出版業界のスタートアップ企業が注目するマイクロペイメントとは?

2019.06.10 [月]

出版業界のスタートアップ企業が注目するマイクロペイメントとは?

マイクロペイメントで実現する!デジタルコンテンツの小額決済

新しい価値観を掲げ、これまで市場になかった事業を興して急成長を遂げる企業をスタートアップ企業といいます。

今、世界の出版業界には、マイクロペイメントという決済方法を用いた小額コンテンツ課金や広告のあり方に注目している、スタートアップ企業が登場しています。

マイクロペイメントが何を実現できるのかを解説します。

 

デジタル広告やコンテンツ市場が伸び悩んでいる

出版業界が以前からインターネットで行っているビジネスモデルのひとつが、ユーザーにコンテンツの一部を無料で提供し、その制作費はコンテンツに掲載する広告主から回収するという流れです。

そこから有料部分のコンテンツに進んでもらえば収益が得られますが、なかなかそこまでユーザーに踏み込んでもらえないのが現状のようです。

 

大きな障壁になっているのは「支払いの壁」

インターネットでのコンテンツ課金決済の代表的なものが、クレジットカード決済です。

クレジットカード決済の際、私たちはカートに商品を入れ、クレジットカードの情報などを入力する必要があります。また、手数料がかかるという点も大きなデメリットです。

コンテンツが小額の際には、この煩雑な入力手順と手数料を考えると、躊躇してしまいます。

クレジット決済は、小額なコンテンツ課金には向いてないと考えるべきでしょう。

コンテンツ課金を月額定額払いにする方法もありますが、こちらは「利用したい有料部分の少なさに対して、月額課金を行うまでもない」と考えるユーザーが多く、企業側が思うようには伸びていません。

 

出版業界にもマイクロペイメントに注目するスタートアップ企業が増えている

それではもしも小額課金を、ストレスなく決済できる手段があればどうでしょう?

最近になって、マイクロペイメントを利用してコンテンツ販売を考えるスタートアップ企業が登場してきました。

マイクロペイメントであれば「支払いの壁」を克服し、ユーザーが望む分だけのコンテンツに、小額課金することが可能になるからです。

世界のスタートアップ企業の例を2つ紹介します。

1.ブレンドル(Blendle)

ブレンドル(Blendle)は、2015年にオランダで創設された週刊誌や新聞を出版しているスタートアップ企業です。

2016年より、アメリカの大手新聞社とともにマイクロペイメントサービスを開始しました。新聞記事を日本円で約20~40円、雑誌記事は約10~50円の小さな単位で販売しています。

マイクロペイメントの仕組みはスマートフォンと相性が良く、35歳以下の若い世代からの反応が良いのだそうです。

2.ブレイブブラウザ(the Brave browser)

ブレイブブラウザ(the Brave browser)は、スマートフォン向けのウェブブラウザ、Braveブラウザを開発しているスタートアップ企業です。このブラウザには企業の広告をブロックする機能がありますが、広告主がブレイブブラウザに広告料を払うことで掲載され、ユーザーがその広告を見ると報酬が支払われます。

決済はマイクロペイメントで行います。

 

日本でもデジタルコンテンツをマイクロペイメントで決済する時代が来る

特に若い世代の消費者から、手軽にスマートフォンから短い動画や読み物などのコンテンツを買う、消費需要が見込まれています。

マイクロペイメントでそれを実現しようと、世界では多くのスタートアップ企業が取り組みを始めているのです。

今後、日本でもマイクロペイメントの動きが加速していくのではないでしょうか。

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