喫茶店をブロックチェーンワークスペースに。ミートアップで集客する「Huobi Blockchain Coffeehouse」

2019.12.02 [月]

喫茶店をブロックチェーンワークスペースに。ミートアップで集客する「Huobi Blockchain Coffeehouse」

ノウハウを共有するオープンなイベントで集客し、ユーザー獲得へつなげる。こうした手法は採用戦略としてよく用いられるが、ブロックチェーン業界でも活用されている。そのひとつが、Huobiコリアだ。
韓国にあるHuobi Blockchain Coffeehouseは、Huobiコリアが運営する喫茶店兼ワークスペースである。ブロックチェーン技術や暗号通貨についてのワークショップやミートアップを開催し、自社取引所の導線としている。
今回、IFA社の阿部氏とAIre VOICE編集長の大坂氏が韓国へ赴き、同社マネージャーのMOON Seongin(ムン ソンイン)氏と対談。どのようにコミュニケーションの場を設け、業界の発展と企業利益に貢献しているか伺った。

オープンなイベントを通してユーザー獲得

MOON Seongin:Huobi Blockchain Coffeehouseは、グローバルな暗号資産取引所を運営するHuobiコリアと、韓国の喫茶チェーンがコラボしたブロックチェーンワークスペースです。Huobiコリアの資源を活用してブロックチェーンビジネスを盛り上げる場として誕生しました。2013年から積み重ねてきたHuobiのブロックチェーンのノウハウを、喫茶店の打ち解けやすい空間で多くの人に伝え、新しいコミュニケーションを生み出しています。

喫茶店をブロックチェーンワークスペースに。ミートアップで集客する「Huobi Blockchain Coffeehouse」

大坂:たとえばどんな場が設けられているのですか?

MOON Seongin:頻繁にミートアップなどイベントを開催し、テクノロジーについて話し合ったり、ビジネスネットワークをつないだりしています。国内ブロックチェーンの競争力強化にも寄与していて、Huobiコリアが持つネットワークを活用してグローバル展開のアドバイスや、スタートアップ育成支援プログラムを提供しています。

阿部:投資を受けるチャンスも得られますね。

MOON Seongin:ええ、Huobiコリアは企業の成長を加速させるアクセラレーターでもあり、積極的にプロジェクト支援を行っています。ブロックチェーンの課題も詳しく解説し、スタートアップ企業が知りたい情報を多く発信しています。

阿部:ちょうど今、エンジニアやマーケターなどのチームがテーマに沿ってプロダクトを開発し、成果を競うイベント「ハッカソン」を開催していますね。ハッカソンも頻繁に行っているのですか?

MOON Seongin:ミートアップほど頻繁ではありませんが、ときどき開催しています。平日はミートアップが中心で、休日にはハッカソンが開催されることもあります。みんな徹夜で準備しているから顔色があまりよくないですね(笑)ハッカソンもアドバイスしたり切磋琢磨したりすることでブロックチェーン業界の盛り上げに貢献しています。

喫茶店をブロックチェーンワークスペースに。ミートアップで集客する「Huobi Blockchain Coffeehouse」

大坂:投資ファンドではなく取引所がこうしたイベントやミートアップを行っているのは珍しいように思います。韓国でこうした取り組みを行っているのは貴社だけですか?

MOON Seongin:ミートアップはさまざまな場所で開催されていますが、取引所が固定の場を設け、対面でアドバイスを行っているのはここだけです。この場を経由してHuobiの取引所を利用してもらう、という導線がしっかりできていますからわかりやすいですよね。ユーザーの為になる場を提供することで、ユーザー獲得につなげているわけです。

阿部:ユーザーがイベントを主催することもできますか?

MOON Seongin:はい、150人まで収容できるスペースを貸し出しているので、自社のワークショップや説明会を行うこともできます。ケータリングサービスとも提携していますよ。

大坂:日本にもHuobiジャパンがありますから、ぜひこうした場を提供してほしいです。

MOON Seongin:Huobi Blockchain CoffeehouseはHuobiコリアの運営なので韓国に限っていますが、Huobi本社では同様のサービスを提供するクラブが発足され、グローバル展開する予定です。日本にも進出するかもしれませんね。

リアルとネット、学びやすい場を自分で選択する

阿部:HuobiコリアとHuobi本社は別法人ですよね。上場の基準も異なるのでしょうか。

MOON Seongin:ええ、Huobi本社の取引所で上場できればHuobiコリアでも上場できますが、その逆はなく、Huobiコリアで上場できてもHuobi本社では上場できないケースもあります。ただ、Huobiコリアがアクセラレーターとしてプロトタイプのブラッシュアップをサポートする支援チームを設けています。この支援チームへの参加資格を得た企業は、Huobiコリアでの上場が約束されるのです。こうしたサポートを通じて、少しでも多くの企業に成長の機会を与えたいです。

喫茶店をブロックチェーンワークスペースに。ミートアップで集客する「Huobi Blockchain Coffeehouse」

大坂:最後に、これからブロックチェーンを学びたいと思っている方に向けてメッセージをいただけますか。

MOON Seongin:少額投資から始めてみてはいかがでしょうか。変動が大きい業界ですから、少額でも投資して元金を気にしながら動きを追うだけで勉強になりますし、ブロックチェーンとは何たるかがわかるようになります。投資だと、ブロックチェーンの中でも仮想通貨よりの知識になりますが。

阿部:Huobi Blockchain Coffeehouseが開催しているようなイベントに参加するのもひとつの方法ですよね。ただ、テック系のイベントとお金系のイベントでコミュニティが異なるので、自分がどちらに興味があるか考えてから参加したほうがいいでしょう。

MOON Seongin:確かに、ブロックチェーン技術に興味を持っている開発系のイベントと、投資に興味を持っている仮想通貨系のイベントだと毛色が違いますし、参加者層も異なりますね。私たちは開発者向けのセミナーを頻繁に開催していて、延べ500人ほどは参加したと思いますが、イベントに参加者の年齢層は40~50代がメインです。

喫茶店をブロックチェーンワークスペースに。ミートアップで集客する「Huobi Blockchain Coffeehouse」

阿部:ミドル層だと、インターネットで調べるよりもイベントに参加したほうが手っ取り早く感じるのかもしれませんね。若い人たちはネット検索が主流ですから。自分が学習しやすい方法でブロックチェーン知識に触れたほうが早く吸収できて効率的でしょう。本日は貴重なお話をありがとうございました。

AIre VOICEではブロックチェーンの最新ニュースはもちろん、さまざまなバックグラウンドを持った方へのインタビュー・コラムを掲載しています。ぜひご覧ください。

ライター/秋カヲリ 編集/YOSCA 撮影/倉持涼

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