多種ジャンルの企業や団体が参加する情報信託機能の実証事業とは?

2019.06.12 [水]

多種ジャンルの企業や団体が参加する情報信託機能の実証事業とは?

実際に実証事業を行う団体や企業は?

「情報信託機能」とは、個人の持つ個人情報を含むパーソナルデータを個人との契約等に従い、蓄積・管理・活用(第三者提供含む)を個人に変わって行うことです。

総務省は2018年5月に「情報信託機能活用促進事業に係る提案の公募」を行いました。

公募対象者は「地方公共団体・民間企業・大学・NPO法人等からなるコンソーシアム」。

実際に実証事業の委託先に決定したのは、下記の6つの企業や団体です。

・一般社団法人おもてなしICT協議会
・株式会社日立製作所
・株式会社JTB
・中部電力株式会社
・株式会社三井住友銀行
・ユーシーテクノロジ株式会社

では、どんな実証事業が行われるのでしょうか。いくつかを紹介します。

 

利用者が拡大するIOT機器を利用!家電メーカーならではの活用方法

近年利用者が増えているIOT機器を用いた活用法を提案した日立製作所は、従業員200名を対象に、各家庭にある電力センサから得られる「電力データ」、個人が着用するリストバンド型のセンサから得られる「健康データ」、個人本人が登録する「基本データ」を活用。

これらの情報を情報提供先として指定した「東京海上日動火災保険(株)」「日本郵便(株)」「デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム(株)」へ提供し、家電向け保険・サービス開発の実証実験や再配達の削減につながる宅配ルートの設計の実証実験、個人の興味のあるWeb広告配信の実証実験を行います。

 

旅行のデータを活用!ニーズに合わせた旅行プランの提案や旅先でのサービスなどを提供

株式会社JTBでは、文化施設への日本人旅行者を対象にモニターを募集。大日本印刷株式会社と共同開発したアプリを使用し、モニターがデータを入力、そのデータを基に個人のニーズに合わせた体験サービス等を提供する実証実験を行います。

今回は東京・上野エリアと京都・岡崎蹴上エリアが実施地域です。情報提供先としては対象のエリアの観光連盟などで、データを活用し、地域内での周遊や消費の拡大・推進の対策へ活用します。

 

データ管理やサービス提供にクラウドとアプリを活用!

ユーシーテクノロジ株式会社は、「IoTおもてなしクラウド」と「ココシル」アプリを使用した実証実験を行う予定です。

「IoTおもてなしクラウド」へ登録したパーソナルデータを基に、個人に適した店舗や施設の情報を「ココシル」アプリで提供します。

実証実験では、群馬県、福岡県、那須塩原市、品川区のイベントなどと連携し、対象サービスや日程などを提示。

実証実験への申し込みをした人に、サービスを体験してもらいます。サービスは各地域で異なり、「スタンプラリー」や「パスポート」などで提供。

アンケートに回答まで行うとQUOカードや商品券などの謝礼が進呈されます。2020年の海外からの来訪者への「おもてなし」を見据えた実証実験でもあります。

「IoTおもてなしクラウド」(※1)とは、訪日外国人をはじめとした多様な利用者が、自分の属性情報を登録し、適切なアクセスコントロールのもとで様々なサービスに提供するためのプラットフォームです。

「ココシル」アプリ(※2)とは、観光地や街、商業施設、博物館、美術館などの「まち」(総称して「まち」と表現)を対象に、それぞれの「まち」に関する各種情報をスマートフォン(アプリ)ならびに Web サイトで発信するためのプラットフォームです。

「ココシル」は現在、全国52の地域・施設で導入が進んでいます。

出典:「おもてなしサービス実証実験(実験参加者募集)」

 

2019年が本格始動の年!情報信託を考えよう

既に色々な実証事業が行われている情報信託機能ですが、各企業や団体が、それぞれの強みを生かした活用方法を打ち出しています。

また、みずほ銀行」や「ソフトバンク」、「NTTドコモ」に「ヤフー」など、政府の認定なしに事業や実験を進めている企業もあります。

自分の大切な情報を預けるのは、政府の認定した実証事業を行う企業や団体だけでなく、それ以外の情報信託機能を持つ企業も選択肢に加わります。

自分の目で耳で確かな情報を得て、信頼できるところに情報信託しましょう。

この記事をシェア