングサービスを6つ紹介します。
それぞれテーマや事業者の信頼性、リスクなどが異なるので、自分に合ったソーシャルレンディングサービスを探しましょう。
ソーシャルレンディングでは少額での投資可能?
ソーシャルレンディングでは、少額で投資が可能です。
1円から投資できるFundsや、そのほか1万円から投資できるソーシャルレンディング事業者がいくつかあります。
また1万円を超えますが2~3万円から投資できる事業者もあります。
まずは少額で気軽にソーシャルレンディングに投資してみましょう。
ソーシャルレンディングで少額投資するメリット
ソーシャルレンディングで少額投資するメリットを紹介します。
すぐに始められる
少額であればすぐに始められます。
お金が貯まってから投資しようと思っても、なかなか貯まりませんし時間がかかります。
ソーシャルレンディングは1万円から投資可能なので、やってみよう!と思った時に気軽に始めることができます。
リスクを減らせる
ソーシャルレンディングは企業への融資ですから、貸し倒れ(デフォルト)のリスクが存在します。
デフォルトが起こると、そのファンドに投資した金額全額が戻ってこないこともあります。
そのため少額投資を行うことで、リスクを減らすことができます。
投資する金額が少なければ、損失で失う金額も減ります。
少額だと得られる利益は少ないかもしれませんが、初心者の方はまずは少額投資でリスクを最小限にして投資を行い、様子を見ましょう。
少額でもリターンが期待できる
銀行に預けると金利は0.001%、金利の高いネット銀行でも0.1%です。
金利0.1%の銀行に1万円を預けたところで、1年で10円しか増えません。
しかし、1万円を利回り5%のソーシャルレンディングに投資すると、1年だと500円も増えることになります。利回りが10%になると、1000円増えます。
ソーシャルレンディングでは少額であっても利回りは変わりません。
1万円ならこの程度ですが、得た利息を再投資することで利益は増えていきます。また2万円、3万円と投資金額を増やしていくとさらなるリターンを期待できます。
銀行に預けてもほとんどお金が増えない時代なので、余剰資金があればソーシャルレンディングで投資をしてみるといいですね。
少額から始められるソーシャルレンディングサービス
少額で始められるソーシャルレンディングサービスを6つ紹介します。
クラウドバンク
クラウドバンクでは、国内のファンド全てが1万円から投資でき、1万円以上であれば千円単位で金額を変更できます。
大手の日本クラウド証券が運営しています。
運用期間が短い案件が多いのが特徴です。
他のソーシャルレンディング事業者の案件の運用期間は半年~1年以上のものが多いのに比べて、クラウドバンクは3ヶ月のものもあります。
運用期間が短いと早くお金が返ってくるので初心者の方には安心です。
また、2017年12月までに募集金額200億円を超える実績があり、多くの人が利用しているという点も安心材料です。
オーナーズブック
オーナーズブックは日本国内の不動産特化のソーシャルレンディング事業者です。
全ての案件に不動産の担保が付いているのが特徴で、1万円から投資できます。
上場企業であるロードキャピタル株式会社が運営しており、平均利回りは5%とソーシャルレンディング事業者の中では低めですが、2018年12月時点で貸し倒れ・遅延は起こっていません。
オーナーズブックでは不動産を売却して利益を生み出します。
そのため、予定していた価格よりも高い値段で売却できると確定利回りが予定利回りを9%ほど上回ったこともあります。
登録会員だけが利用できる珍しいSNS機能もあり、他の投資家にメッセージを送るなど、投資状況について話し合うことが可能です。
クラウドクレジット
クラウドクレジットの最低投資金額は1万円で、海外の成長国に投資できます。
2.5~13.5%と、ソーシャルレンディングの中でも高めの利回りが特徴です。
2018年12月の時点で累計出資金額が150億円を突破しており、伊藤忠商事が株主に名を連ねるなど今後の成長が期待できるソーシャルレンディング事業者です。
しかし利回りが高い分、リスクもあります。
償還時の元本割れ件数は16件と、実際に元本割れが発生しています。
少額で投資できますが、運用期間は13~25ヶ月のものが多く、リターンは大きいですがリスクも大きくなります。
海外のファンドに投資しているので、為替相場の変動リスクや投資先の国の経済的・政治的リスクなど様々なリスクを考慮しなければいけません。
安全に資産運用したい方は避けた方がいいですが、少額で大きな利益を狙いたい方には向いています。
SBIソーシャルレンディング
SBIソーシャルレンディングは1万円から投資可能で、予定利回りは3.2~10%です。
SBIソーシャルレンディングは大手SBIグループということもあり、ベンチャー企業などが多いソーシャルレンディング事業者の中では安定性や信頼性で人気があります。
2011年からソーシャルレンディング事業を行っている老舗の事業者で、2018年11月の融資残高は307億円とmaneo社を抜き、業界1位です。
SBIソーシャルレンディングの利回りは、他の事業者に比べると低めです。
しかし投資家には信頼されているため、人気はトップクラスです。
また、出金手数料が無料であることも特徴の1つです。
少額投資の場合、利益が出たとしても出金手数料がかかってしまうと実質的な利益が減ってしまいます。
そのため、SBIソーシャルレンディングは少額から投資しやすい事業者と言えます。
2019年1月時点では貸し倒れは発生していませんが、遅延は発生しています。
SAMURAI(サムライ)
最低申込金額が1万円の案件が多数あり、1万円以上であれば1万円単位で投資金額を増やすことができます。
利回りは5.5~10%、運用期間は1.5~25ヶ月と短期のものから長期のものまであります。
SAMURAIは上場企業SAMURAI&J PARTNERS 株式会社の100%子会社である証券会社が運営しています。
2015年からソーシャルレンディング事業を開始したスマートエクイティをSAMURAI&J PARTNERSが買収した形になります。
SAMURAIでは、SAMURAI証券株式会社がお金を集め、SAMURAI ASSET FINANCE株式会社が貸金業者としてお金を運用するスタイルを取っています。
2社がそれぞれ別の仕事を請け負っている理由は、それぞれが独自に融資先の企業の審査を行うためであり、より厳格に融資先の企業を決めるため、安全性の高いファンド組成になっています。しかし実績が少ないという点もあります。
ファンドは匿名組合型と社債型に分けられ、不動産や太陽光発電、仮想通貨マイニングなどのテーマがあります。
2018年10月時点では貸し倒れは発生していません。
全てのファンドが1万円から投資できるわけではなく、最低申込金額が5万円のものもあります。
またSAMURAIでは、毎月分配金がもらえるわけではなく、償還時に一括で支払われます。
Funds(ファンズ)
Fundsでは1円から投資でき、利回りは1.5~6%で、運用期間は4ヶ月~1年ほどです。
Fundsがお金を集め、Fundsから各分野のプロであるファンド運営企業にお金を送り、ファンド運営企業がお金を借りたい企業にお金を貸すというシステムです。
お金を借りる企業はクラウドポート株式会社(Fundsの運営会社)が定める基準をクリアした上場企業などであり、従来のソーシャルレンディングの借り手であった中小零細企業などではないので貸し倒れリスクが軽減されています。
その分利回りは低めですが、個人向け国債などより高い利回りになっています。
Fundの中では、複数のファンド運営企業が存在し、そのファンド運営企業が借り手企業にそれぞれ貸し出すので、様々なファンドに投資が可能です。
そのため1つの口座で、国内不動産、事業者貸付、ファクタリング、マイクロファイナンス、リースなど様々なテーマに分散投資ができます。
Fundsでは「関係会社貸付スキーム」というものを採用しているのが特徴で、投資家が負うリスクを軽減する役割があります。
一般的なソーシャルレンディングは借り手企業が返済できないと貸し倒れになりますが、関係会社貸付スキームを採用していると、「ファンド運営企業」と「借り手企業」の間に「借り手企業の関係会社」が入ることになります。
もし借り手企業が返済できないとしても損失は投資家ではなく、借り手企業の関係会社が負担することになり、投資家が負うリスクは借り手企業の関係会社が返済できるかに限定されるため従来のソーシャルレンディングよりリスクが軽減されています。
2019年1月時点で貸し倒れは発生していません。
Fundsでは、会員登録手数料・口座開設手数料・口座管理手数料・ファンド申込手数料・出金手数料が無料です。
ただし、投資口座への振込手数料は投資家が負担します。
まとめ
ソーシャルレンディングを少額投資で行うことには、すぐに始められることやリスクを減らせることなどのメリットがあります。
1万円から投資できるソーシャルレンディングサービスには、貸し倒れ・遅延が起きていないオーナーズブックや、投資家の信頼が厚いSBIソーシャルレンディング、従来のソーシャルレンディングとは違う形のFundsなどがあります。
リスクや信頼性・収益性などを十分に考慮してソーシャルレンディングサービスを選びましょう。