3分に1回ニュース配信。1万5,000人のライターが世界中に在籍するブロックチェーンメディア「金色財經」

2019.11.22 [金]

3分に1回ニュース配信。1万5,000人のライターが世界中に在籍するブロックチェーンメディア「金色財經」

ビットコインを始め、様々な決済や証明、契約に用いられるブロックチェーン。ここ数年間で急速に発展を遂げるブロックチェーン業界では、情報の鮮度が重視される。しかし、ブロックチェーンを取り扱うメディアはまだ少なく、リアルタイムで情報発信できるメディアはほとんどない。
金色財經は、中国系に向けたブロックチェーンメディアだ。世界中の記者がリアルタイムで情報発信する仕組みを持ち、他メディアや検索エンジンと協力して発信力を高めている。
同社のCEOであるAn Xinxin(アン シンシン)氏が、圧倒的なスピードと量を実現した方法について解説した。

リアルタイムでブロックチェーン情報を発信するメディア

An Xinxin:世界中に約30名の記者がいて、イベントや会議に参加したり、インタビューすることでブロックチェーンに関する現場の最新情報を1日に30記事ほど配信しています。内容はライブ配信の様子、各国の政策の深読み、仮想通貨の価格分析、ブロックチェーンの応用と発展、研究や技術、豆知識など多種多様です。さまざまな記事を通して、中国のブロックチェーン事情を世界中の方々にも届けたいと考えています。

特徴的なのは、3分に1本のペースで配信される「クイックニュース」だ。

3分に1回ニュース配信。1万5,000人のライターが世界中に在籍するブロックチェーンメディア「金色財經」

An Xinxin:ショートメッセージを利用して、ブロックチェーン産業の最新事情を3分に1本のペースで配信しています。投資に関するニュースはいち早く投資家のもとに届けることが重要なので、些細な情報でも届けられるようクイックニュースを開始しました。中国最大のSNS「WeChat(微信)」でも表示されるためとても人気です。

誰でも情報を発信できる「金色コラム」も目玉コンテンツのひとつだと言う。

An Xinxin:金色コラムでは、弊社が雇っている記者以外にも、個人あるいは著名人、企業やメディアが外部の作家として投稿できます。外部ライターの記事にはライターの名前と、いつ何を出したのかという情報も表示されます。

現在、プラットフォーム上には外部ライターが約1万5,000人登録している。

An Xinxin:1日に約1,300記事が生産されるなど、金色コラムは中国国内でも最大規模のメディアです。人気記事はサイトのトップページに表示されます。さらに、世界中の各取引所、各仮想通貨の情報をなるべく多く掲載するために、世界中の仮想通貨の価格と、価格変動の様子も発信しています。金色財經は世界で一番ブロックチェーン情報が揃ったメディアだと自負しています。

3分に1回ニュース配信。1万5,000人のライターが世界中に在籍するブロックチェーンメディア「金色財經」

オフラインとオンラインの両方にアプローチ

プラットフォームを通じて、行きたいイベントに参加することも可能だ。

An Xinxin:世界各地で開催されるブロックチェーンイベントの中から、これはと思ったイベントを選んで配信しています。そのままイベントに参加登録したり、チケット購入のリンクにまで飛ぶこともできます。日本で開催されるブロックチェーン関係のイベント情報も掲載していますよ。

他社のイベントを紹介するだけでなく、自社イベントも開催している。そのひとつが国内外で開催している「金色サロン」だ。

An Xinxin:国内では北京、上海、成都、深圳などの大都市で頻繁に開催し、海外では韓国や日本、シンガポールやベトナムを含めた東南アジア圏、アメリカやヨーロッパで開催しています。各地で月6回、世界中で約30回、日本でもこれまでに3回ほど開催しました。

他のブロックチェーンの大型ミートアップ(交流の場)と異なるのは、一つのトピックについて細かくディスカッションを重ねていく点だ。コアなトピックを一つピックアップして、その研究を深めていく。

An Xinxin:ちょうど今は、香港で「ブロックチェーン×金融」というイベントをやっています。ブロックチェーン産業内で必要とする人に情報を届けるのと、産業の発展に少しでも力になれればという思いで始めた企画です。

産業のトレーニングをする場「金色学院」では中国国内のブロックチェーンの専門家を講師としてお招きし、産業についてトレーニングをする場を提供している。

An Xinxin:オンラインコースを開講し、現在では11期生までで300名ほどの卒業生がいます。卒業生の中にはブロックチェーン産業内で様々な活動を行っていたり、起業された方もいます。

さらに、オープンコースもグローバル展開する予定だ。ビデオ形式で世界中に配信する。

An Xinxin:日本でももちろん視聴できます。個人的意見ですが、中国はブロックチェーン産業が比較的進んでいる国ですので、中国の優良なプロジェクトや内容を世界にぜひ伝えたいです。

金色財經には、ほかにもさまざまな機能が搭載されている。

3分に1回ニュース配信。1万5,000人のライターが世界中に在籍するブロックチェーンメディア「金色財經」

An Xinxin:ブロックチェーン関連企業を検索できる「ウェブサイトナビゲーター」は、ブロックチェーン関連企業のサイト専門の検索エンジンです。ブロックチェーンに関する取引所やプロジェクト、マイニングマシン(ブロックチェーンでの取引情報の承認作業をするシステム)の開発会社、サービスファームや投資機関などを検索できます。

他メディアで記事公開できる「API」も画期的だ。自社ニュースをオープンソース化するプラットフォームを設けたのである。

An Xinxin:金色財經のサイトの右下にはAPI(外部アプリやコンテンツとコミュニケーションや連携ができる状態にするサービス)の申請ページがあります。APIヘの申請はとても簡単で、申請すればすぐに弊社からメッセージが届いて登録できます。ブロックチェーン自体がオープンなシステムなので、ブロックチェーンの考え方を取り入れました。

自社ニュース、仮想通貨の価格、クイックニュースなどの情報は、APIに接続することで他社のプロダクト上でも表示できる。

業界トップクラスのユーザー数とページビューを獲得

An Xinxin:金色財經の1日のユーザー数は約35万、PV数は120万以上あります。これは検索エンジンの百度(baidu)やGoogleにおいて業界トップクラスの数値です。百度では約45万ページ、Googleでは約35万ページカバーしていて、検索エンジン上で「ブロックチェーン」に関するキーワードを検索すると、約73万ワードにおいて金色財經のコンテンツがヒットします。

世界中の中国系ユーザーをカバーし、中国語を話す人であれば1度は見たことがあるメディアに成長したと述べる。

An Xinxin:国内では百度(baidu)、捜狗(Sogou)や360検索、神马(Shenma)などの検索エンジンと提携し、トークンを検索すると弊社が提示した価格が表示されます。この検索エンジンからの流入はとても大きく、ユーザーの約3分の1を占めます。

また、金色財經のインターナショナル版サイトを公開して世界的認知度を高めている。

An Xinxin:コインタイムでは英語、日本語、ロシア語、韓国語、アラビア語など様々な言語での閲覧が可能です。今後はこのコインタイムを世界各国に広げていって、現地のパートナー企業と現地メディアを立ち上げたいです。

AIre VOICEではブロックチェーンの最新ニュースはもちろん、さまざまなバックグラウンドを持った方へのインタビュー・コラムを掲載しています。ぜひご覧ください。

 

ライター/堀本一徳 編集/YOSCA 撮影/倉持涼

この記事をシェア