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情報銀行は個人データをより良く活用する社会実現への第一歩
ネットワーク上に無数に散らばっている個人データをより良く活用できないか、という取り組みは、以前より企業を中心に行われてきました。
日本では最近になって、官民が一体になり、情報銀行事業を立ち上げるための動きが活発になっています。
情報銀行は、消費者と企業の双方が望む形の個人データ活用に繋がるものと考えられています。
そもそも情報銀行とはどんなもの?
情報銀行とは、データ元である個人とデータを管理する契約を結び、その個人にかわって第三者の事業者に提供する事業のことです。
データ元である個人に対しては、情報漏洩の際には損害賠償の責務を負い、データの利用先の事業者からは引き換えに便益を受け取り、場合によっては個人に還元します。
ビックデータを利用することと情報銀行のデータを利用することの違いとは?
以前からネットワーク上には、従来のデータベースの管理システムでは扱いきれない、巨大なデータ群が存在しています。これはビックデータと呼ばれているものです。
日々膨大な量が増え続けている個人データなどが、ネットワーク上に不規則に散らばっている状態を指します。
ビックデータを分析し活用できるのは、googleのような巨大企業だけなのが実情です。
情報銀行によるデータ流通が実現すれば、個人が主体的に情報を提供し、第三者の事業者にどう利用してもらうかもコントロールすることが可能になります。
企業にとっても、より詳細な個人データから、必要なものだけを素早く収集することができるので、今まで以上に、ユーザーひとりひとりに合わせた製品やサービスを提供できるようになるでしょう。
私たち消費者が情報銀行に望むことは?
個人由来のデータは今や膨大になっており、自分の手元で管理しているデータ以上に、事業者が生成、保管しているデータの方が多くあります。
そういった個人データの全てに対して、どのデータをどこの事業者に提供するといった判断をするのは現実的ではありません。
情報銀行が誕生すれば、個人が安心してデータを預けることができ、それが第三の事業者に正しく活用され、その結果サービス等の便益として個人に還元される仕組みが生まれます。
私たちが望む形の個人データ流通の実現に、大きく近づくのではないでしょうか。
個人データは「使われる」のではなく「使ってもらう」時代が来る
最近の消費者を対象にした調査によると、個人データが第三の事業者に一方的に利用されていることに対して違和感を覚えている層の多くが、情報銀行を利用したいと考えている傾向にあるようです。
個人データは自らが主体的になって管理すべきだという考えが広まれば、情報銀行はさらに私たちの身近なものになるでしょう。