仮想通貨取引のリスク軽減。最大50倍の利益率を生む取引所「Kraken Futures」

2019.11.18 [月]

仮想通貨取引のリスク軽減。最大50倍の利益率を生む取引所「Kraken Futures」

先物取引は、現物取引や証拠金取引よりも資金効率が高い投資方法として注目を集めている。特に市場の変動が激しい仮想通貨取引においては、リスクヘッジにより投資ハードルを大きく下げ、投資活動を活性化する。
イギリス企業Kraken Futures社は、仮想通貨の先物取引を行う取引所を運営している。最大50倍のレバレッジを生み出すプラットフォームでは、世界各国のユーザーが取引を行う。IFA社COOの桂城氏とAIre VOICE編集長の大坂氏がロンドンへ赴き、仮想通貨の先物取引の特徴や強みについて同社のSui Chung(スイ チョン)氏に伺った。

先物取引は投資家のメリット大

Sui Chung:Kraken Futuresは、ビットコインおよびその他の仮想通貨で先物取引を行える取引所です。先物取引とは、特定の資産の価格を設定し、あらかじめ決められた期日に売買する契約のこと。一般的な取引は価値が流動し、取引時点の価格で売買しますが、先物取引の場合は価格が動きません。

大坂:先物取引のメリットは何ですか?どういった場合に適しているのでしょうか。

Sui Chung:変動性の高いマーケットに適していますね。先物取引にすれば価格暴落時のリスクヘッジができます。利益を確定するために使われることも多く、仮想通貨の投資家には大きなメリットがあります。

仮想通貨取引のリスク軽減。最大50倍の利益率を生む取引所「Kraken Futures」
大坂:ビットコインや仮想通貨は市場の動きが激しく、ハイリスクハイリターンの領域です。ハイリスクを恐れる人からすれば、先物取引は投資しやすいですね。

Sui Chung:ええ。一般的な取引は常に価格の変動をチェックし、値上がりしたら売って、値下がりしたら買ってとリスク管理するものですが、少し目を離したすきに大きく変動したり、売った後に価格が急上昇したりと予測できない展開に見舞われることもあります。当然、大きな損失を被る可能性もある。先物取引ならこうした不安を軽減できるのです。

桂城:利益を増やす方向にも貢献するのでしょうか。

Sui Chung:レバレッジのパワーを使って利益を増やしたり、複雑な取引戦略によって投資リターンを最大限にしたりできます。仮想通貨取引は現物取引よりも小額投資しやすい点もメリットですね。

桂城:Kraken Futuresの先物取引には特徴がありますか?

仮想通貨取引のリスク軽減。最大50倍の利益率を生む取引所「Kraken Futures」

Sui Chung:先物取引価格を取引所各社の仮想通貨需要を示すインデックスの集計に基づいて決定しています。それによってリスクヘッジだけでなく、市場動向を予測したり、価格変動の安定化を図ったりすることができます。

大坂:市場全体の動きを表す指標や指数であるインデックスによって、仮想通貨の価値が大きく変わりますね。

Sui Chung:私たちが決定したインデックスは契約が交わされるプラットフォームで利用されているので、独立したインデックス専門チームを作って慎重に運用しています。ローンチ前に独立した管理と監視を行い、経済状況に見合ったインデックスとマーケットプレイスだけが契約に進める仕組みです。

桂城:かなりしっかりした組織構造ですね。

Sui Chung:ええ。テクノロジーインフラストラクチャーのリスクに関する委員会と、マーケットのリスクに関する委員会があり、この2つの委員会が仮想通貨取引のプラットフォームです。委員会は各仮想通貨の状況を理解するために、誰がプロジェクトのリーダーなのか、どんな問題があって、どのように中央集権化するのか、分散化するのかなどの背景を徹底的に調べます。

桂城:だいたいどのくらいの期間がかかりますか?

Sui Chung:3〜6か月ほどです。ノードを得たり、ブロックチェーンにのせたりするのに時間がかかりますし、どのくらい流動性があって、どこでトレードできるか、プロジェクトを仕切っている人が誰かなどきちんと理解する必要があり、時間がかかります。一部のコインでは、マイニングはどうだったかも調べなければなりません。

強固な管理体制でグローバル展開を加速

桂城:大手企業Krakenに買収された経緯を教えてください。どんな流れで傘下に入ることになったのですか?

Sui Chung:弊社の創設者とCEO、そしてクラーケンのCEOで会議を行って将来のビジョンを話し合い、一緒に仕事したほうが両社とも成長できるという結論に至って傘下に入りました。大企業の傘下に入ることは長期的な拡大につながるだろうと踏んだのです。

仮想通貨取引のリスク軽減。最大50倍の利益率を生む取引所「Kraken Futures」

桂城:そのような拡大に伴って世界各国にユーザーが増えつつありますが、日本進出の予定はありますか?日本は仮想通貨に関してとても厳しい規制がありますが。

Sui Chung:日本の金融派生商品マーケットの規制は2020年に緩和されるでしょう。より多くの人が金融派生商品を扱えるようになると思います。それがはっきりしたら進出戦略を立てる予定です。

大坂:なるほど。アメリカにも進出していませんよね。アメリカも規制がとても厳しいように思いますが、SEC(証券取引委員会)と話をしなければいけないのでしょうか?

Sui Chung:先物取引に関してはCFTC(米商品先物取引委員会)が担当で、規制があります。私たちはFCA(金融行為規制機構)より権限を得ました。

大坂:今は何のコインを取り扱っていますか?

Sui Chung:現在はビットコイン、イーサリアム、XRP(リップル)、ライトコイン、ビットコインキャッシュの5種類です。人気なのはビットコイン、次にイーサリアムですね。

桂城:どの国のユーザーが一番多いのですか?

Sui Chung:イギリス、ドイツ、フランス、スペインなどのヨーロッパの経済圏ですね。国によって多少の傾向はありますが、やはりビットコインがどの国でも人気ですね。北ヨーロッパはイーサリアムが多くのユーザーを獲得しています。それ以外のコインは、イギリス、ドイツ、フランス、スペインなどのヨーロッパで均等に流通しています。

大坂:ヨーロッパ圏に多くのユーザーがいるのですね。GDPRにも準じているのでしょうか。

Sui Chung:ええ、私たちはイギリスの会社ですし、EUのマーケット内で活動していますから。GDPRの全規則に関わるオペレーションのプロセスが要件に合っているかチェックしています。DGPRの順守や内部監査などで管理体制を強化し地盤を固めながら、仮想通貨の先物取引を支えていきます。

AIre VOICEではブロックチェーンの最新ニュースはもちろん、さまざまなバックグラウンドを持った方へのインタビュー・コラムを掲載しています。ぜひご覧ください。

ライター/萩原かおり 翻訳/佐々木希 編集/YOSCA 撮影/倉持涼

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