ソーシャルレンディングの中でも知名度の高いSBIソーシャルレンディング。
初心者でも一度は聞いたことがあると思います。
しかし、他のソーシャルレンディングサービスと比べてどんな特徴があるのか、どんなメリットがあるのか分からない初心者の方は多いのではないでしょうか。
そこで、SBIソーシャルレンディングの特徴や、利用するメリット・デメリット、手数料について紹介します。
また、これまでの実績や遅延・貸し倒れ(デフォルト)の発生の有無、申し込み方法についても解説しています。
目次
SBIソーシャルレンディングの特徴
SBIソーシャルレンディングは、SBI証券や住信SBI銀行などを展開するSBIグループに属する会社が運営しています。
2011年3月にソーシャルレンディング事業に参入し、長い運営歴がある大手のソーシャルレンディングサービスです。
予定年利は3.2~10%とソーシャルレンディングの中では低めですが、大手グループ企業が運営していることもあり信頼性の高さから投資家に人気があります。
運用期間は12~36カ月と比較的長めの案件が多く、利息は毎月分配されます。
案件には、不動産担保ローン事業者ファンドやカンボジア技能実習生支援ローンファンド、太陽光関連ファンドなどがあります。
一番人気があるのは、利回りが低めの不動産担保ローン事業者ファンドです。
利回りは低めですが、不動産が担保についているのでリスクを軽減させることができます。
SBIソーシャルレンディングの代表である織田貴行さんは、大澤証券(現SBI証券)の代表取締役を務めた後にSBIフューチャーズ (後にSBI証券と合併)の社長となり、現在はSBIソーシャルレンディングの社長です。
協業ローンファンドを組成する際には自社ホームページで登場していますが、インタビュー記事や他メディアで登場したことはほぼありません。
SBIソーシャルレンディングのメリット・デメリット
SBIソーシャルレンディングを利用するメリットとデメリットを紹介します。
メリット①大手グループ企業が運営
SBIソーシャルレンディングは日本の大手金融グループとして初めてソーシャルレンディング事業に参入しました。
ソーシャルレンディングの新規参入事業者はベンチャー企業などの新興企業がほとんどのため、大手の金融グループに属しているという点で信頼性が高まり、業界でもトップクラスの人気を誇ります。
ソーシャルレンディングの中ではSBIソーシャルレンディングの利回りは比較的低めですが、資本の安定性や事業者の信頼性から多くの投資家が利用しています。
メリット②1万円から投資可能
SBIソーシャルレンディングでは1万円からの少額投資が可能です。
1口1万円で、1万円単位で金額を変更できます。
大手グループに属している安心感と1万円から投資が可能なことから、ソーシャルレンディング初心者はまず無難なSBIソーシャルレンディングから投資をスタートさせることが多いです。
メリット③出金手数料が無料
ソーシャルレンディング事業者の多くでは、出金手数料は投資家負担です。
しかしSBIソーシャルレンディングでは出金手数料が無料という特徴があります。
少額投資では、投資金額が少ない分得られる利息も少なくなるので出金する際に手数料がかかると実質的な利益が減ってしまいます。
少額で投資する人やソーシャルレンディング初心者の方には、出金手数料が無料というのは嬉しいですね。
また、投資家登録や出資の申し込み、退会に手数料はかかりません。
メリット④キャンペーンを実施
SBIソーシャルレンディングでは過去に「ソーシャルレンディングデビュー応援キャンペーン」などを実施しており、今でもキャンペーンを期間限定で行っています。
投資家登録とメルマガ登録するだけでSBIポイントがもらえるキャンペーンや、あるファンドに出資すると出資金額の0.5%相当のSBIポイントがもらえるキャンペーンなどで、ポイントがプレゼントされます。
SBIポイントとはSBIグループ共通で使えるポイントで、商品への交換や現金への交換、他サービスのポイントへの交換が可能です。
お金がかからない投資家登録とメルマガ登録でポイントがもらえるのはお得ですね。
デメリット①webサイトの使い勝手が悪い
SBIソーシャルレンディングのwebサイトが使いづらい・管理画面が見づらいという声があり、2017年9月にリニューアルされwebサイトのデザインは一新されました。
しかしマイページなどは改良されなかったため、以降も使い勝手が悪いと投資家の声が挙がっています。
デメリット②ロールオーバー
SBIソーシャルレンディングではロールオーバーという制度があります。
借り手の借入額が変動するファンドでは、「投資家の出資金額の合計」と「借り手の借入金額の合計」が一致しないことがあり、出資金額が借入金額を上回ってしまうことになります。
このようなケースで、余ってしまった出資金を同種の次のファンドに自動的に繰り越すことをロールオーバーと言います。
そのため、投資したとしてもロールオーバーで待たされる可能性があります。
ロールオーバーが起こる対象となるファンドは、不動産担保ローン事業者ファンドとカンボジア技能実習生支援ローンファンドです。
デメリット③情報発信が少なめ
他のソーシャルレンディングサービスでは情報発信をしているブログも増えてきています。
TwitterなどのSNSを活用したり、メディアからのインタビューやブロガーの取材に応じる社長も多い中、SBIソーシャルレンディングはインタビューやSNSなどは行っておりません。
「お知らせ」や「プレスリリース」はありますが、他サービスと比べると情報は少なめです。
また、担保の詳細な情報は公開されていません。
借り手企業をアルファベットで識別するなども行わないため、借り手が重複してしまう可能性もあります。
SBIソーシャルレンディングの実績
2019年2月末時点で融資残高が300億円を超え、319億円となり業界トップクラスとなりました。
また、2019年2月時点で投資家登録完了数は31,893人です。
遅延はこれまでに発生しており、2018年7月に遅延が発生した際は投資家に素早く報告を行い、その後の経過状況も逐一報告する誠実な対応を見せています。
約30億円という大規模な遅延であったにもかかわらず、発生から約4カ月後には約9割の金額を投資家に償還しました。
ソーシャルレンディングでは遅延したまま資金を回収できない事業者も多いので、元本割れはしましたが9割の金額の償還を素早く行ったSBIソーシャルレンディングを評価する声も多いです。
SBIソーシャルレンディングはサービス開始当初は個人向けの融資を行っており、その際に数件の貸し倒れが発生しています。
しかし法人向け融資モデルに切り替えてからは、2019年1月時点では貸し倒れは発生していません。
SBIソーシャルレンディングの手数料の種類
手数料は各ソーシャルレンディングサービスで異なります。
SBIソーシャルレンディングでは、振込手数料・管理手数料・委託手数料等の3種類の手数料がかかります。
振込手数料
住信SBI銀行の口座を持っている場合は、クイック入金サービス(即時決済サービス)が利用できるので振込手数料は無料になります。
しかし住信SBI銀行に口座を開設しておらず、他の金融機関から入金する場合は振込手数料がかかります。
振込手数料は利用する金融機関によって異なります。
管理手数料
管理手数料とはSBIソーシャルレンディングがファンドごとに定める手数料のことで、ファンドの分配収益から管理手数料を差し引いた金額が投資家の口座に送金されるようになっています。
SBISL不動産担保ローン事業者ファンドの管理手数料は2017年5月31日までは2.2%でしたが、同年6月1日からは1.8%に引き下げられました。
分配金の振込手数料はSBIソーシャルレンディングが負担します。
委託手数料等
委託手数料等とは返済が停滞した際に、貸し付けた債権の回収を第三者に委託する時に発生する費用のことです。
返済が滞り、融資した資金を回収する際に費用が発生するので、事前に委託手数料等がいくらかかるのかは記載していません。
SBIソーシャルレンディングの申込み方法
SBIソーシャルレンディングの申し込み方法を3ステップで紹介します。
ログインIDを取得
個人投資家は申請フォームに必要事項を記入し、メールアドレス・ログインID・パスワードなどの設定を行います。
登録したメールアドレスにSBIソーシャルレンディングからメールが届くので、メールに記載されているURLをクリックし、登録申請フォームに住所・氏名などの必要事項を記入します。
必要書類の画像データをアップロード
登録情報の画面から「必要書類登録」をクリックし、専用画面から必要書類の画像データをアップロードします。
マイナンバーが確認できる書類・本人確認書類・銀行口座確認書類が必要です。
必要書類についてはマイページのメッセージボックスに詳細が送られます。
本人確認キーを入力
後日、「ご本人様確認キー」が記載されたハガキが簡易書留で届くので、マイページにログインし、本人確認キーを入力します。
必要書類の画像データがアップロードされてからハガキの発送までに、1週間程度時間がかかる場合もあります。
投資家登録はこれで完了です。
まとめ
SBIソーシャルレンディングは2011年からソーシャルレンディング事業に参入した老舗で、大手金融グループに属する会社が運営しています。
利回りは3.2~10%とそこまで高いわけではありませんが、安定性や信頼性から投資家に人気があります。
1万円からの少額投資が可能で、出金手数料が無料というメリットがある反面、ホームページの使い勝手が悪い・ロールオーバーという制度があるなどのデメリットもあります。
SBIソーシャルレンディングでは遅延は発生したものの貸し倒れは起きておらず、業界でもトップクラスの事業者と言えます。