金融はあくまで道具。 人生経験を積んで得られる「豊かさ」こそ投資の本質

2019.07.22 [月]

金融はあくまで道具。 人生経験を積んで得られる「豊かさ」こそ投資の本質

外国為替証拠金取引(FX)サービスを提供するワイジェイFXに、2019年6月14日から代表取締役社長に就任した 松本 好史氏は、お金に対する新しい価値観を持つ人物だ。

「人生における『豊かさの輪』を広げるためにチャレンジすること」が重要であると熱心に語る。そんな松本社長に「豊かさ」とは何なのかというキーワードでインタビューを試みた。

当然「豊かさ」とはお金が増えることだけではないと分かっているものの、改めて考えてみると実に感慨深い。良い意味で金融機関の社長らしからぬ投資家思いの話を聞くことができた。

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金融取引で得られる利益や体験を基に自分の人生経験を積むことが「豊かさ」

まずは松本社長の考える「豊かさ」とは何か。

 

「利益を上げるためにFX取引をする人がいて当然。しかし利益以上に、取引をすることによって得られる人生の経験が『豊かさ』に重要だと考えています」(松本)

 

FXで、ドル円取引を行うときに、テクニカル分析やファンダメンタルズ分析によって利益を得るための手法を考えるのも経験だが、金融の本質は、豊かな人生を実現するための道具に過ぎない。

例えばアメリカに旅行に行くためにドルが必要で、円から両替をする。住宅を購入するのに、現金一括では購入できないから住宅ローンを組むなどといったシーンを想像してみるとよくわかる。これらの金融サービスは経験するための道具でしかないのだ。

FX取引はそもそもお金を増やすための取引じゃないか。という声が聞こえてきそうだが、松本社長はこう語る。

 

「例えばドル円のFX取引を行ったとしたら、アメリカ関連のニュースに興味を持ち、実際にアメリカに旅行に行って、自分の人生のプラスになるような経験にチャレンジして欲しいのです」(松本)

 

そうはいっても為替相場は日々動くモノ。損してしまったら元も子もないのでは?

 

「当然、取引で損することもあります。しかし、損の中から学ぶこともあるし、次の取引での成功確率を上げて欲しい。そして取引に成功したならば、プラスアルファで豊かな人生を体験して欲しい。FXの会社とは言え、取引の場や相場情報を提供して、お客様の成功確率を上げるのはもちろん、それ以上のモノを提供して行きたいと考えています」(松本)

金融はあくまで道具。 人生経験を積んで得られる「豊かさ」こそ投資の本質

人とのつながりを加速度的に広げて自分の考え方を伝播させたい

松本社長が持つマインドも特徴的だ。どこか人間味を感じさせる「ぬくもり」があり、それでいてビジネスの理にかなっている。象徴的なのが、彼の座右の銘だ。

 

「ハンムラビ法典の『目には目を、歯には歯を』という報復律があるじゃないですか。それをポジティブの方向に向けた考え方が私の座右の銘ですね」(松本)

 

どういうことなのか? 本来「目には目を、歯には歯を」という言葉は、何かやられたときの復讐の考え方だが、松本社長の場合はポジティブな意味で考えている。

仕事や生活をしていく上で欠かせない人とのつながり。何かわからないことや困難なことがあっても、つながっている人がいれば助けてもらえる、応えてもらえる。

そんなつながりを創っていくためには、自分が何かをしてもらった時には、きちんと応える必要がある。その結果として、つながりは強固なものになっていくはずだ。

松本氏は直接やりとりする人だけでなく、家族や親族も「豊か」になれるようなお返しがしたいと語る。そうすることで、人とのつながりは加速度的に広がり、松本社長が考える「豊かさ」の価値観をたくさんの人に伝えることができる。

 

「『目には目を』だけだと足りなくて、『目には目を、歯には目も歯も』のように自分が受けた恩恵を倍返しするのが良いですよね。嫌な目にあった時に倍返しするのはよくありませんが(笑)」(松本)

 

投資家が持つ不安やわからないことを解決するには?

「豊かさ」を理解してもらうのに必要となるのが投資教育だ。日本人に一番足りていない部分だが、ワイジェイFXはどのような取り組みをしているのか?

 

「現状だと、お客様向けのブログやメール・動画配信による情報提供を行っています。自分は投資教育というよりも、お客様と投資や金融の接点になるものを広げていきたいと考えています」(松本)

金融はあくまで道具。 人生経験を積んで得られる「豊かさ」こそ投資の本質

松本社長が言うには、投資教育というキーワードの聞こえはいいが、実際に顧客に案内したところで「今さら教育を受けたくないよ」という声が聞こえてくることが多いという。一方で、学生時代に投資教育を受ける人はほとんどいないのが日本の現状だ。

 

「日本では投資教育を受けていない人が、一気に投資の世界に入ってくることが多い。そんな時に不安になることや、わからないことをお客様から引き出せるように、積極的にコミュニケーションを取っていくことが、『豊かさ』を伝えるために、私の感じている課題です」(松本)

 

松本社長が考える「豊かさ」には金融取引だけで収益を上げるだけではなく、人生の中でプラスになる経験を積んで欲しい。その道具として「金融」を活用して欲しい。という思いが込められている。

ビジネス面では、ネット専業企業であるため顧客の顔が見えづらい課題がある。しかし、ヤフーグループという強みを活かし、データを適切に分析してオンラインでは実現が難しい顧客とのOne To Oneでのコミュニケーションを目指す目標が見え隠れしていた。

金融はあくまで道具。 人生経験を積んで得られる「豊かさ」こそ投資の本質

ワイジェイFX株式会社 代表取締役社長 松本 好史。1970年生まれ。新卒で大和証券入社後、インターネット証券黎明期のマネックス証券を経て、2016年にワイジェイFX入社。

一貫して未来の金融を目指し、お金だけでは満たされない人生の「豊かさ」をお客様に伝え、実践してもらうにはどうしたらよいかを考える毎日。

 

取材協力:ワイジェイFX株式会社 YJFX,Inc.
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第271号
東京都千代田区紀尾井町1-3
東京ガーデンテラス紀尾井町 紀尾井タワー23階

取材・文/久我 吉史
撮影/篠田麦也

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