IoTが構成される要素と接続方法

2019.03.11 [月]

IoTが構成される要素と接続方法について

最近、IoT(Internet of Things)という言葉がよく耳に入ってくるようになり、ついにITの時代からIoTの時代へと進化の時がやってきました。

IoTとは単にモノとインターネットが繋がるというだけではなく、繋がることで、今まで以上に社会的インフラ等に大きく影響を及ぼしてくるものです。

ここではそんなIoTが構成される要素と接続方法について細かく解説を行っていきたいと思います。

 

IoTで全てのモノがつながる時代に

これまでのIT社会ではインターネット通信やデータ処理などの機能はPCやスマホ、特定のIT機器だけが備えていましたが、IoTでは身の回りにある「モノ」もそれらの機能を備えていくことになります。

IoTで全ての「モノ」が繋がる時代の到来です。

既に「スマート家電」と呼ばれるインターネットと繋がった家電は量販店で多く見かけるようになりましたし、「Apple watch」や「Google Glass」などのウェアラブルデバイスも多くの人が身に付けるようになりました。

IoTではモノとインターネットが繋がることにより様々なことを可能にし、社会的インフラに大きな影響を与えていきます。まず、どのような影響があったか3つの事例を紹介します。

1.接続したモノの状態をモニタリング

温度や湿度、気圧や音など、接続したモノの状態を遠隔地でもモニタリングすることが可能です。例えば農業において重要なビニールハウス内の状態を、遠隔地にいながら温度や日射量、土の状態までをモニタリングすることができます。

2.離れた場所から状態を確認

家を出た後に「電気消したかな?」と心配になってもその場で確認することが可能になります。また留守中の子どもやペットの状態もリアルタイムで確認することができます。

3.離れた場所からモノの状態を操作

例えば家に帰る前にお風呂を沸かしておいたり、消し忘れた電気もその場で消すことが可能です。大好きなドラマを予約し忘れても悔しい思いをしなくて済みますね。

このようにIoTによって全てのモノが繋がることで、生活は驚くほど便利で快適なものになっていきます。

また利用者の生活面だけではなく、企業側としては販売するモノがインターネットに繋がることで顧客のニーズを知ることができ、新商品の開発や販売効率の向上にも繋がっていきます。

インフラの世界を見ても、工場や道路、橋、下水道などの設備にセンサーや制御用のデバイスを設置することにより状態の把握能力が格段に上がります。

また、運輸業界では運搬物へのセンサーの取り付けで運搬の品質と効率が向上し、コストを抑えることも可能となりますし、車業界では近年開発が進んでいる自動運転装置が標準化されれば、自動車事故ゼロの世の中はもう目の前まで来ているかもしれません。

このように、少し前までのようにインターネットはコンピューター同士を接続するものから、スマホやタブレットなどの様々なデバイスの登場を経て、現在では世の中にあるあらゆるモノがコミュニケーションをするための情報伝送路となるまで進化を遂げつつあります。

 

2つの要素で構成されるIoTデバイスとIoTゲートウェイとは

IoTを構成する要素として「IoTデバイス」と「IoTゲートウェイ」の2つがあります。この2つの装置について解説いたします。

IoTデバイスについて

IoTデバイスとは簡単に説明するとIoTにおける「モノ」のことです。IoTとは「モノのインターネット」であり、身の回りにある様々なモノとインターネットが繋がることを指していますので、IoTデバイスには様々なモノがあります。

モノにはスマホやPC、タブレットのように直接クラウドに接続する情報端末や、それらの情報端末に対して無線接続する家電や音響装置、Apple watchなどのウェアラブル機器もIoTデバイスに含まれます。

IoTゲートウェイについて

IoTゲートウェイとは、IoTにおいてデバイスとインターネットを介したクラウドがデータのやり取りを行う際に、中継する役割を担うルーターのような機能を備えた機器を指します。

製造業などの産業においては、工場のFA機器や多種多様なセンサー、高感度カメラ、計測器などの端末が検出したデータは膨大で多様です。この膨大なデータを送るにあたり、サーバやインターネットへの負荷を軽減するために中継点となるIoTゲートウェイで処理を行いサーバに送信する役割を担っています。

IoTゲートウェイの接続にはWi-fi、Bluetooth、920Mhz帯無線(IEEE802.14.g)、ZigBee(IEEE802.15.4)などの無線方式が多く用いられます。

IoTゲートウェイを活用することができれば、IoTデバイスに搭載する通信機能は最小限のものに抑えることができ、産業において多数のIoTデバイスを使用しなければならない場合でもコストを大幅に減少させることが可能となります。

またIoTゲートウェイはIoTデバイスとインターネットを繋ぐだけではなく、その通信を見守り、IoTデバイスを管理したり、情報処理や制御といった役割も担っています。

これにより遠隔でIoTデバイスを操作することが可能なので、故障の検知や一部のIoTデバイスが正常に動いていない場合などには、ユーザーに対してアラートを発信するなども可能となっています。

IoTデバイスの2つの接続方法とは

IoTデバイスをネットワークに接続する方法は以下の2通りがあります。

①直接インターネットに接続

②IoTゲートウェイを経由して接続

ここでは、それぞれについて説明していきます。

・直接インターネットに接続
直接インターネットに接続する場合は、IoTデバイス自体がインターネットに接続できる通信機能を備えていることが条件となります。例えばスマホやタブレット、PCなどが代表的なものとなります。

しかしIoTの世界では、身の回りにあるいくつもIoTデバイスが繋がるようになり、産業の場合ではIoTデバイスの数は数百や数千以上になることも考えられます。その全てのデバイスをインターネットに繋げるとなると、消費電力やコストの面で負担が相当なものになるので、現実的ではありません。

・IoTゲートウェイを経由して接続
IoTゲートウェイは前述の通りインターネットを経由してクラウド上のサーバと直接通信する方法です。IoTデバイスとサーバがデータのやり取りを行う際のルーターの役割を担ってくれるほか、複数のIoTデバイスから収集したデータを整理し、サーバやインターネットへの負荷を軽減してくれる役割も担ってくれます。

またIoTゲートウェイを経由することでIoTデバイスの通信機能を最小限に抑えることができるので、例えIoTデバイスが多数あったとしても消費電力やコスト面で心配する必要は無くなります。

・IoTと既存のネットワークを一括して構築・運用するには
現在IoTに注目が集まっている理由の中で最もウェイトを占めているのは、ビジネスとして利用した時にその仕組みを大きく変えるポテンシャルを持っているということが挙げられます。

IoTは、これまで人間が行っていた仕事、もしくは人間にしかできないと思っていた仕事を代行させることにより、業務の効率化、コスト削減など様々な恩恵が受けられることが大きな魅力となります。

IoTを活用することにより、人間の手を使わずともできる作業はIoT化し、人間は他の仕事やクリエイティブな業務に集中することができます。低予算でも工夫次第で絶大な効果を得ることができ、人間の力を最大限活かすことができるIoTは、大企業よりもむしろ人手不足の中小企業にとって利用価値が高い仕組みと言えるでしょう。

しかし、これまでIT化が遅れていたようなアナログな業界にとっては運用が難しいのではないか?IoTと既存のネットワークを一括して運用・構築することはできるのだろうか?と思う方も少なくないと思います。

まずは既存のネットワークとIoT向けのネットワークの違いについて解説していきます。

IoT向けのネットワークにはこれまでの既存のネットワークとは違う特徴がいくつかあります。これまでの既存のネットワークはPCやスマホなどを介して人間が使うために発達してきたものなので、スピード重視の消費電力軽視のものでした。

しかし、IoT向けのネットワークは例えば電源のない場所でも1年間稼働させる代わりに通信速度は今まで人間が使っていたネットワークの1000分の1以下で良い場合もあり、スピードよりも消費電力や小型化、軽量化が重要なことが多くあります。

このように、IoT向けのネットワークには人間に向けたネットワークとは違う特性が求められるため、最近ではIoT向けの無線通信技術やサービスが多様化しているのが現状です。

ではこの多様化したIoTの技術やサービスと既存のネットワークを一括して運用するにはどうしたら良いのでしょうか?結論、「専門知識を持った相談役を見つける」という事が必要となります。

日々進化が進んでいるIoTの業界において、どんどん多様化していく技術やサービスが企業の選択肢を増やしてくれることはとてもありがたいことなのですが、その多様化が進めば進むほど、自社のシステムや既存のネットワークに合った最適なサービスを選ぶことは困難になっていきます。

ましてや今までIoT構築経験が少ない企業が無数にあるサービスの中から最適なものを選び、自社の既存のネットワークと統合させ運用していくことは容易なことではありません。

またIoTにはまだまだセキュリティ面においてリスクを抱えていることが少なくありません。IoTデバイスやゲートウェイはその特性上、頻繁にセキュリティアップデートを行うことが難しいので、既存のネットワークとは違う視点でセキュリティ対策を施さなければいけないのです。

以上の理由で、IoTと既存のネットワークを一括して運用・構築することを考えているのであれば、専門知識を持った相談役を見つけて最適なサービスと技術を選択してもらうことをオススメします。

 

まとめ

今回はIoTの概要とIoTを構成する要素や接続方法について解説をしてきましたが、いかがでしたでしょうか?

既に多くの企業や多数の自治体がIoTに取り組んでおり、私たちの生活やビジネスにとって無くてはならないものになるのも時間の問題なのではないかと思います。

これからさらにIoT関連の技術やサービスが多様化していく時代を迎える中、自分にとって最適なサービスを選択し、便利で快適なIoTを最大限使いこなせるようになりたいですね。

この記事をシェア

TAG 関連タグ