ブロックチェーンのニーズはますます拡大。人々の生活が変わる

2019.10.24 [木]

ブロックチェーンのニーズはますます拡大。人々の生活が変わる

ベトナムでトップクラスの優秀な技術者が集まるFDS社は、ブロックチェーンやAIの技術を使ったシステム開発を行い、ITでベトナムの経済発展に貢献している。同社のCEOを務めるDan Tong(ダン トン)氏は15年以上IT業界に携わり、FDSの起業とともに独立した。
今回、同社のDan Tong氏とAIre VOICE編集長の大坂氏が対談。起業の経緯やブロックチェーン技術へのニーズ、ブロックチェーンに関する課題などを伺った。

ITでベトナムの経済発展に貢献したい

大坂:Danさんのこれまでのご経歴と、現在の役割についてお聞かせいただけますか。

Dan Tong:私はこれまで、15年以上にわたってソフトウェア開発の業界に携わっており、ファイナンスや人事など、経営管理に関する豊富な経験を持っています。前職では、デンマークのとあるソフト開発会社で管理職として務めていました。
現在は、FDSのファウンダー兼CEOとして勤めています。FDSはブロックチェーン領域で活発に活動している開発会社で、約10カ国に点在する取引先へサービスを提供しています。

大坂:この会社を起業しようと思ったきっかけは何だったのですか。

Dan Tong:ITなどのハイテク分野は、今後ますます経済にとっての重要性を増していくでしょう。そのなかで、ソフトウェアはハイテク分野に欠かせないものです。特にオリンピック後は、急速にITやソフトウェアの企業が経済に大きく貢献していくだろうと考えています。

大坂:いつごろからITに興味を持っていたのですか。

Dan Tong:大学のときからソフトウェアなどに非常に興味があり、IT分野で経験を積んできました。この会社を起業したのは、培ってきた経験の中でITやソフトウェアの必要性を理解したから。なるべくIT技術が活用できる環境をつくってベトナムの若い人たちに提供し、ベトナムのこれからの発展に貢献したいと考えたんです。

ブロックチェーンのニーズはますます拡大。人々の生活が変わる

大坂:なるほど。ベトナムは国民の平均年齢が30歳以下と若いせいか、社員さんもほとんどが25歳以下と、若いですよね。

Dan Tong:そうですね。だいたいみんなトップクラスの大学で、非常に優秀な方ばかりです。

大坂:すばらしいですね。取引先はアジアを中心にしているのでしょうか。それとも、世界中に散らばっているのですか。

Dan Tong:取引先はどの大陸にもあるという感じです。ヨーロッパではデンマークやスイス、アジアではシンガポールやマレーシア、フィリピン、タイ。オーストラリアもあれば、アメリカもあります。起業して間もないときには日本の会社とのやりとりもありましたが、残念ながらニーズやタイミングが合いませんでした。今は企業としてかなり成長したため、再度挑戦してみたいと考えています。

ブロックチェーンへのニーズと課題

大坂:開発においてブロックチェーンを扱っているとお聞きしましたが、そういったニーズは増えているのでしょうか。

Dan Tong:私はブロックチェーンを一つのテクノロジーだと認識しているため、このテクノロジーを幅広い分野に応用し、さまざまな成果物を得ることを考えています。ブロックチェーンを使った開発に取り組んでいる企業は優秀なところばかりですし、ニーズについてもますます拡大していくでしょう。FDSとしては、現在は基礎となる部分の開発に力を入れていますが、今後はその上の段階となるアプリケーションなどもつくっていきたいと考えています。

大坂:ブロックチェーン業界での傾向はありますか。例えば、プラットフォームではイーサリアムのニーズが高いとか。

Dan Tong:私たち自身が感じていることでいえば、やはりイーサリアムのニーズは高いですね。また、NEM(ネム)やStellar(ステラ)も結構使われていると感じます。ただ、最終的に誰がこの業界の頂点に立つのかを予測するのは難しいですね。

大坂:なるほど。ブロックチェーンの需要は拡大していて、将来性もあることは分かりましたが、一方で課題もあるのではと思います。ブロックチェーンにおいて、課題だと感じるのはどのようなことですか。

ブロックチェーンのニーズはますます拡大。人々の生活が変わる

Dan Tong:もちろん課題はあると思います。我々が課題だと感じているのは、人々のマインドセットを変えることの難しさ。これまでも新たな技術を用いる際には、本当に安全かなど、さまざまな疑問や不信感がありました。

大坂:なるほど。

Dan Tong:ただ、我々技術を開発している人間は、時代の先を切り拓いていかなければならない。現時点で活用性があまり見えないテクノロジーも、20年後にはすばらしいと評価されて、非常に盛んに使われているかもしれない。20年前、我々ベトナム人はYahoo!がつくったメールを体験しました。当時はメッセージだけ送ることに何の意味があるんだという思いでしたが、10年後にはYahoo!メールが盛んに使われるようになり、今ではGoogleのGmailを世界の誰もが使っています。

大坂:20年前はあまり意味が感じられなかったメールという技術が、今は盛んに使われるようになりました。

Dan Tong:同じように、ブロックチェーンも将来的にはいろいろなことに応用される可能性を秘めているということ。特にこれまでのさまざまなテクノロジーに比べ、幅広い課題の解決に非常に大きな可能性があると考えて、開発に取り組んでいます。

テクノロジーを生活に浸透させ、幸せなことに使える時間を増やしたい

大坂:ブロックチェーン以外の話も聞かせてください。御社では、VRやARの開発も手掛けられているとうかがいました。日本ではポケモンGOが流行しましたが、ベトナム国内でVRやARはどのように受け止められていますか。

Dan Tong:非常にいい質問ですね。現在、VRやARには、体験する際に分厚い眼鏡をかけなければならないなど、まだまだ技術発展の余地があるとされているところもありますが、人々の興味はどんどん増していくと私は考えています。今後こういった技術が成長して性能が高くなれば、リアルの世界とバーチャルの世界は徐々に近づいていくでしょう。

VRやARは、特にゲーム業界での活用に適しています。ポケモンGOは非常にすばらしいゲームで、リアルの世界とバーチャルの世界をリンクさせた手法が人々を魅了しました。実際にベトナム人でも、興味を持った人は多かったですね。

ブロックチェーンのニーズはますます拡大。人々の生活が変わる

大坂:ベトナムは道にバイクがたくさん停めてあるので、ポケモンGOをプレイするには危険が多そうですね(笑)

Dan Tong:ポケモンGOをつくった人たちも、ベトナムでこんな危険があるとは思わなかったでしょうね(笑)。ゲームもそうですが、何かをつくるときにはメリットがたくさんある反面、デメリットも存在します。デメリットを減らしていくためには想像力を働かせながら更新を続け、徐々にいいものにしていくことが必要です。ポケモンGOをつくっている人たちも、常に次のバーチャルのことを考えながら更新をしていることと思います。いずれベトナムでも、ポケモンGOなどをヒントにして自国を舞台にしたゲームがつくられるかもしれませんね。

大坂:最後に、今後の展望をお聞かせください。

Dan Tong:直近のミッションとしては、ブロックチェーンやAIなどの新しい技術を完全に理解したいと考えています。そして、これらのテクノロジーを人々の家や生活にまで導入していくことを目指しています。これまで、普段の生活の中で使われているテクノロジーと言えば、洗濯機やスマートテレビなどがせいぜいでした。しかしこれからはどんどん生活が変わり、例えば映画館に行かなくても公開中の映画が家で見られたり、家の住環境を最適に管理できたり、これまで以上に速いスピードで情報が取得できたりと、いろいろなことが実現していくでしょう。我々はそれを技術的にサポートし、発展を促進させていきたいと考えているんです。これらのテクノロジーを追求していけば、人々が余裕を持った時間を幸せなことに費やすなど、結果的に社会にも貢献できると考えています。

AIre VOICEではブロックチェーンの最新ニュースはもちろん、さまざまなバックグラウンドを持った方へのインタビュー・コラムを掲載しています。ぜひご覧ください。

ライター/三ツ井香菜 編集/YOSCA 撮影/倉持涼

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