目次
制度づくりが進んでいる情報信託機能はどう利用すればいい?
今、情報信託機能事業者「情報銀行」の実証実験がスタートしています。個人データを情報銀行に預け、それを他の事業者がより良く利用できる制度づくりが行われているのです。
その個人データの多くを占める行動データとは何なのか、個人データを情報銀行に預けることのメリットも含めて解説します。
情報信託機能とはどういったもの?
情報信託機能とは、個人から主体的に信託されたデータを管理し、情報を利用したい第三者の事業者に提供する事業です。
データを提供した個人は、第三者の事業者や情報信託機能事業者から、金銭やサービスなどの便益を得ることができます。情報信託機能事業者は、情報銀行とも呼ばれています。
個人データを情報銀行に預けると、それを利用した第三者の事業者によって価値が付き、個人がその対価を得られるというのがおおまかな流れです。
個人データは「預けて」メリットを受ける時代
ネット上に散らばっている多くの個人データを、より良い製品やサービスを生み出すための資源ととらえ、活用しようと考える企業は多くあります。
ここで個人が主体性を持ってデータを情報信託機能に預けることで、活用してほしい事業者を自らで選ぶことができますし、事業者からは必要なサービスの提供を受けることが期待できるでしょう。
個人データの中でも特に膨大な量になるのは行動データ
数ある個人データの中でも一番多いのは、行動データと呼ばれるものです。行動データとは個人が何を買ったか、どこへ行ったか、何をしたかなどを数値化したもの。
例えば、車で10分かけてスーパーへ行き、店に15分滞在し、卵1パックと牛乳2本を買い、レジで450円を支払ったといった行動が数値化され、行動データとなります。
IoT製品は個人の行動データを収集できる
IoT製品というのを聞いたことがあるでしょうか?
IoT製品とは、個人がそれを使ったことにより生まれた行動データを収集したり、ネットワークに送信したりできる製品のことです。今も私たちがよく使っているクレジットカードやスマートフォンはそれにあたります。
既存の製品を高機能化してIoT製品を生み出している例もあります。
靴のインソールにスマートフォンのアプリと連携できる機能をつけ、歩数や消費カロリーのデータを記録する製品や、エアコンに人工知能をつけることで、使用する人の生活リズムを学習し、常に快適な部屋の温度に保つ製品などです。
情報信託機能に個人データを預けるということは、こうしたIoT製品などから収集される膨大な行動データを預けることも意味します。
提供した個人データを情報信託機能に預けることにメリットはありますが、すでにネット上にこぼれてしまった個人データを守れるわけではありません。
どのように個人データを扱うべきかは、自分で決める必要があるでしょう。