iDeCo(イデコ)とは?特徴、メリット・デメリットについて解説します

2019.04.06 [土]

【初心者必見】iDeCo(イデコ)とは?特徴、メリット・デメリットについて解説します

本格的な少子高齢化時代、長寿化時代が到来し、将来の年金に不安を感じている方も少なくないのではないでしょうか?

多くの人が現状の公的年金の仕組みに生じている歪みや不安要素を理解していることと思います。しかし「じゃあどうしたらいいの?」という問いに対して明確な答えを導き出せる人はそう多くないのではないかと思います。

ここではそんな問いに対する大きなヒントになるであろう、新しい年金のシステムである個人型確定拠出年金の「iDeCo(イデコ)」について、その特徴とメリットやデメリットを詳しく解説していきます。

将来の年金に対して少しでも不安を感じている方はぜひ参考にしてください。

 

iDeCo(イデコ)とは何?

「iDeCo(イデコ)」とは個人型確定拠出年金の通称で、簡単に説明すると「将来のために自分で作る年金」のことです。

従来の年金は「おみこし方式」

現在の日本の年金制度は積み立て方式ではなく賦課方式であり、よく例えられる言い方では「おみこし方式」とも言われています。

おみこしの上には年金受給者であるシニアの方が乗っており、おみこしを支える担ぎ手は働いている現役世代の人という構図です。

一昔前のように担ぎ手が多くいる時代は、シニア世代が少なく現役世代が多かったため、シニアの方々は手厚い年金を受給することができていました。

現状の年金制度への懸念

現在のように少子高齢化が進む時代では、おみこしの上に乗るシニア世代の方が増え、担ぎ手である現役世代の人が少なくなってしまっており、今後さらに少子高齢化に加え「人生100年時代」と謳われているように長寿化が進んでいけば、おみこしの上に乗るシニア世代がますます増加し、担ぎ手である現役世代の負担が大きく増加し、加えて現役世代の将来の年金受給額はこのままでは間違いなく減少することが予想されています。

また「確定給付型」と言われるこれまでの公的年金や企業年金は、加入期間や収めた保険料で将来の年金給付金額が決まっていくものですが、現在の少子高齢化・長寿化が進む日本では将来的に年金を受給していく人が増える一方ですので、その保障システム自体が不安視されているのが現状です。

そんな時代を背景に誕生した自分のための自分で作る積み立て式の新しい年金の形が「iDeCo」です。

従来とは根本的に異なる仕組み

今まで主流だった資産形成の形は「貯蓄」でしたが、大幅に預貯金の金利が低くなってしまった現代で預貯金の資産しか作っていないとシニア世代になった時の資金に困ることが予想されます。

iDeCoは「確定拠出年金」であり、従来の確定給付型の年金とは考え方が根本的に違う仕組みになっています。

自分で運用金額を決めることができる

まず確定拠出年金では将来の年金受給額が事前に決まっていません。しかし、年金のために毎月積み立てていく金額は自分で決めることができます。

そして60歳以上になった際の受給できる年金額は、自分が指定した積立金の運用方法の成果によって決まります。

つまり、従来の年金の仕組みは将来の受給額が決まっているため、その額を確保するために必要な毎月の保険料が計算されてから確定し、保険料の運用方法は国や企業にお任せでしたが、確定拠出年金の場合は、事前に積み立てるお金は自分が決めて、将来の受給額は自分の運用次第という事になります。

このシステムでは年金制度を運営する国や企業が、加入者の年金受給額を補償する必要が無くなり、運用リスクを取り除くことができるというものになります。

もちろん、現在ではまだ公的年金が確定拠出型に移行することはありませんが、企業ではこの確定拠出型を導入し始めているところが増えてきているようです。

 

iDeCo(イデコ)を始める条件は?

2016年までは一部の方しかiDeCoに加入することはできませんでした。

具体的には自営業者や学生、企業年金に加入していない給与所得者のみ加入ができ、公務員や専業主婦は加入することができませんでしたが、平成29年1月の確定拠出年金法の改正により、iDeCoは20歳以上60歳未満の日本国内居住者であれば、ほとんどの方が加入できるようになりました。

 

iDeCo(イデコ)のメリット、デメリットについて

定年退職後の生活やお金に関して心配に感じている人も多いと思いますが、そんな多くの人たちの不安を解消してくれる可能性を持つ制度のiDeCo。

しかし加入をする前にどんなメリットとデメリットがあるのかを把握しておくことはとても大切です。ここではiDeCoのメリットとデメリットをまとめてみました。

iDeCoのメリット

iDeCoに加入する最大のメリットは強力な税制優遇です。

一般的に投資運用で得た利益はおよそ2割の税金がかかります。

しかしiDeCoに加入し利用すると、積み立てた掛け金の全額が所得控除され所得税や住民税が軽くなります。例えば年収600万円の自営業者が毎月5万円をiDeCoで積み立てた場合、所得税の節税額は年間で約18万円となり、年末調整や確定申告を行うことでその金額が戻ってきます。

またiDeCoでは運用中に得られた利益に対しても税金がかからないので、複利運用することで更に大きな利益を生み出すことも可能となります。

さらに60歳を超えて運用資産を受け取るときも「退職所得控除」「公的年金等控除」が受けられ、所得税が安くなるというメリットがあります。

他にもiDeCoは掛金が毎月5,000円からと、かなりお手頃な金額から始められるメリットもあり、また一般で販売されている投資信託と違い購入時に購入手数料が掛からないという点もあり、コスト面でも嬉しいメリットが多いことが特徴として挙げられます。

税制やコストに関すること以外でも、iDeCoは積立金が個人別に管理されているので、持ち運びが可能である点が挙げられます。

従来の公的年金や企業年金では積み立てられた資産は一括管理されておりましたので、例えば年金資産全体の運用がうまくいかなければ加入者全体に影響が及んでしまう危険性がありました。

しかしiDeCoは個人別で管理し、各自の運用成果によって将来の年金額が変わるものなので、国や企業の年金資産の運用がうまくいかなくても巻き添えを食らわなくて済むのです。

また企業年金のように企業ごとに制度が異なっていると、転職や離職した場合、今まで積み立てていた年金はリセットとなってしまいますが、iDeCoは年金資産が個人に紐付けされているので、転職や離職の際にもそのまま個人資産として持ち運びすることができるのです。

iDeCoのデメリット

逆にデメリットを挙げてみると、iDeCoでは積み立てた資産は60歳になるまで引き出せないことが挙げられます。

途中解約も原則できないので「お金がなくなったから解約して引き出そう」という事は出来ないのです。

例えばケガや病気、災害などのイレギュラーな事態が起こり、急な出費を要する場合に、もしiDeCoだけに資産を集中してしまっていると、60歳までiDeCoからお金は引き出せませんので、かなり困ってしまうことが想定されます。

こういった事態を防ぐためにも分散投資を行い、iDeCoに関しては老後のものと強く心に決めて毎月積み立てていくことをオススメします。

しかし「老後資金」のための積立ですので、これくらいがっちりロックされている方が良いのかもしれませんね。

また口座を開設・維持していく手数料が掛かることを最初に知っておくことが必要となります。

老後資金の運用なので、かなり長い期間口座を維持していくことになりますので、加入前に金融機関ごとの手数料をチェックしてみてください。

 

iDeCo(イデコ)の始め方について

では実際にiDeCoを始めようと考えた場合、いったいどのようにスタートしたらよいのでしょうか?

ここではiDeCoの始め方とその流れを解説いたします。

金融機関を選ぶ

まずは金融機関を選ぶことからスタートします。たくさんの金融機関がiDeCoの受付をしており、かなり迷ってしまうと思いますが、WEBページで商品内容や手数料、サポート体制を見ながら、良いなと思った会社の資料をどんどん請求して選択するのが良いと思います。

次に積み立てる金額を決めます。iDeCoは60歳までおろすことができないので、無理のない金額を設定しましょう。

商品選び

そして最後に運用する商品選びです。自分が決めている分野がある場合はその分野から選べば良いですが、何も決まっていない場合は自分が理解できる商品を選ぶことをオススメします。

長期的に運用していく商品なので、めんどくさがらず商品の概要をしっかりと把握することが大事になります。

 

まとめ

いかかでしたでしょうか?ここでは個人型確定拠出年金のiDeCoについてその特徴や始めるにあたってのメリット、デメリットをご説明しました。

多くの人が不安に感じている老後の暮らしを、安心できるものに変える可能性を持っているiDeCoは、これまでの年金制度とは大きく異なり、資産形成に近い形と言えるものです。

iDeCoの特徴でもある積立投資、長期投資、分散投資は多くの人が安全で着実に資産形成していくことができる方法です。

数多くのメリットがあるiDeCoの特徴をしっかりと理解し、ぜひ上手に活用してみてください。

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