近年、個人投資家の注目を集め、急成長しているソーシャルレンディング。
ソーシャルレンディングとは、資金を集めたい企業と資産運用をしたい個人とを、インターネット上でマッチングするシステムです。投資額は最低ラインが1〜2万円からと、比較的始めやすい点も特徴です。
個人から資金を集めるという仕組みから、クラウドファンディングの一つとして分類されることもあります。
日本でも、2019年2月現在、20を超えるソーシャルレンディング事業者が生まれています。次々に増えるソーシャルレンディングサービスの中で、特徴的なのが、地方事業に特化した「さくらソーシャルレンディング」です。
今回は、さくらソーシャルレンディングの特徴や、口コミなどを確認していきたいと思います。
さくらソーシャルレンディングとは
さくらソーシャルレンディングは、自らを「地方創生型ソーシャルレンディング」と位置づけ、地方企業の案件を取り扱うソーシャルレンディングサービスです。
2016 年12月にサービスを開始し、拠点は福岡に置かれています。
ソーシャルレンディング×地方創生を掲げ、社会貢献性の高い案件を求める投資家と、地方事業を行う企業のマッチングを行っています。
さくらソーシャルレンディングの特徴
地方には、優良な企業がたくさんあります。しかし、東京など都市部にある企業よりも、地方の企業はどうしても資金調達が難しい現状がありました。
さくらソーシャルレンディングは、こうした課題に目をつけ、地方にある企業に特化した金融サービスを展開しています。
さくらソーシャルレンディングは、日本を九州、山陽、近畿などの8つのエリアに分けて、各エリアに根付いた企業と事業パートナー制度を取っています。
投資案件を行う地方企業(事業パートナー)は、投資家の投資資金の保全を重視し、不動産領域などの安定性の高い事業が中心である点も特徴です。
安定性の高い事業が多いため、貸し倒れを防ぎ、投資家は安定して配当を得ることができます。
さくらソーシャルレンディングの評判
ここでは、実際にさくらソーシャルレンディングの評判を集めて、投資家目線のメリットやデメリットを探していきたいと思います。
より中立的にさくらソーシャルレンディングを知るため、悪い評判、良い評判をフラットに集めています。
<悪い評判から見えるデメリット>
まずは、悪い評判やデメリットとみられるポイントから、ご紹介します。
・平均より利回りが低い
さくらソーシャルレンディングの評判として、「平均より利回りが低い」というものがありました。
日本のソーシャルレンディングの平均利回りは、約8%というデータが出ています。それに対し、これまでのさくらソーシャルレンディングの平均は7%弱となっています。
地方創生をテーマにし、社会貢献性を重視しているため、利回り重視でパートナーを選んでいるソーシャルレンディングよりは利回りが低い点は致し方ないのかもしれません。
日本の国債は、10年の運用で年利回り1%未満ですから、他の投資方法と比べて、さくらソーシャルレンディングの利回りが特段低いわけではありません。
しかし、投資では、1%の差が資産形成に大きな影響を与えます。ソーシャルレンディング平均より約1%利回りが低いという点は、実績重視の投資家からすると、物足りなさを感じるかもしれません。
・長期投資案件が少ない
さくらソーシャルレンディングでは、現在は、リスク管理の観点で、最長で1年で投資が終わる案件しかありません。
投資は、長く続ければ続けるほど複利が効いてきて、資産が増えるスピードが上がるものです。ですので、短期案件しかない点は、資産形成の観点ではあまり喜ばしいものではありません。
あくまで地方創生への支援を第一目標にお金を出資し、元本を短期で回収したい人向けと言えそうです。
またサービス開始が2016年の12月なので、本当に良いサービスかどうかを判断できるほどの実績もまだ少ないと言えそうです。
・振り込み手数料が自己負担
投資資金を振り込む際、振り込み手数料が自己負担になってしまう点が、悪い評判としてありました。
株式投資などでは振り込み手数料を、証券会社が負担してくれることが少なくありません。他の投資方法と比べて、手数料がかかってしまう点はデメリットとしてうつってしまうことも。
手数料を節約するためには、手数料が安いネットバンクを開設する方法や、さくらソーシャルレンディングと同じ、三井住友銀行の新橋支店の口座から振り込みを行う方法があります。
・募集期間が非常に短い案件がある
さくらソーシャルレンディングに限らず、ソーシャルレンディングは、案件の投資募集期間が短い場合が多いです。
さくらソーシャルレンディングも、人気案件はすぐに募集が埋まってしまうという評判がありました。
気になる案件があれば、あらかじめ口座開設や資金の準備などを進めておき、募集期間が始まったらすぐにエントリーができるようにしておく必要がありそうです。
<良い評判から見えるメリット>
次に良い評判についてもご紹介します。良い評判から、さくらレンディングサービスならではの特徴や、メリットが見えてきました。
・地方の活性化に貢献できる
さくらソーシャルレンディングの良い評判として、一番多く見かけるのが「地域活性に貢献できる」という点です。ソーシャルレンディングサービスはたくさんあっても、地方創生をテーマにしているのはさくらソーシャルレンディングのみです。
地方に対して何か支援をしたい、と思っている投資家は多いもの。近年は、ふるさと納税やクラウドファンディングなど、地方を支援できる制度がたくさん誕生しています。
その中でも、さくらソーシャルレンディングは、きっちり利益を出し、かつ地方の企業に投資ができるという点が特徴的です。その点を、メリットとして評価している人が多いようです。
・安全性、保全性に高い意識
さくらソーシャルレンディングの特徴の一つとして、保全重視の投資案件が多いという点が挙げられます。
企業の審査時には、返済能力の高さを重視しており、返済実績のある企業を事業パートナーとして組むことが多いと評判です。
不動産を担保にして、万が一の時にも、できるだけ貸し倒れが起こらないような工夫を行っています。また、安全のために、担保とする不動産評価額の6割程度までを融資額として設定しています。
このような安全・保全への意識の高さは、ソーシャルレンディングサービスの中でも高い水準で、安全にお金を運用したい人に評判です。
・少額投資が可能
さくらソーシャルレンディングは、2万円からの少額投資が可能な点も評判です。
投資を始めてみたいけれど、大きな資金が準備できないという方や、分散投資先を探している人にもお勧めです。
ソーシャルレンディングの仕組みや、さくらソーシャルレンディングにまだ不安がある場合でも、まずはお試し感覚で、少額かつ短期で実際に自分のお金を運用してみることができます。
・情報収集がしやすい
ソーシャルレンディングは、まだまだ運用期間が短いサービスが多く、情報が少なく本当に信頼ができるのか不安になる人もいるかもしれません。
その点、さくらソーシャルレンディングはオフィシャルブログを頻繁に更新しており、情報収集がしやすい点が評判になっています。
最新の案件の情報や、地方創生に関する情報、個人投資家向けに確定申告の方法など、参考になる情報が発信されています。
中には、社長の岩田氏自ら書いている記事もあります。
参照リンク:http://blog.sociallending.co.jp/
さくらソーシャルレンディングの実績一覧
ここでは、さくらソーシャルレンディングで運用されたローンファンドの一部の実績を一覧にしています。2019年2月時点で運用が終了しており、実績が確定しているものの中から最新のものをご紹介します。
ローンファンド名 | 募集金額 | 貸付金額 | 年利回り | 運用期間 |
さくら北海道セレクトファンド76号 | 10,050,000 円
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10,050,000 円
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6.5 % | 4ヶ月 |
さくら九州セレクトファンド70号 | 15,050,000 円
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2,510,000 円
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7.25 %
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2ヶ月 |
さくら九州セレクトファンド69号 | 15,050,000 円
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540.000円 | 7.25 %
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2ヶ月 |
さくら九州セレクトファンド68号 | 15,050,000 円
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15,050,000 円
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7.25 %
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2ヶ月 |
さくら関東セレクトファンド18号 | 10,050,000 円
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10,050,000 円
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7%
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1ヶ月 |
さくら関東セレクトファンド17号 | 10,050,000 円
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10,050,000 円
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7%
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1ヶ月 |
さくら関東セレクトファンド19号 | 8,150,000円 | 8,150,000円 | 7% | 1ヶ月 |
実績を確認すると、直近は7%前後の利回りとなるものが多く、運用期間は1ヶ月〜4ヶ月と短いものが中心です。短期で運用をし、資金回収のスパンを短くしたい人にお勧めと言えそうです。
案件は、北海道や関東、九州のものが多い印象を受けます。
さくら北海道セレクトファンドは、ホテル事業などの北海道を中心とした事業者への融資を、さくら九州セレクトファンドは、太陽光発電、アミューズメント施設、ビルメンテナンス事業を中心とした事業者への融資を行っている場合が多いようです。
まとめ
ここまでさくらソーシャルレンディングの特徴や評判をご紹介しました。
さくらソーシャルレンディングは、その特徴から、投資における社会的意義を重視したい人や、短期の案件を探している人には、特にお勧めできると言えます。
日本におけるソーシャルレンディングは、最初のサービスが2008年に立ち上がって以降、ここ2、3年で急激にサービスが増えています。アメリカをはじめとして、海外の市場規模や事例を見ると、日本国内でもまだまだ拡大が期待できると言われています。
さくらソーシャルレンディングも、市場の拡大とともにさらなる発展が期待されており、今後の動向に注目したいサービスの一つです。