チップを製品に組み込むだけでIoT化を実現のIoTチップ

2019.04.12 [金]

チップを製品に組み込むだけでIoT化を実現のIoTチップ

現代社会でIoT (Internet of Things=モノのインターネット化) が進んでいる今、IoTチップを知っておくことは大切です。

本記事ではIoTチップの定義やメリット、デメリットなどを紹介し、IoTチップがあることによってできることを解説します。

IoTをよく知らない人でも、この記事を読んで、IoTの意味やIoTチップの利便性などを理解しましょう。

 

IoTチップについて

IoTチップは、モノをインターネットにアクセスさせて機能を促すためのチップです。IoTチップにはセンサーと通信機能が内蔵され、モノに装着することで情報の収集・蓄積・分析・転送といったコントロールができ、情報に基づいたアクションを促します。

IoTチップが開発されたことで、多くの電化製品や生活用品がインターネットと通じることで利便性を増しています。外出先からのスマートフォンによる操作や音声機能などが実用される「スマート化」の動きも多く見られます。

アメリカの調査会社「ガートナー」は、2020年までに208億個の端末がインターネットに接続されると公式に発表しています。日本でもソフトバンクの孫正義社長が1兆個の IoT チップの提供を目標とするなど、大企業がIoTチップ関連ビジネスに着手する動きもあります。

 

IoTチップを使うメリット・デメリット

IoTチップのメリット

IoTチップを使うことで便利になるメリットは以下の3つです。

・モノの状態を常時チェック可能
IoTチップを内蔵したモノなら、いつでもどこでも状態をチェックできます。外出先からスマートフォンを使い、自宅内の様子や電化製品の稼働状態を確認できます。

確認のためにわざわざ家へ帰らなくても、留守中の子供の様子、戸締り、電化製品のスイッチなどをチェックできるので便利です。

・離れた場所からモノを操作
IoTチップで遠隔操作が可能です。家の中で電化製品のスイッチ操作を忘れていても、スマートフォンなどから遠隔操作することで解決できます。

車の自動運転にも IoT チップが使われます。膨大なデータに基づいた自動運転で、自身がハンドルを握らずして安全に移動できます。

・必要分のデータを収集分析できる
IoTチップを利用することで必要分のデータを手軽に収集・分析できます。

自宅内での電気・ガス・水道の使用量から月の電気代を算出したり、スマートウォッチのように、血圧や脈拍など自身の健康状態を知るなど、生活における情報を常にチェックできます。

仕事場なら、備品、従業員、商品の在庫の数をデータ化し、必要経費の想定や経営方針の決定に生かせます。

詳細なデータを知ることで、生活習慣に関わる問題を解決し、次の行動に役立てられます。

IoTチップのデメリット

IoTチップには注意すべきデメリットも3つあります。

・ハッキングによる攻撃
IoTチップはインターネットの文明のひとつなので、サイバー攻撃に注意が必要です。IoTチップに埋め込まれた個人情報が漏洩したり、チップが勝手に操作されたりすることが考えられます。

IoTチップを利用するには、セキュリティ体制が一定基準をクリアしているかチェックし、自身でできる対策は施しておきましょう。

・IoTチップ自体が犯罪に利用される可能性
IoTチップが埋め込まれたモノ自体が犯罪に利用される可能性もあります。チップが遠隔操作で不正アクセスし、地域内のIoTチップにウイルスを撒き散らすケースも考えられます。

またIoTチップには特定の場所内の映像や音声をデータとして記録するケースもあり、盗撮や盗聴に悪用される可能性も懸念されます。

・不正操作を受ける可能性
IoTチップはハッキングされると不正に操作される可能性もあります。ハンドルを外部から勝手に操ったり、エンジンのオン/オフを強制的に促したりすることで犯罪に利用するケースも考えられます。

IoTチップに不正アクセスし、エンジンのスイッチを入れるだけで車の盗難ができてしまうかもしれません。こうしたケースを予防するためのセキュリティが施されているかチェックすることが大切です。

 

IoTチップで実現できること

IoTチップで実現できる代表例を以下に5つ紹介します。

・仕事が効率的になる
IoT導入により、1つの作業時間が短縮されたり、仕事現場全体の動きがスムーズになるなどして、仕事が効率的になります。

作業効率が上がるだけでなく、問題解決にも役立てられます。例えば工場だと生産された商品の不具合が出る傾向や原因を特定し、生産性アップの手助けをします。

接客においてもPepperのように、従業員が行う商品説明などを代行するロボットを導入する動きがあります。これにより、人手不足や過労などの労働問題を解決できます。

・家事が楽になる
IoTを電化製品などに導入することで、家事が楽になります。例えば、掃除だと家全体の汚れをレベル化してわけることが考えられます。どこを重点的に掃除すべきかを明らかにすることで、効率よく掃除を済ませられます。家事の時短化により、時間の余裕を持つ機会も多くなるでしょう。

冷蔵庫の場合はIoT化による在庫管理が考えられます。冷蔵庫の中をデータ化することにより、その日のメニューや不足している材料を解明できます。これにより無意味な買いだめをしたり、食べ物を放置しすぎて腐らせずに済むなど、住んでいる人の経済面での手助けにもなります。

・病院に行かなくても診察できる
IoTにより病院に行かなくても診察してもらえたり、自身の健康状態を知ることができます。

例えばSmart Home Medical CareではIoT導入により、テレビを通じた診察を行えます。体調が悪いときは移動も辛くなりますが、中継形式で医者と面会できることで、一刻も早く診察や処方箋を受けることができます。

子どもの看病や高齢者・障害者の介護でも、余分な移動時間を節約しつつ医者から適切なアドバイスをもらえるので、世話をする側の時間にも余裕ができるでしょう。

・介護の負担が減る
IoT技術の導入により、介護の負担も軽減されます。例えばみまもり君WEBは、要介護者の心拍数や呼吸数などを表示、データ化し、異常が起きたら即知らせます。

現代社会では、老々介護や介護疲れなどが問題になっており、介護をしていることで自分の時間が取れなかったり、仕事にも行けないなどと悩む人もいます。

IoT技術のほとんどは介護施設向けに開発されています。それだけでも介護施設の人手不足解消や、要介護者の親族の介護疲れも軽減できます。将来的には自宅で使える技術の生産も待ち望まれるところです。

 

IoTチップの活用事例

IoTの活用事例を6つにわけて紹介します。

・スマートドライブ
自動車にIoTタグを装着し、運転支援を行うサービスです。アプリをダウンロードすることで利用できます。

車内のアクセサリーソケットにアプリをダウンロードしたスマートフォンをつけることで、データ収集が可能です。安全運転の回数に応じてポイントが貯まり、ギフトとも交換できます。

・smart ball
サッカーボールにIoTチップがついていることで、プレーに関するデータを集積できます。データはキックスピード、蹴ったボールの回転数および方向、インパクト位置、キックやシュート時の軌道データにわかれています。

自身のキックをデータ化することで、プレーの向上に役立てられます。

・hitoe
東レ株式会社開発の、生体信号収集機能つき衣類です。着るだけで体調や緊張の度合いをデータで知ることができます。

自身のコンディションを理想に整えるうえで役に立つでしょう。

・leafee Premium
窓やドアの戸締りを確認してもらうためのサービスです。実際に窓やドアにセンサーをつけ、アプリをダウンロードすることで使えます。スマートフォンから戸締りの状況をチェックすることで、うっかり忘れや、戸締りができたかどうか心配になるのも解決できます。

・AGRAS MG-1
レーダー付きのドローンで、農薬が必要なエリアを判別しながら散布量を調整します。農薬自体の無駄遣いもおさえられ、環境保全にも役立ちます。

ドローンもリアルタイムでの飛行管理や専用プラットフォームによる作業工程の決定などで自由自在にコントロールできます。

・アクティブスリープ
寝具メーカーのパラマウントベッドが開発したIoTチップ内蔵ベッドです。マットレス間にセンサーが搭載されており、心拍数は呼吸数などの睡眠情報をデータ化します。

睡眠をデータで解析することで、本人によく寝れているかを知らせられます。睡眠時無呼吸症候群を早期で気づかせたり、睡眠負債などの解決にも役立つでしょう。

 

まとめ

現代社会にはIoTチップを利用し、多種多様な要素データ化されています。冷蔵庫の在庫情報や睡眠情報など、普段わかりづらいことまでがIoTの力でわかるようになり、人々の生活に大きな影響を与えています。

IoTチップの導入で、仕事や生活の質の向上が期待されます。しかし、インターネットを利用している以上、外部からのハッキングには注意が必要です。

IoTチップは人々にありがちな悩みの多くを解決できる力を持っています。皆さんも是非IoT機能を伴ったモノを利用してみてはいかがでしょうか。

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