仮想通貨の強気市場はいつまで続くか。ブロックチェーンを正しく理解する方法とは

2019.06.11 [火]

仮想通貨の強気市場はいつまで続くか。ブロックチェーンを正しく理解する方法とは

不景気だと囁かれる仮想通貨市場。

しかしシンガポールのブロックチェーン財団法人Gemark Networkの創業者である劉昱氏は「長期的に見ればまだまだ強気市場で、値上がり傾向にある」と断言する。

顧客数・取引量ともに世界トップクラスの取引所であり、世界No.1の金融サプライチェーンを目指す「Huobi」の開発リーダーも務めた劉昱氏に、今後の仮想通貨市場の動向や、ネガティブなイメージが残るブロックチェーンを正しく理解するために必要な情報について詳しく伺った。

 

ブロックチェーンの法的リスクを軽減するには

大坂:劉さんがブロックチェーン業界に入ったきっかけについて教えてください。

劉:2013年頃、シリコンバレーの会社で勤めながら不動産の情報プラットフォームを創業したのですが、投資者を「資金を不動産に集中投下してくれ」と説得するのに苦戦しました。

説得するためにいろいろと調べている時に、ビットコインの存在を知ったんです。

 

大坂:それからブロックチェーン業界に入ったのですか?

劉:ええ。ビットコインには法的リスクがある一方で、その仕組みを支えるブロックチェーン技術の将来性が高く伸びしろがある点が魅力だったので、当時勤めていた会社を辞め、ブロックチェーン技術の研究に着手しました。

ブロックチェーン業界のことからウォレット支払いのようなツールのことまで学びました。

 

大坂:おっしゃるとおり、ブロックチェーン業界には大きな法的リスクがありますね。
日本では金融庁・経済産業省・行政機関が開催する勉強会などに参加して、知識を習得しながら開発する流れが一般的です。

劉:なぜそのような進め方を推奨しているのですか?

 

大坂:インターネットの草分け時代に失敗したからです。
インターネットが普及しだした頃、日本の政府は規制を厳しくしすぎて発展を妨げてしまったんです。ブロックチェーンや仮想通貨に関しては当時より前向きな風潮がありますが、それでもスピードは遅いですね。

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劉:なるほど。日本は取引所の監査が厳しく、全体的に体制が整えられていますよね。

法律を順守した取引所に対して事業ライセンスが与えられると聞きました。ほかの国はそこまで管理されていませんね。

 

大坂:日本はインターネット黎明期に規制しすぎて失敗したので、ブロックチェーンは最初から一緒に話し合って推進し、発展させたいと考えているんです。

 

今も値上がり傾向にある仮想通貨

大坂:仮想通貨などの暗号化資産が不景気だと言われていますが、今後の見解を伺えますか?

劉:前年に比べれば不景気ですが、長期的に見れば好景気だと思います。

私が業界に入った頃はビットコイン1枚あたり200ドルでしたから、現在はブル・マーケット、値上がり傾向にあるでしょう。

もちろん市場にはサイクルがあり、特にブロックチェーンはグローバルで流通する資産なので、上がり下がりが激しいものです。

ただ、全体的に見れば上向きの流れにあると思います。

大坂:強気市場になっているということは、やはりブロックチェーン業界の拡大が予想できますね。今後は取引所以外でもブロックチェーンや仮想通貨が浸透しそうだという実感があります。
たとえば、日本初の仮想通貨ビットコイン販売所を運営する会社「bitFlyer」では、社員食堂で利用できるコインの開発やテストマーケティングを行っているんです。
bitFlyerのように専門技術と知識を持った会社がブロックチェーン技術を一般的なサービスにどんどん落とし込むことで、一般消費者にまで普及するといいなと思います。

劉:ビットコインの存在を知っている人が増えてきて、さらにその内の2~3割がブロックチェーン技術の知識を持つようになりましたが、全体的に普及しているかというとまだまだ発展途上ですよね。

市場の浮き沈みが激しいと詐欺的な行いをする人も出てきて、ビットコインなどの仮想通貨に対する偏見を持つ人が多いのも問題です。こうしたネガティブなイメージがあると、一般人がブロックチェーン業界から遠ざかってしまう。

 

大坂:普及させるためには支援者が必要ですから、こうした偏見はネックになりますね。

劉:最近はブロックチェーンやビットコインがテレビで紹介される頻度が高くなってきました。

中央2チャンネルという財政・金融専門の番組がよく放送しています。先日、中央テレビの証券チャンネルに招待され、ブロックチェーンの普及に関して紹介しました。

こうした公式な場を通じて一般消費者にブロックチェーンやビットコインのことを知ってもらえることはとても良いことです。

 

大坂:一般的なメディアだけだと、どうしても主観的な情報が多くなってしまいますね。何か悪いことが起きるとすぐにバッシングする風潮がありますし、情報の振れ幅が大きい。

劉:メディアに踊らされるかたちになり、一般人の正しい理解や判断を妨げます。私は客観的な情報を多くの人に届けたいと考えているので、中央テレビの番組では技術的な話だけお伝えしました。

 

大坂:日本でも詐欺コインが多くあらわれましたが、大体デザインが共通しているんです。
私たちはそれを全て調べ上げ、近しいイメージ画像はメディアで使わないようにしました。そうしないと、今まで仮想通貨やブロックチェーンに対して根付いてしまったネガティブな印象を払しょくできません。
ブロックチェーンの情報を発信する時は、デザインにこだわってクリーンな印象を与えるべきだと感じます。

 

ブロックチェーンがインターネットの安全を守る

大坂:ブロックチェーンや仮想通貨は、今後どうなると思われますか?

劉:ブロックチェーンはインターネット環境を改善する存在として重宝されると思います。

マーク・ザッカーバーグ氏もブロックチェーン技術を利用してフェイスブックの情報漏洩問題を特定し、解決に努めています。

つまり、ブロックチェーン技術にはインターネット・セキュリティ全体を向上させる効果が期待できるということです。

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大坂:インターネット上は詐欺が横行しやすい点が課題ですが、ブロックチェーンによるセキュリティ強化は有効な改善策になりますね。

劉:今後は不動産のような大規模資産もブロックチェーンによって管理され、公正な取引が確保されるようになるでしょう。

汚職や詐欺などの不正行為も防げるようになるのではないでしょうか。

仮想通貨もブロックチェーン技術に基づいていますから、信用できる価値として一般消費者間でも流通するようになると思います。

 

大坂:今後が楽しみです。貴重なお話をありがとうございました。

 

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ライター/萩原かおり 編集/YOSCA 撮影/倉持涼

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