情報銀行開始前に知っておきたいデータ流通の仕組み

2019.06.05 [水]

情報銀行開始前に知っておきたいデータ流通の仕組み

知っていますか?情報流通の仕組み

スマートフォンの普及、IoT機器やAIの発達により、私たちは身近な情報をデータとして記録できるようになりました。

2019年を目処に運用開始が検討されている情報銀行とは、このような私たちのパーソナルデータを円滑に流通・活用できるようにするための第一歩であるといえます。

情報銀行の制度を賢く利用するために、政府が定義する情報流通の仕組みについて解説します。

 

情報が円滑に流通されるための3つの仕組み

2017年5月に改正個人情報保護法が施行され、匿名化を行うことで、パーソナルデータを積極的に活用できるようになりました。

これに伴い、政府はパーソナルデータを適切かつ安全に利用できるよう整備を進めています。

内閣官房IT総合戦略室データ流通環境整備検討会が公表した中間とりまとめでは、データ流通の仕組み(PDS、情報銀行、データ取引市場)について、下記のように定義しています。

①PDS(パーソナルデータストア)

PDSとはPersonal Data Store(パーソナルデータストア)の略称で、他者が収集したものも含め、自身のパーソナルデータを、自らの意思に基づき、企業に販売、提供するシステムです。

つまり、自身のパーソナルデータは自分で管理し、自分でその活用方法を決定するということです。

②情報銀行(情報利用信用銀行)

情報銀行とは、パーソナルデータの管理や第三者への提供を個人に代わり行う事業のことです。

具体的には、情報銀行が個人のデータを管理し、個人の指示または、事前に取り決めた条件に基づき、企業やその情報を必要とする者への提供の妥当性を判断するということです。

データを預けた個人はデータを第三者へ提供した報酬として、提供先から金銭やサービスなどを受け取ることができます。

金銭などの資産を預け、運用を任せ、個人に利益を還元する銀行のモデルと類似することからその名称がつけられました。

③データ取引市場

データ取引市場とは、パーソナルデータを保有する個人とそのデータを活用したいと考える企業などの第三者を結びつけ、データの売買などの取引を仲介する仕組み(市場)のことです。

日本では2016年にEverySense社がデータ取引市場としての業務を開始しました。

EverySense社は、アプリで記録したパーソナルデータを提供したい個人と、そのデータを利用したいと考える企業などとの取引を仲介するプラットフォームを提供しています。

 

データ流通の仕組みを賢く利用するために

今後ますます拡大していくであろうパーソナルデータの流通・活用は、その情報を必要とする企業などの第三者はもちろん、私たちがより豊かに生活していくためにも欠かせないものです。

メリットを十分に受け取るためには、データ流通の仕組みを理解し、自分にあった活用方法を選択することが重要です。

この記事をシェア