今後の人生設計をしていく中で欠かせないのが保険ですが、最近は「女性向けの保険」というような商品もたくさんあり、どんな保険なのだろうと興味を持つ方もいることと思います。
女性の寿命は男性よりも長く、また子供を産み育てるデリケートな面があり、その分女性特有の病気になるリスクもあります。そうしたリスクを「女性保険」でカバーしたいと考える方もいることでしょう。では、「女性保険」とはいったいどんな保険商品なのでしょうか。
タイプ別に女性保険を見る
女性保険にはどのようなタイプがあるのでしょうか。
「女性保険」には下記の二つのタイプがあります。
タイプ1:医療保険に女性疾病特約が付いているもの
「医療保険に女性特有の疾病への特約がセットになった商品」のことで、通常の病気を保障しつつ、女性がなりやすい病気への保障がより手厚くなっているものが多いようです。
タイプ2:女性だけを対象としたタイプのもの
女性だけ加入対象としており、男性は加入できません。
こちらは必ずしも医療保険というわけではなく、死亡保障(生命保険)が組まれていたり、「祝い金」が組み込まれている場合があります。
では、「女性保険」と呼ばれる商品を選ぶ際の基本的な条件とはなんでしょうか。
まずは以下のような女性特有の疾病への特約がきちんと付いていることが大切です。
- ガン(子宮がん、乳がん、卵巣がんなど)
- 妊娠・出産に関連した治療(帝王切開、流産、切迫早産など)
- その他(上記以外のガン、甲状腺障害、貧血、リュウマチ、腎不全、尿管結石など)
1と2は女性でなければかかることのない病気、また3は男性でもかかることがあるものの、女性が比較的かかりやすい病気です。
「女性保険」を検討されているなら、こうした条件がしっかりカバーしていることを確認する必要があるでしょう。
女性保険はここを見て選べ
それでは、さらに「女性保険」を選ぶ際に考慮すべきポイントを見ていきましょう
「女性保険」を選ぶ際に、まず考える必要があるのは、定期型か終身型がという点です。
以下に定期型と終身型についてまとめてみましたので、「女性保険」を選ぶ際の参考にしてください。
定期型 | 終身型 | |
保障期間 | 定期的に更新必要 | 一生涯継続 |
保険料 | 物価の変動に対応しやすい | 一生固定 |
メリット | 保険の見直しがしやすい
保険料が終身型より安い |
保険料が一定で費用を計算しやすい |
デメリット | 契約の続行に更新料がかかる
年齢が上がるにしたがい保険料が高くなる |
保険の見直しがしにくい
物価変動などに対応しにくい |
解約返戻金 | 掛け捨て | 選択可能 |
注意点 | 加入の年齢制限がある | 支払いが一生続く |
上記の特徴の他に、さらに選ぶポイントとして大切なのは、「貯蓄型」か、「掛け捨て型」かという点です。
- 貯蓄型:保険を解約した時に払戻金がある
- 掛け捨て型:保険を解約した時に払戻金がない
貯蓄型の医療保険自体は多くない現状で、「貯蓄型」にこだわり過ぎるあまり、希望やライフプランに沿わない保険に契約してしまうのは残念なことです。
また、返戻金が戻ってくるとしても、手術や入院などで入院した場合は返戻金が減ってしまうことが多いようです。これではあまりバランスが良くありません。
上記の大きな特徴をそれぞれ比較して、女性保険を選ぶようにしてください。
女性保険で見るべき細かな条件
以下の条件に見合うかどうか女性保険を選ぶときは見てみましょう。
1.医療保険に比べ約二倍以上の保障を受けられる
女性保険は、医療保険に比べ約二倍以上の保障を受けられるものがあります。
たとえば女性保険によっては「女性疾病入院給付金」というものがあって、日帰り入院などの場合でも1日につき5000円から保障を付けられる商品もあります。
2.お祝い金が支給される
女性保険によっては、お祝い金が支給されるケースもあります。
お祝い金と言っても、何か特別なことがあってお祝いされるというわけではなく、定期的にお祝い金という名目でお小遣いのようなお金を受け取れるともいえるでしょう。
例えば、3年ごとに15万円の「お祝い金」が受け取れる保険商品もあります。
契約する前に
このように、女性の疾病に手厚く対応してくれる女性保険ですが、契約前にもう一度確認しておく点もあります。
1.保険料が医療保険に比べて高くなる
一般的に、女性保険には通常の医療保険に比べ2倍の保障が付帯されていたり、お祝い金が出るケースもあるため、その分保険料は高くなっています。
それもよく理解したうえでメリットのほうが魅力的と感じられるような保険商品かをしっかりチェックしておく必要があるでしょう。
2.女性保険に入る必要性をよく考える
女性保険に入る前提として、女性特有の病気への保障が手厚いというものがありました。
ただ、さらに確認すべき点として、女性特有の病気が本当にそれほど高額になるのか、という点です。
例えば、最も高額な女性特有の病気として子宮筋腫があげられます。
子宮筋腫の治療費は、約26万円ほどです。確かに高額ではありますが、ほかの病気に比べて驚くほど高額というわけでもありません。
さらに、女性保険がすでに加入している医療保険と項目が重複していることもあるかもしれません。すでに医療保険に加入していて、女性保険に関心があるなら、もう一度医療保険の項目をよく確認し、重複している項目があるのか、あるとすればどの程度重複しているのもチェックが必要です。
女性向け保険商品の例
『新CURE Lady(キュア・レディ)』(オリックス生命)
<商品の特徴>
1.女性特有の病気・ガンへの手厚い保障
女性特有の子宮がんや乳がんなどのガンに加え、胃がんや結腸癌などのび入院の場合も、女性入院給付金が上乗せして保障されます。
2.約1000種類の手術への保障
公的医療保険制度の給付対象の病気への、手術、放射線治療、骨髄移植、先進医療など約1000種類の手術に対し保障されています。
3.先進医療にも2000万円まで対応
先進医療による治療を受けた場合にも、通算で2000万円まで支払われます。
ただし、オリックス生命の他の保険商品において先進医療が保障されている場合には、重複して加入はできません。
4.お手頃な保険料。入院手術は一生保障
こちらの商品では、死亡保障や、保険料払込期間中の解約返戻金をなくしており、そのため、保険料も比較的リーズナブルになっています。しかも、更新がないので、保険料は一生涯上がりません。
5.ガン、急性心筋梗塞や脳卒中などのためにまとまった金額を支払い
三大疾病(がん・急性心筋梗塞・脳卒中)の場合は、入院が長期になり、医療費も高額になってしまうことが多々あります。この場合には、まとまった金額支払われ治療にも専念できます。
<保険料>
目安として以下のような保険料です。
20歳 | 2,902円 |
30歳 | 3,737円 |
40歳 | 4,717円 |
50歳 | 6,262円 |
注意点
1. 選べる特約(特則)が多くない
特約が合計7種類のみです。内訳は、特約5種類、特則2種類
2. 契約後、特約を途中で付加できない
3. クレジットカードでの取り扱いには上限金額が設定されている
『ちゃんと応える医療保険レディースEVER』(アフラック)
<商品の特徴>
1. 女性特有の病気のための入院や、特定の手術を保障
乳がんや子宮がん、また妊娠にかかわる女性の特定疾病に関して保障されています。
2.日帰りの入院など、短期の入院にも対応
5日未満の入院なら日帰りでの入院に対し、入院給付金が支払われます。
3.病気やけがの場合の入院に通院保証が付く
日帰りの入院などの場合や、短期入院後の通院治療も受けられます。
4.入院中の手術、外来によう手術、放射線治療を受けた時にも保障が付く
5.特約を付加すると三大疾病に対して備えができる
<保険料>
目安として以下のような保険料です。
20歳 | 1,865円 |
30歳 | 2,160円 |
40歳 | 2,540円 |
50歳 | 3,610円 |
注意点
1. 上乗せの対象なる女性疾病が多くない
2. 保証を80歳までしか継続することができない
まとめ
今回はお勧めの女性保険を中心に、その特徴や注意点を見てきました。病気の際や老後に対する保障があるなら、健康で、生き生きとした毎日を送るのに助けになりますね。
ぜひいろいろな「女性保険」を比較検討し、ライフスタイルに合った女性保険を選んでみてください。