膨らむ出費。無理なく始める家計見直し

2019.04.16 [火]

膨らむ出費。無理なく始める家計見直し

現在は不景気で所得が年々下がっています。さらに輪をかけて原材料費の高騰を理由に様々なものが値上げにあっています。食料品、光熱費、ガソリン代など生活必需品までが値上げラッシュなど。

そんな状況なので「家計の見直し」をする人も増えてきています。そしてあなたもその一人なのではないでしょうか?

「家計の見直し=節約」と思っている人もいますが、家計の見直しは「必要のない出費をなくす」こと。これは節約とは意味が違います。

節約は「必要なものからも削減という行為をする」ことなので、続けていくのがしんどくなり息苦しい生活になってしまいます。

無駄な出費を抑えながらも、無理のない生活をするために参考にしてみてください。

 

家計の見直しポイント1:固定費

家計を見直すうえで一番最初に手をつけなければならないのが「固定費」です。なぜなら固定費はあなたが働いていてもいなくても、毎月必ずかかる費用だからです。

まず「これらは本当に必要なものなのか?」と冷静に考えてほしいと思います。日々忙しいため、こういうものに対していちいち細かく見ていない、考えていない人が多いので、家計の見直しを決意した今、じっくりと考えてほしい項目です。

保険

保険を契約する時の鉄則は「必要な補償を必要な分だけつける」ということ。ポイントは「補う」という点です。保険ですべてをカバーするのではなく補うという視点で保険を考えてください。そうすることにより普段の保険料を無駄に高くすることなく、何かあった時もそれを補えるだけの保険金が入りますので安心です。

「保険なんか無駄だから入るな」という人がたまにいますが、それはその人にとって無駄なだけなので、あなたにとって必要ならば入っていいと思います。基準は「あなたの生活にとって必要なもの」かどうかです。人によって必要なものと無駄なものの線引きは違いますので、そういう意見にはまどわされないようにしてください。

通信費(電話代・携帯代・ネット)

ネット社会になった現代、意外と家計の支出割合が大きいのが「通信費」です。この「通信費」を細かく見ていくことで、必要のないものを契約していたり、まとめることで支出を抑えることができるので、そこを見ていきましょう。

インターネット環境

今はもう「ネット社会」となってしまいましたので、これらと生活を切り離すのは難しいと思います。これも保険と同じで「不必要なものに契約していませんか?」という点で見直してほしいです。

まず家にインターネット回線は必要なのか?ということです。仕事の関係で家にも必要ならば仕方ありませんが、スマートフォンさえあればわざわざ家にネット環境がなくても十分生活していける場合もありますので、そこを見直してください。

固定電話

現在、あなたは固定電話をどのくらい使っていますか?

ひと昔前なら携帯電話がまだなかったり、専業主婦の割合が多く家にいる主婦の方も多くいましたので、固定電話は必須だったかもしれません。

今は携帯電話の普及率の方が固定電話よりも多いので、携帯電話のみ連絡手段にして固定電話を解約してしまうことも検討してみてください。

携帯代

スマートフォンの所有率が80%を超えたというデータがありました。それだけ普段の生活に密着しているスマートフォンですが、案外維持費がかかります。ひと月8,000円~9,000円くらいかかっているのではないでしょうか。

そんなスマートフォンの月々の支払いを減らしてくれるのが「格安SIM(格安スマホ)」です。これを使うことによりひと月の携帯料金が3000円代になります。つまり1台5,000円~6,000円携帯料金が安くなる計算になります。

ただし「格安SIM(格安スマホ)」には注意すべきポイントがあります。それはキャリア(ドコモやソフトバンクなどのこと)の通話料金よりも高いことと、ギガ数に制限があるということです。

つまりあなたの使用状況によっては「格安SIM(格安スマホ)」に変えた方が高くなる場合もありますので、安易な変更は避けた方がいいです。

子供の習い事や塾

子供の可能性を見つけるために色々な習い事をさせる人もいます。それも考え方の1つですが大切なのは「子供が自分から本当にやりたいと思っているものを習わせているか」というところではないのでしょうか?

親の都合でやらせている習い事はないかをあらためて見直してみてください。「やってると親が喜ぶからやっている」という気を使っている子供も少なからずいるので、普段からのコミュニケーションも大事になってきます。

塾も同様。「受験のためにとりあえず子供を塾に入れる」親がいます。子供が行きたくないのに無理やり塾に行かされた場合、塾で真面目に勉強することはないので成績があがりません。

子供の方から「塾に行きたい」と言わない限り成績アップしづらいので、日々のコミュニケーションから判断しましょう。

年会費や月会費

面倒なため解約していない会費のかかる少額のサービスなどありませんか?「年会費初年度無料」だったクレジットカードが、使っていないのに年会費だけ取られている状況になっていませんか?

そういった1つ1つは小さなことでも、積み重なっていくと大きな出費になります。

なぜなら「めんどう>少額の出費」のマインドになっている場合、他の項目でも少額の出費を垂れ流している可能性があるからです。この機会にすべて洗い出して必要のないものは見直してみてはいかがでしょうか?

 

家計の見直しポイント2:生活費

生活費というのは「人が生存していくうえで必最低限の経費」のことをいいます。つまりそれは「衣・食・住」のことです。

よく「節約術」で節約しようとする項目ですが、生活費は「生きていくうえで必要な経費」です。そこを削ろうとすることは「最低限生きていくための快適さも削る」ことになるので、生活していて息苦しくなります。

生活費を過剰に節約することや見直すことはあまりおすすめしません。「無駄に使ってなければOK」くらいでいいと思います。

とはいえ見直すポイントもありますので以下でチェックしてみてください。

家賃・住宅ローン

賃貸の場合、生活をしていて今の間取りで「あまり使っていない部屋、物置だけになっている部屋」はないでしょうか?

もしあるならその分も家賃がとられているので無駄になってしまいます。今よりも間取りが狭いところに引っ越せば基本的に家賃も今より安くなるので、その分家計の負担が減ります。

住宅ローンの場合ですが、今ローンを組んでいる利率よりも低い利率でローンが組める金融機関に「借り換え」する方法がおすすめです。しかし1つ注意してほしい点があります。金利が安いというだけで安易に借り換えをしないことです。

返済シミュレーションをして支払いの総額が下がっていたとしても、「借り換え手数料」を取られると結果的にトントンもしくは借り換え前より支払いが増える場合があります。

検討する時は「借り換え手数料」のことも頭に入れておきましょう。

食費

食事は生きていくうえで1番大切になりますので、無駄遣いしていなければ切り詰める必要がない項目だと思います。

ただし、食費を見直すうえでのポイントは、食費の予算を決めることと、買物慣れしていないパートナーに買物を任せないということです。

月の食費がどのくらいかかるかを把握している人はいますが、食費の月予算を決めていない家庭がほとんどです。しっかり予算をつけることによって金額を意識するようになります。

無駄に食材を買い込んだり、買う予定のなかったものを買ったり、買いすぎて腐ってしまい破棄するようなこともなくなります。

買物慣れしていない人に買物を頼むと、商品の目利きができないため自分が望んだものを買ってこなかったり余計なものを買ってきたり、あまりいいことがありません。「誰が買っても同じもの」を頼む以外は自分で行った方がいいでしょう。

光熱費

ライフラインは生きていくうえで必要不可欠なものなので、無駄遣いしていなければそれほど気にする必要はないです。

ここも節約術でいろいろなやり方を紹介されている項目ですが、労力に対して見返りがあるくらい節約できるわけでもないです。

電気のつけっぱなしや水の出しっぱなし、使用状況に対して適切なプラン変更をやっておけば十分だと思います。

最低限の衣類

自分を良く見せるために「ブランド品」を身に着ける必要はありません。

重要なのは自分に合ったコーディネートをすることです。安くても着こなし次第でオシャレに見えるので、お金をかけず工夫でうまくやっていきましょう。

交通費

住んでいる場所によっては「固定費」の項目にもなるガソリン代です。都心部以外の地域では必要不可欠なものなので休日は車をあまり使わないで徒歩や自転車で出かけたり、エコドライブで燃費を良くしたりしてガソリンを給油する回数をできるだけ減らすようにしましょう。

また電気自動車に買い替えるというのも1つの手段です。

都心部に住んでいる場合は、あまり車の出番もないと思うので思い切って車の所有をやめることも検討しましょう。

交通機関やバス、タクシーなどを利用しどうしても車が必要な時はレンタカーを借りるというのも1つの手です。

車を所有することで出費するものはガソリン代、オイル交換やタイヤ交換などの消耗品、毎年かかる自動車税、車検、車の保険など結構出費がかさみます。車を所有しないということも検討してみてください。

 

家計の見直しポイント3:貯蓄

あるファイナンシャルプランナーが「貯蓄をできない夫婦」の特徴を調べたものがありました。そこに載っていた10個のうちワースト3をあげて説明したいと思います。

1.貯金を余ったお金でしようとする

具体的な金額を決めずに「生活費が余った分だけ貯蓄に回そう」と思うと貯蓄できません。

毎月決まった金額を強制的に引き抜くことで貯蓄ができるようになります。定額貯金などを利用して口座から引き落とされるような形にすれば、貯蓄することができるでしょう。

2.収入が平均より高い

収入が高いなら貯蓄も沢山できるだろうと思いますが、案外収入が高いほど貯蓄がないことの方が多いです。それは生活レベルがあがることによる固定費の増加と、まわりによく見られたいために車や家、身なりにお金をかけてしまうからです。

3.妻が夫の収入を知らない

妻が夫の収入を知らないと、それをいいことに夫が好き勝手使ってしまう可能性があるのでしっかりと把握しておきましょう。(収入をすべて「管理する」のではなく、「把握しておく」ことが大事です)

上記を踏まえると貯蓄をするために必要なのが現状の収入を把握すること、貯蓄をする目的と目標を設定すること、生活レベルをあげないことです。

目標を決める時に重要なのは「行動を目標に設定する」ことです。

例えば目標を「今から2年間で100万貯める」にしたとします。しかしこの目標は行動で設定してないため2年間の間で挫折する可能性が高いでしょう。(どんな行動をしたらいいかわからないため)

ではどのように目標を設定した方がいいのでしょうか?答えは「2年間で100万円貯める」ではなく、「家計見直しで解約して抑えた支出金額をすべて貯蓄に回す」です。

例えば月に1万円の会費がかかっていたフィットネスジムを解約したとします。その1万円を解約後でもさもジム代が引き落としされてるかのように、毎月貯蓄に回すのです。

このように家計見直しによって削減された支払い分を「すべて貯蓄に回す」という行動を目標に設定することで、貯蓄を増やすことができます。目標達成は行動によって達成されるので「目標は行動レベルで設定」することをおススメします。

 

まとめ

現実的な収入に対する比率は「固定費45%、変動費25%、貯蓄30%といわれています。

重要なのは手取り収入に対しての比率という点です(例えば手取り30万ならば固定費13万、変動費7万、貯蓄10万)。ここを無視して「世間一般的に必要とされているもの」すなわち「常識」を家庭に導入すると、貯蓄できないばかりではなく生活していくことがしんどくなってしまいます。

また、夫が家計の管理をしている家庭の方が妻が家計を管理している家庭よりも貯蓄額が200万円多いという興味深いデータもあります。

とはいえ男性は細かい管理が苦手なので、各項目の予算を夫に決めてもらい、その予算の中で妻がやりくりするという方法も1つのやり方だと思います。この機会に夫にも家計管理に参加してもらい、夫婦協力して家計を見るという体制にしてしまえば、妻側だけで家計管理しているよりも不満が出ないと思います。

男性の得意なところと女性の得意なところをうまく掛け合わせて、夫婦で家計の見直しをしてみませんか?

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