仮想通貨やトークン、デジタル資産の価値は必ず上がる。今後の市場動向を分析

2019.06.21 [金]

仮想通貨やトークン、デジタル資産の価値は必ず上がる。今後の市場動向を分析

発展し成熟したパソコン業界にはない可能性が、ブロックチェーン業界には眠っている。

中国のブロックチェーンプラットフォーム「Axonomy」の創設者である李怡俊氏は、ブロックチェーン業界の底知れない可能性に魅せられ、パソコン業界からブロックチェーン業界へ転身した。

個人投資家向けのプラットフォームを立ち上げ、投資家との密接な関係を築くために開発を続ける李怡俊氏に、仮想通貨やトークンなどデジタルデータとして保有されている資産を持つ意義や、ブロックチェーン業界で生き残るための秘訣について伺った。

 

個人投資家と密接につながるプラットフォームを創出

大坂:李さんのご経歴と現在の仕事内容を教えてください。

李:PC業界で5年ほど働いてから、2017年3月にブロックチェーン業界へ入りました。

まず外灘(ワイタン)で投資マネージャーを務め、2018年7月に退社してからは自分で投資家向けのプラットフォームを作り始めました。

現在は、そのプラットフォームで早期のプロジェクトの選定や評価、その後のポイントやトークンシステムに基づくメカニズム設計を行っています。

仮想通貨やトークン、デジタル資産の価値は必ず上がる。今後の市場動向を分析

大坂:李さんが作ったプラットフォームはどのようなものですか?

李:Axonomyというプラットフォームで、もともとはトークンと同じ形式で個人投資家をプロジェクトと結びつけたいと考えて立ち上げました。

現在は20万以上の登録ユーザーがいて、そのうち40%はKYC(Know Your Customer)ユーザーが占めています。KYCとは、仮想通貨取引所の口座開設の際に求められる顧客確認のための本人確認書類・手続きの総称のことです。

仮想通貨の取引において、KYCを実施することでマネーロンダリングなどの不正を防ぐことができます。

 

大坂:一般的な銀行口座開設時に本人確認書類を求められるのと同じことですね。そして、Axonomyはプロジェクトを個人投資家と密接に結びつけるために作ったプラットフォームだということですが、現状はいかがですか?

李:トークンの経済モデルを調整しながら、製品をアップグレードしている段階です。今はユーザーとのインタラクション方式を模索していて、新しいビジネスモデルに挑戦している最中ですね。

仮想通貨やトークン、デジタル資産の価値は必ず上がる。今後の市場動向を分析

大坂:会社のビジョンもこうした活動とつながっているのでしょうか?

李:はい、会社としても投資者向けに最適なサービスプラットフォームを創出することを目指しています。

仮想通貨やトークンなどに代表されるデジタルアセット(デジタルデータとして保有されている資産)を有している投資者にサービスを提供したいんです。

 

大坂:デジタルアセットに重点を置いていると。

李:デジタルアセットは他にはない独自価値を持った特別な投資です。

将来的には、不動産や株といった現在も主流にある投資対象ほど大規模ではなくとも、全ての家庭で少なからず資産を保有するようになるだろうと考えています。それだけ可能性がある資産だということです。

 

パソコン業界にはない可能性をブロックチェーン業界に見出した

大坂:李さんがブロックチェーン事業に着手したきっかけは何ですか?

李:着手したのは2018年でして、当時は従事していたPC業界でビジネスチャンスを見つけられずに悩んでいました。

そこでAIやブロックチェーンといった先端技術に目を向け、調べていくうちに「ブロックチェーン業界にはまだチャンスが潜んでいる」という確信を得たのです。

その後、ブロックチェーン企業へ転職してブロックチェーン事業に注力しました。

仮想通貨やトークン、デジタル資産の価値は必ず上がる。今後の市場動向を分析

大坂:なるほど。ただ、現在のブロックチェーン、特に仮想通貨市場は不景気に見えます。今後の発展について、どう思われますか?

李:仮想通貨などブロックチェーン業界はかなり浮き沈みが激しい業界です。私自身、この業界で何回もの上がり下がりを経験しました。

また、ビットコインは法定通貨のリスクヘッジができる新しい通貨として、だんだんと価値が認められるようになりました。

これらのことを総合して考えれば、一時的に不景気になっていますが、今後必ず成長する市場であり、世間からの注目を集められるようになるでしょう。

 

大坂:値下がり傾向にあるときはデメリットが目立ってネガティブなイメージになりますが、長期的には好景気が期待できるということですね。ブロックチェーン技術の普及率はいかがでしょうか?

李:現在のブロックチェーン普及率は極めて低いです。中国の政策も、デジタル通貨に対してあまり積極的な姿勢ではありません。

現状では小規模な範囲で利用されており、世界全体でみても数千万人規模に留まっています。中国だけだと100万人ぐらいでしょうか。

これからもブロックチェーン業界に属する人数はさほど多くならないだろうと考えていますが、高い経済性は期待できると思います。

 

大坂:ブロックチェーンの経済性を活かし、普及させていくためにはどうすればいいでしょうか。

李:揺らぎやすい市場ですから、市場の経済周期を予測するのは難しいと思います。企業は安定した需要が見込めるビジネスプランを模索する必要があるでしょう。

市場が大きく動くときは、必ずターニングポイントが存在します。ブロックチェーン業界でビジネスする企業は、そのターニングポイントを見極めて行動すれば生き残れるはずです。

仮想通貨やトークン、デジタル資産の価値は必ず上がる。今後の市場動向を分析

大坂:取引所売買についてはどう思われますか。

李:取引所売買はわずかに縮小されつつありますね。ただ、中国の投資家は依然として多いためグローバルな取引は活発化しています。

現在は縮小傾向にあっても、中国市場はまだまだ大きいのです。世界的なトップ層の取引所であれば、質の良い取引所だと言えるでしょう。

また、デジタル通貨は独自の価値を持つ資産ですから「これから購入したい」「売り出したい」と考えている人もたくさんいます。広いOTC市場もあり、デジタル通貨の取引は拡大が見込めると思います。

 

大坂:デジタル通貨は長期投資として有用だということですね。本日は貴重なお話をありがとうございました。

 

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ライター/萩原かおり 編集/YOSCA 撮影/倉持涼

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