住宅ローンを組むのは平均何歳?住宅ローンの早期完済方法について

2019.03.31 [日]

住宅ローンを組むのは平均何歳?住宅ローンの早期完済方法について

「何歳までに家を買っておいた方がいい?」と悩む人は多いと思います。

マイホームという大きな買い物だからこそ、完済するまでの期間も考えてどのタイミングで買えばいいのか迷いますよね。

そこで、住宅ローンは平均何歳で組むのか、借入時の平均契約期間や完済までにかかった平均年数を紹介します。

住宅ローンの種類や金利タイプ、早期に住宅ローンを完済する方法なども合わせて解説しています。

ご自身のライフプランに沿った住宅購入計画を立てましょう。

 

住宅ローンとは?特徴や種類について

住宅ローンには、銀行などの民間金融機関の住宅ローン、住宅金融支援機構と民間の金融機関が提携したフラット35、財形住宅融資などの公的機関の住宅ローンなどがあります。

住宅ローンの3種類の金利タイプとともに、詳しく解説します。

住宅ローンの金利は主に3種類

住宅ローンには主に

  • 変動金利型
  • 全期間固定金利型
  • 固定金利選択型

の金利タイプがあります。

①変動金利型とは、市場の金利の変動に応じて金利が変動するローンのことで、金利の見直しは年に2回行われます。

市場金利が下がれば住宅ローンの金利が下がるメリットがありますが、市場金利が上がれば住宅ローンの金利も上がってしまうデメリットもあります。

②全期間固定金利型とは、ローン申し込み時またはローン実行時の金利が返済終了まで変わらず適用されるローンのことです。金利が一定のため返済計画が立てやすいメリットがありますが、金利は比較的高めに設定されています。

③固定金利選択型とは、返済期間のはじめのうち一定期間(3年、5年、10年など)は固定金利で、その後変動金利か再び固定金利選択型かを選択できるローンのことです。

一般的に、固定金利期間が長いほど固定金利期間の金利は高くなります。

定期的に金利を見直せるメリットがありますが、固定金利期間に市場金利が下がった場合は金利を変更できないデメリットはあります。

銀行などの民間金融機関の住宅ローン

住宅ローンを提供している民間金融機関には銀行・信用金庫・信用組合・労働金庫・生命保険会社などがあります。

金融機関によって融資の金利や条件は様々ですが、一般的に銀行などが設けている条件や特徴を紹介します。

申し込み時の年齢が20歳以上65歳~69歳くらいまでで、完済時の年齢が75歳~80歳くらいまでを条件としている所がほとんどです。

勤続年数が最低1~3年以上、年収は200万円~400万円程度、住宅ローンを含む借入の年間返済額が年収に対して25~35%以下など一定の範囲内であること、団体信用生命保険に加入できることなどが条件として挙げられ、フラット35よりも申込者に対する要件が厳しい傾向にあります。

融資金額は最高5000万円~1億円が多く、購入金額の100%の融資を受けることもでき、頭金ゼロで利用できるところもあります。

金利タイプは変動金利型、全期間固定金利型、固定金利選択型など金融機関によって様々です。

住宅金融支援機構と民間の金融機関が提携したフラット35

フラット35は、住宅金融支援機構と民間の金融機関が提携して提供している長期固定金利型の住宅ローンです。

申し込み時の年齢が70歳未満で、住宅ローンを含む借入の年間返済額が年収に対して以下の割合である人が申込みできます。

・年収が400万円未満―30%以下
・年収が400万円以上―35%以下

勤続年数が1年未満の人や契約社員、個人事業主でも融資を受けやすいのが特徴です。

融資金額は最高8000万円で、購入金額の100%の融資を受けることができます(ただし90%を超える場合は金利が高くなります)。

対象となる住宅は、購入価格が1億円以下で床面積は70㎡以上(一戸建て等の場合)または30㎡以上(マンション等の場合)です。

金利は取扱金融機関によって異なりますが、融資実行日の金利が適用されます。

保証人や保証料は不要で、繰上返済の手数料は無料です。

財形住宅融資などの公的機関の住宅ローン

財形住宅融資とは、勤務先で財形貯蓄(一般財形貯蓄・財形年金貯蓄・財形住宅貯蓄)を行っている場合、一定の条件を満たしていると、購入価格の90%以内の融資を受けることができるローンです。

融資条件には、1年以上継続して財形貯蓄を行っており、申込日前2年以内に財形貯蓄の預入れを行い、50万円以上の残高があることなどがあります。

融資金額は最高4000万円(一般財形貯蓄・財形年金貯蓄・財形住宅貯蓄の合計残高の10倍までの額)で、固定金利(5年ごとに金利の見直し)です。

公的機関の住宅ローンには、財形住宅融資以外に自治体融資があります。

自治体によって、その自治体に住んでいる人または勤務先がその自治体にある人を対象に、独自のローンを提供している所があります。

全ての自治体が行っているわけではなく、金利のタイプや融資の方法なども自治体によって様々です。

 

借入時の平均年齢と契約期間は?

住宅ローン借入時の平均年齢

国土交通省の「平成29年度 住宅市場動向調査報告書」では、初めて住宅を取得した時の世帯主の平均年齢が公表されています。

すべての人が住宅購入時に住宅ローンを利用するわけではありませんが、住宅ローン借入時の平均年齢が大まかに把握できます。

住宅を初めて取得した世帯主の平均年齢
注文住宅 39.5歳
分譲戸建て住宅 37.4歳
分譲マンション 39.5歳
中古戸建て住宅 42.9歳
中古マンション 44.2歳

http://www.mlit.go.jp/common/001238783.pdf

注文住宅・分譲戸建て住宅・分譲マンションは30歳代が最も多く、中古戸建て住宅・中古マンションは40歳代が最も多い結果となりました。

住宅ローン借入時の平均年齢は、30代後半から40代前半と言えるでしょう。

住宅ローンの平均契約期間

住宅金融支援機構の「民間住宅ローンの貸出動向調査」では、2017年度の平均契約期間(約定貸出期間)は26.4年(単純平均)となっています。

2016年度よりも「35年以下」「30年以下」の住宅ローンを契約する人が増えたので、平均契約期間が0.8年伸びました。

住宅ローンの契約期間(2017年度のデータ)
10年以下 0.4%
15年以下 3.8%
20年以下 11.9%
25年以下 21.2%
30年以下 41.9%
35年以下 20.8%

住宅ローンを「30年以下」の期間で契約する人が最も多く、41.9%です。

https://www.jhf.go.jp/files/400348645.pdf

 

完済までの平均年数と必要な手続きについて

住宅ローン完済までにかかる平均年数

住宅金融支援機構の「民間住宅ローンの貸出動向調査」によると、完済までにかかった平均年数(完済債権における貸出後の経過期間)は、2017年度は15.2年(単純平均)です。

2016年度より「10年以下」で完済する人が減ったので、0.2年伸びました。

住宅ローン完済までにかかった年数(2017年度のデータ)
10年以下 25.9%
15年以下 39.2%
20年以下 13.3%
25年以下 13.3%
30年以下 8.4%

住宅ローンを完済するまでにかかった年数は「15年以下」が一番多く、39.2%でした。

https://www.jhf.go.jp/files/400348645.pdf

住宅ローン借入時に設定した返済期間よりも早期に完済する人が多いのが分かります。

住宅ローン完済後に必要な手続き

住宅ローン完済後に必要な手続きが2つあります。

・抵当権抹消手続き
・火災保険の質権消滅手続き

抵当権とは、住宅ローンで借りたお金を債務者が返済できなくなった場合のために、金融機関が担保として土地と建物を売却してお金を回収する権利のことです。

万が一、返済が滞ってしまったときの保険なので、返済が終了すれば抵当権は消滅します。

住宅ローン支払い中には土地・建物が抵当に入っているという内容が不動産登記簿謄本に記録されていますが、住宅ローン完済後にその記載が自然に消えるわけではなく、債務者が自分で抹消手続きをしなければいけません。

不動産を売却する場合や不動産を相続させる場合は、抵当権抹消手続きが完了していなければできません。

また、住宅ローンを新たに受ける場合も同様です。

また、火災保険の質権とは、住宅ローンでお金を貸している金融機関が火災保険金を優先的に受け取れる権利のことです。

火災保険の質権を設定しておくと、万が一返済が滞り、担保にしていた建物が火事で燃えてしまった場合でも、保険金で住宅ローン分の金額を回収できるようになります。

全ての金融機関が火災保険に質権を設定しているわけではありません。

住宅ローン完済後は自分で手続きを行う必要があるので、速やかに質権を消滅させましょう。

 

早期に住宅ローンを完済させる方法について

早期に住宅ローンを完済させる方法には、繰上返済と借り換えがあります。

繰上返済

繰上返済とは、通常の返済以外に、元金の一部または全部を返済することを言います。

住宅ローンの返済額には、元本以外に、元本の残額に利率をかけて算出した利息が上乗せされています。

そのため繰上返済を行うと、元本が減らせるメリットのほか、毎月の利息を軽減することができます。

繰上返済の方法には2種類あります。

・返済期間短縮型―毎月の返済額を変えずに、返済期間を短縮する方法
・返済額軽減型―返済期間を変えずに、毎月の返済額を減らす方法

返済期間短縮型の方が、返済額軽減型に比べて利息の軽減効果が大きいので、どちらかを選べるなら返済期間短縮型を選びましょう。

しかし住宅ローン控除を利用している場合、金利が1%未満なら控除適用期間終了までは繰上返済しない方がお得(戻ってくる税金の方が大きい)です。

借り換え

現在の住宅ローンよりも金利の安い住宅ローンに借り換えることで、早く住宅ローンを完済することができます。

金利が安くなると利息が減るので、借り換えにより返済総額を減らすことが可能です。

しかし、借り換えの際には手数料などの諸費用が発生します。

この諸費用は金融機関によってばらつきがあるので、金利の低さだけでなく、諸費用がいくらかかるのかも合わせて検討すると良いでしょう。

 

まとめ

住宅ローンを組む年齢は、30代後半~40代前半がほとんどです。

住宅ローンを「25~30年以下」で契約する人が全体の6割を占め、「30~35年以下」は全体の2割ほどしかいません。

繰上返済や借り換えなどの早期完済方法で「10年以下、15年以下」で完済する人が6割以上と大半を占め、「25~30年以下」かかった人は1割もいないことが分かりました。

利息負担のこともあり、早期に完済したい人が多いようです。

年齢が上がると収入も上がる傾向にあるので、無理のない範囲で早期完済を目指したいですね。

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