iDeCo(イデコ)の年末調整・確定申告の書き方はこれを見れば完璧!

2019.04.07 [日]

iDeCo(イデコ)の年末調整・確定申告の書き方はこれを見れば完璧!

iDeCoとは「個人型確定拠出年金」の愛称です。「iDeCo」の大きな魅力として「掛け金が控除の対象になる」という特徴があります。

つまり、「iDeCoに投資したお金は税金が戻ってくる」という訳です。しかし、自動的に税金が戻ってくることはなく年末調整、もしくは確定申告の手続きが必要です。

それぞれの手続きは年に1度しかないため、どこに何を記入すべきかどんな書類が必要なのか、分からないことも多いのではないでしょうか。

この記事では、iDeCo(イデコ)の年末調整・確定申告の書き方を「会社員・公務員の方」、「自営業の方」と2つのパターンに分けてご紹介します。

 

年末調整の手続き(会社員・公務員の場合)について

2017年1月から会社員や公務員も「iDeCo(個人型確定拠出年金)」へ加入できるようになりました。

掛金の限度額は会社によって変わってきますが、手続きは同じです。今回は会社員・公務員の方が行う年末調整の手続きを3ステップでご紹介します。

1.「小規模企業共済等掛金払込証明書」の保管

「小規模企業共済等掛け金払込証明書」とは、国民年金基金連合会からiDeCoへ加入している方に対して送付される書類のことです。

この書類は、「加入者が納付した1年間の掛け金が証明できる証明書」であるため、到着し次第、大切に保管してください。

2. 「給与所得者の保険料控除申告書」の用意

年末調整の提出書類として「給与所得者の保険料控除申告書」というものがあります。この書類は、勤務先が用意しているため担当の課へ取りに行き必要事項を記入します。

 

「給与所得者の保険料控除申告書」の記入部分

「給与所得者の保険料控除申告書」において記載が必要部分は、右下にある「小規模企業共済等掛金控除」という項目内の「確定拠出年金法に規定する個人型年金加入者掛金」という欄です。

該当箇所に、1で用意した「小規模企業共済等掛け金払込証明書」に記載されている額を記入します。

3.「小規模企業共済等掛金払込証明書」と「給与所得者の保険料控除申告書」を勤務先へ提出する

「小規模企業共済等掛金払込証明書」と「給与所得者の保険料控除申告書」を準備したら、会社内の担当部署へ提出してください。

記載にミスなどがなければ、12月の給与受け取り時にその年の所得税が還付されます。

 

注意点:初回の掛金を10月以降に行なった場合は「確定申告」が必要

年末調整の際には「小規模企業共済等掛け金払込証明書」は必要です。この書類は毎年10月に送付されるため、10月以降に「iDeCo(個人型確定拠出年金)」へ加入すると証明書を年内に受け取れません。

10月以降の加入者の場合、還付を受けるには年末調整ではなく確定申告が必要です。

 

確定申告の手続き(自営業者の場合)について

「年末調整」とは、企業が「給与所得者(従業員)」に対して払った給与を再計算して「所得税」を確定させる制度です。

自営業者の方は「給与所得者」ではないため、税金の還付を受ける場合は「年末調整」ではなく「確定申告」が必要です。

次は、自営業者の方が行う確定申告の手続きを3ステップでご紹介します。

1.「小規模企業共済等掛金払込証明書」の保管

会社員・公務員の手続きと同様に「小規模企業共済等掛け金払込証明書」が必要です。

「小規模企業共済等掛け金払込証明書」とは、国民年金基金連合会からiDeCoへ加入している方宛に毎年10月ごろ送付される書類です。

この書類は、「加入者が納付した1年間の掛け金が証明できる証明書」であるため、到着し次第大切に保管してください。

2.「確定申告書B」の用意

確定申告には「確定申告書A」「確定申告書B」の2種類があります。

「確定申告書A」は特定の所得に関する申請にのみ使用します。「確定申告書B」は全ての所得に関する申請に利用できるため、自営業者の場合は「確定申告書B」を使用します。書類はネットでダウンロード可能です。

「確定申告書B」の記入

「確定申告書B・第一表」の左下に「所得から差し引かれる金額」という欄があります。該当欄の中に「小規模企業共済等掛金控除」という項目があるのでiDeCoの掛金の総額を記載します。

次に「確定申告書B・第二表」の右上に「小規模企業共済等掛金控除」という欄があります。該当欄の中の「掛金の種類」「支払掛金」「合計」という3項目への以下の内容を記入する必要があります。

①「掛金の種類」に対しては「個人型確定拠出年金」と記入

②「支払掛金」「合計」に対しては「iDeCoの掛金の総額」を記入

以上で「確定申告書B」の用意ができました。

3.「小規模企業共済等掛金払込証明書」と「確定申告書B」を税務署へ提出

「小規模企業共済等掛金払込証明書」と「確定申告書B」を税務署に提出します。申告期限は「2月16日~3月15日」です。手続き上問題なければ、所得税の還付金が指定の口座に振り込まれます。

確定申告の手続き(年末調整をしそびれた会社員・公務員の場合など)について

年末調整を忘れていたり、「小規模企業共済等掛金払込証明書」が年内に届かなかった場合は「確定申告」を行うことで税金の還付を受けることが可能です。

次は、年末調整をしてない方が行う確定申告の手続きを3ステップでご紹介します。

1.「小規模企業共済等掛金払込証明書」の保管

年末調整と同様に「小規模企業共済等掛け金払込証明書」が必要です。「小規模企業共済等掛け金払込証明書」は、iDeCoへ加入している方宛に毎年10月ごろ国民年金基金連合会から送付されます。この書類は、「加入者が納付した1年間の掛け金が証明できる証明書」であるため、到着し次第厳重に保管してください。

2.「確定申告書A」の用意

確定申告には「確定申告書A」「確定申告書B」の2種類があります。「確定申告書A」は特定の所得に関する申請に使用し、iDeCoの申請にも利用可能です。そのため、基本的に会社員の場合は「確定申告書A」を使用します。書類はネットでダウンロード可能です。

 

「確定申告書A」の記入

「確定申告書A・第一表」の左下に「所得から差し引かれる金額」という欄があります。

該当欄の中に「小規模企業共済等掛金控除」という項目があるのでiDeCoの掛金の総額を記載します。
次に「確定申告書A・第二表」の右上に「小規模企業共済等掛金控除」という欄があります。該当欄の中の「掛金の種類」「支払掛金」「合計」という3項目への以下の内容を記入する必要があります。
①「掛金の種類」に対しては「個人型確定拠出年金」と記入
②「支払掛金」「合計」に対しては「iDeCoの掛金の総額」を記入
以上で「確定申告書A」の用意ができました。

3.「小規模企業共済等掛金払込証明書」と「確定申告書A」を税務署へ提出

「小規模企業共済等掛金払込証明書」と「確定申告書A」を税務署に提出します。申告期限は「2月16日~3月15日」です。手続き上問題なければ、所得税の還付金が指定の口座に振り込まれます。

 

掛金の拠出方法による違いについて

従来、掛け金の拠出方法としてiDeCoは「定額月払い」しか選択肢がありませんでした。しかし、2018年から「年単位拠出」が可能となりました。拠出方法の違いが運用にどのように影響してくるかご説明します。

1.「年単位拠出」:限度額の範囲なら各月で掛金の金額を自由に設定可能

「年単位拠出」とは、加入者自身で年12回の拠出スケジュールを設定できる方法です。拠出スケジュールの見直しは、年1回まで可能です。
従来の「定額月払い」の拠出方法では毎月同じ額しか掛金を設定することができませんでした。

しかし、「年単位拠出」であれば平常時は3万円、ボーナス月は10万円など限度額の範囲内で自由に掛金が設定できます。

更に大きな特徴として、掛金を払わない月を設定することもできます。掛金を払わない月は手数料の節約になるため、元本確保型商品を選んでいる場合は「年単位拠出」がオススメです。

2.「定額月払い」:ドルコスト平均法の恩恵を受けやすい

「ドルコスト平均法」とは予算を複数回に分けて投資を行い、リスク幅を平準化する手法です。「定額月払い」は正に「ドルコスト平均法」を用いた投資方法です。投資は低く買って高く売るのが理想ですが、市場を的確に判断することは難しいもの。そこで、リスク分散として有効な手法が「ドルコスト平均法」です。長期投資に有効な手法とされているので、投資信託系の商品を選択されている場合は「定額月払い」の拠出方法がオススメです。

まとめ

この記事では、iDeCo(イデコ)の年末調整・確定申告の書き方についてご紹介しました。
iDeCo(イデコ)の大きな魅力である「掛け金が控除の対象になる」の恩恵を受けるためには年末調整、確定申告が必要です。

会社員、公務員の方は2017年から対象のため知らなかった人も多いのではないでしょうか。国や企業だけに頼るのではなく、個人で自分の貯蓄を運用していく意識を持って今後もiDecoを活用していきましょう。

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