個人情報は自分で売る時代に!総務省が推進する情報信託銀行とは?

2019.06.21 [金]

個人情報は自分で売る時代に!総務省が推進する情報信託銀行とは?

ついに日本でも!情報信託銀行とはどんなもの?

2018年6月、「情報信託機能の認定に係る指針ver1.0」が総務省、経済産業省から公表され、日本でも情報信託銀行導入への取り組みが本格的に進み始めました。

世界中の人々のパーソナルデータを大量に自社で取得、保有しているアメリカ企業GAFA(Google、Amazon、Facebook、Apple)に対抗する手段としても注目を集めている情報信託銀行。

具体的にどのようなものなのでしょうか?仕組みや目的、私たちが利用するメリットについて解説します。

 

パーソナルデータを管理!情報信託銀行の仕組み

私たちの身の回りには個人に関する様々な情報が溢れています。例えば、店舗やECサイトなどでの購買情報や家計収支、健康状態や行動記録(位置情報)などが挙げられます。

情報信託銀行はこれらのパーソナルデータを管理し、本人の同意が得られた場合、それを必要とする企業などの第三者に情報を提供するサービスのことです。

また、情報を提供した対価として、金銭・ポイント・独自サービスなどを個人に還元する仕組みとなっています。

 

情報信託銀行はなぜ必要なのか?

Iot・AI・ビッグデータなどの技術発達により、現代社会ではさまざまな情報をデータ化し、流通させることが可能となりました。

個人のパーソナルデータの活用は、私たちの生活をより豊かなものに向上させるため、また、産業振興のためにも今後より重要になると考えられています。

しかし、私たちのような消費者の中には、センシティブなパーソナルデータの提供や取扱いに不安を感じる人も多いのではないでしょうか。

また、パーソナルデータを活用したいと考えている企業の中にも、風評やリスクを恐れて、データの活用や利用を躊躇してしまうという状況が生まれています。

そのような状況を打破し、消費者も企業もパーソナルデータを安心安全に活用していくために情報信託銀行の導入が必要なのです。

 

情報信託銀行活用のメリットデメリット

では、私たちが情報信託銀行を活用するメリットはどこにあるのでしょうか?また、デメリットや注意するべき点はあるのでしょうか?

メリット

情報信託銀行を活用するメリットとしてまず第一にあげることができるのは、パーソナルデータを安全に管理できるようになるという点です。

今までアメリカのGAFAや大手IT企業などによって、収集、利用されてきたパーソナルデータが、情報信託銀行という信用度の高い機関に守られることにより、安全な管理が可能となります。

また、消費者はパーソナルデータを企業などの第三者に提供することにより、金銭・ポイント・クーポン・サービスを対価として手に入れることができます。

情報信託銀行が消費者と企業を結びつけることにより、必要な人へ必要なサービスや対価が提供されれば、私たちの生活はより豊かなものになるかもしれません。

デメリット

一方、デメリットとしては、情報の悪用や流出のリスクが考えられるという点が挙げられます。サイバー攻撃やハイテク犯罪が増加している昨今においてはそのようなリスクがゼロであると言い切ることはできません。

また、今後情報信託銀行への参入企業の増加や、サービスの多様化が進んでいくと、自分の意図しない形でパーソナルデータが使用されてしまうという可能性もあるでしょう。

 

情報信託銀行を上手に活用するために

情報信託銀行は、まだまだこれから整備・拡大されていく取り組みです。今後、普及していくことで私たちの生活をより豊かなものにしてくれる可能性を秘めている一方、やはり情報漏えい等のリスクはゼロではありません。

自らのパーソナルデータを情報信託銀行に預けたり、第三者に提供する場合は、メリット、デメリットについてしっかりと考え、慎重な判断をすることが重要です。

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