今話題の情報信託機能とは?
情報信託機能とは情報銀行とも呼ばれ、各個人が認定された事業者にパーソナルデータを任せ、対価として報酬を得る仕組みのことをいいます。
2016年半ば頃より、政府を中心に情報銀行の具現化に向けた検討が進められてきました。その動きは観光分野でも広がりを見せています。
旅行者にとって、情報信託機能とはどのような位置づけなのか見ていきましょう。
ニーズが高まる情報信託機能
日本は海外と比較して、未だパーソナルデータの流通は盛んではなく、商業利用に警戒が強い傾向にあります。
しかし2017年5月に改正個人情報保護法が施行され、個人情報を匿名化することで積極的にデータを活用できるようになり、さまざまな業界で情報信託機能のニーズは高まりつつあります。
2019年の現在、情報銀行への参入を表明し、本格的にサービスを開始している企業は数社のみですが、今後実証実験を経て、ますます飛躍していく事業です。
2020年の東京オリンピックまでには情報銀行の機能は整備され、旅行者の情報の仲介を収入源とする狙いで参画する企業が増えていくことでしょう。
次世代型トラベルエージェントサービスの開始
2018年の12月より、JTBと大日本印刷(DTP)が旅行業界初の試みとして、旅行者の個人データを情報信託機能で集約する、次世代型トラベルエージェントサービス「oide」を共同で開始しました。
2019年の2月末まで実証が行われ、情報銀行の本格始動に向けて取り組みがなされています。
この機能は、旅行者が自身のプロフィールや趣味、要望などを事前にスマートフォンで登録することで、それぞれの旅行者に適したサービスを提案してくれます。
さらにサービスの提供先である事業者が、旅行者の同意を得て情報を共有し、事業者側が直接サービス券などを贈るなどの働きができるようになり、消費促進に役立てられる利便性があるツールです。
実証実験で銀行を利用した施設や訪問者を確認し、マーケティングに活かしていくことが可能となります。
情報信託機能の今後
さまざまな事業者が旅行者と密接に関わる観光分野では、行動情報の提供を許容する意識が高いため、データの管理やルール、そして安全性が強く求められます。
情報銀行企業、並びにデータ提供先となるサービス事業者が、さらに情報信託機能を流通・利活用していくためには、情報セキュリティーやプライバシーの確保を徹底して行っていくことが課題です。
資産となりえるパーソナルデータを活用し、より生活を快適なものにできる情報信託機能の今後の動向には注目しましょう。