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個人の情報に対する意識が変わる?
2019年から複数の大手企業が参入すると表明している「情報銀行」。
個人の情報を預かるといいますが、私たちにどのように関係するのでしょうか?
個人が持つ個人情報を含むパーソナルデータは、今後、情報を第三者へ提供することで、対価を得ることが可能となります。
では、どのような形で、何をすれば対価を得ることができるのでしょうか?そこに先ほど出てきた「情報銀行」が大きくかかわり、また「情報信託」を考えるきっかけがあるのです。
情報銀行と情報信託って、どんな関係?
個人の持つパーソナルデータを含む様々な情報を蓄積・管理・活用(提供を含む)する方法の一つのサービスとして、「情報銀行」があります。
様々な情報を個人で蓄積・管理し、活用することは難しいですが、「情報銀行」は、その蓄積・管理の部分に加え、個人の代わりに第三者へ提供も行ってくれます。
この、情報の蓄積・管理・活用を「情報銀行」に委託することが「情報信託」です。
提供する情報は個人が事前に「情報銀行」へ指示または条件を提示し、それを基に第三者への提供が行われますので、個人が意図した情報の管理をしてもらえます。
パーソナルデータストアと情報信託との違いは?
個人の情報の流通には「パーソナルデータストア(以下、PDS)」と「情報信託」があります。
どちらも個人の情報の管理のことですが、違いは何でしょうか?
総務省では「PDS」を「他者保有データの集約を含め、個人が自らの意思で自らのデータを蓄積・管理するための仕組み(システム)であって、第三者への提供に係る制御機能(移管を含む)を有するもの」(※1)としています。
次に「情報信託」ですが、先ほど述べた通り、個人自ら情報の蓄積・管理・活用を行うのではなく、「情報銀行」が代わって行います。
大きな違いは、個人の情報の蓄積・管理・活用を自分で行うか、「情報銀行」に委託するかです。
※1 出典:内閣官房IT総合戦略室「AI、IoT時代におけるデータ活用ワーキンググループ 中間とりまとめの概要」
情報銀行からの対価以外に、情報提供先からも便益の還元が!?
「情報銀行」へ蓄積・管理・活用を委託できる以外の「情報信託」のメリットはあるのでしょうか?
「情報銀行」に参入を表明している企業の例を見てみましょう。
・三菱UFJ信託銀行
・電通
・富士通
・日立製作所
・ソフトバンク
上記以外にも多種多様なジャンルの企業があります。既に従業員やモニターを募集しての実証実験が進められている段階です。
個人の情報は性別や世帯情報などのほか、購買履歴や検診結果、電力使用量にIot機器の登録情報なども対象となり、膨大なデータが一元管理される予定です。
様々な情報があることから、情報提供を求める第三者も多様になります。情報の提供を許可した提供先の企業から対価としてのサービスが受けられる場合もあるようです。
例えば、検診結果の情報提供を受けたジムのクーポンがもらえたり、提供された情報を基に個別化されたサービスが受けられることも。
個別化されたサービスの例としては、「健診結果の情報から分析した必要な食事のアドバイス」や「過去の旅行情報からお好みの旅行プランの提案」などが考えられます。
もちろん提示した条件により、情報の使用方法や提供されるデータが選別されるので、希望しないサービスのおすすめをされることはありません。
対価の種類も決め手に?情報信託できる情報銀行のサービスを選ぼう!
「情報銀行」へ参入する企業が多いということは、どこの企業の「情報銀行」へ「情報信託」するかを考えなくてはなりません。
どのような「情報銀行」のサービス・システムがあるのか、情報に対するセキュリティ対策は万全か?など見極めることが重要です。
自分の情報を「情報信託」できる企業はどこなのか細かくチェックしてください。また、「情報銀行」からの対価も現金のほかに、独自のポイントや仮想通貨、クーポン券やパーソナライズ(個別化)の優遇サービスなどがあるようです。
こちらも選考の対象に含めて考えると良いでしょう。
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※注 現在は「仮想通貨」を「暗号資産」に呼称変更されておりますが、本記事では一般に定着・浸透している名称の仮想通貨で記載しております。
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