「アイディアはあるけれども資金がない…」という場合、クラウドファンディングサイトを経由し、そのアイディアやビジョンに共感してくれた支援者から資金を集めることができます。
世界のクラウドファインディング市場は、2015年度時点では約340億ドルでしたが、2020年には900億ドルまで成長する見込みと言われています。
日本国内でも政府によって環境整備が進められており、資金調達の方法としてクラウドファインディングはさらに身近なものになっていくことでしょう。
今回は、クラウドファインディングのおすすめサービスを、種類ごとにご紹介します。
目次
クラウドファンディングサービスの選び方
クラウドファンディングには大きく分けて4つの種類があります。寄付型、購入型、ファンド型、株式投資型の4つです。
自分のアイディアや事業の特徴に合わせて、クラウドファンディングの種類とサイトを選ぶようにしましょう。
ここからは、それぞれのクラウドファンディングの特徴や、おすすめサイトをまとめてご紹介します。
クラウドファンディングの種類 | ||
タイプ | 報酬 | 特徴 |
寄付型 | 原則なし | ボランティア関連のプロジェクトが多い |
購入型 | 原則あり | 新商品の開発やプロモーション手法として活用することが多い |
ファンド投資型 | 原則あり | 事業に対して投資し、その事業の売上に応じて報酬が変動する |
株式投資型 | 原則あり | 未上場企業に対して投資し、その企業の売上に応じて報酬が変動する |
寄付型クラウドファンディングサイト6選
寄付型のクラウドファンディングとは、プロジェクトに賛同した支援者がお金を寄付する形で行われるクラウドファンディングで、基本的に支援者へものやサービスのリターンは設けられていません。
プロジェクトは、例えば、被災地の支援や貧困問題を抱える国への支援を目的としているボランティア形式のものなどが多く、社会貢献性が強い傾向があります。
JAPAN GIVING(ジャパンギビング)
「JAPAN GIVING」は日本最大のクラウドファンディングプラットフォームです。イギリスの「JustGiving」の日本上陸版として2012年にスタートしました。
支援を必要としているのは、被災者支援や芸術、スポーツ、動物支援などのNPO団体などです。JAPAN GIVINGは、そういった団体と社会貢献をしたい支援者との縁を作っています。
運営会社は、不動産情報サイトHOMESを運営する株式会社LIFULLで、日本テレビや電通など他業界の大手企業とも提携しており、さらなる発展に期待がかかっています。
参照リンク:https://japangiving.jp/
READYFOR Charity
購入型のクラウドファンディングサイトREADYFORから派生した、READYFOR Charity。READYFORが運営を進める中で、自治体、学校法人、認定NPO法人などの非営利団体への寄付を目的とした案件のニーズも多く、2015年に寄付型専門のプラットフォーム「READYFOR Charity」として、独立しました。寄付者は寄付控除を受けることができます。
参照リンク:https://readyfor.jp/charity/
CAMPFIREの「寄付型」クラウドファンディング
CAMPFIREから生まれた寄付型のクラウドファンディングでは、「All-In」「All or Nothing」「マンスリーサポート」の、3種類の支援方式があります。
「All-In」は、目的金額の達成、未達成に限らず、プロジェクトの立案者に寄付額の全てが、支払われます。
「All or Nothing」は、期間内に目標金額まで寄付額が届かなかった場合には、プロジェクトは実行されず、支援金も払い戻されます。「マンスリーサポート」は、継続した支援が必要な案件に月額制で寄付をするものです。
プロジェクトの目的や性質に合わせて、3種類から最も適した方法でクラウドファンディングを実施できます。
参照リンク:https://camp-fire.jp/goodmorning
https://camp-fire.jp/about
gooddo(グッドゥ)
2014年にスタートしたクラウドファンディングプラットフォームのgooddo は、
国境なき医師団や、動物愛語団体、芸術やスポーツや児童虐待防止などのプロジェクトが多く、社会貢献性が高い支援ができる点が特徴です。
また、gooddoは他の寄付型クラウドファンディングプラットフォームと仕組みが異なります。
協賛企業の広告協賛費によって支援金を集めているため、個人の支援者は支援金を負担するのではなく、無料でプロジェクトを支援することが可能となっています。
個人の支援者は、支援したい団体のフェイスブックやtwitterをフォローする、gooddo経由で楽天で買い物をすることで、実質無料、支援金なしでプロジェクトを支援することができます。
参照リンク:http://gooddo.jp/
ふるさとチョイス
ふるさと納税サイトの「ふるさとチョイス」も、実は寄付型のクラウドファンディングプラットフォームに分類されます。
ふるさとチョイスは、ふるさと納税によって、地域の特産品などの返礼品を受け取ることができるサービスが有名ですが、それ以外にも、地域の問題解決のために寄付が行えるプロジェクトもあります。
ふるさとチョイスは、政府が主催しており、取り扱っているプロジェクトの出資先は全て自治体です。
そのため、悪質なものや詐欺案件はありませんし、寄付を行うことができる全てのプロジェクトが寄付金控除の対象になります。
参照リンク:https://www.furusato-tax.jp/gcf/
さとふる
ふるさとチョイスと同じように、ふるさと納税で有名なさとふるも地方自治体の寄付型クラウドファンディングを行っています。
ふるさと納税型のクラウドファンディングの場合、仮にプロジェクトの目標額に寄付金が届かなかった場合でも、集まった分だけ全て自治体に寄付されます。
参照リンク:https://www.satofull.jp/projects/top.php
購入型クラウドファンディングサイト10選
日本で最も数が多いのが、購入型のクラウドファンディングです。
お金を出資することで、起案者より商品やサービス、権利のリターンが受け取れます。
個人のクリエイターや企業の新商品の開発や、プロモーションを目的としてプロジェクトが立つことが多いようです。
Makuake(マクアケ)
Makuakeはクラウドファンディングサービスの中でも圧倒的に知名度が高く、耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
1,000万円以上の資金調達を達成した案件も多く、実績も国内トップクラスです。運営は、Amebaブログや、AbemaTVでおなじみのサイバーエージェントグループです。
新商品の企画や、飲食や映画製作の部門に強く、大ヒットしたアニメ映画「この世界の片隅に」も、Makuakeを通して生まれた映画です。
参照リンク:https://www.makuake.com/
CAMPFIRE(キャンプファイアー)
CAMPFIREは「資金集めの民主化」をミッションに、2011年にスタートし、日本のクラウドファンディングプラットフォームの中でも老舗のサービスです。
2018年には、取引総額70億円越え、出資者は70万人以上、プロジェクトの達成件数も15,000件と、購入型クラウドファンディングプラットフォームとして名実ともに日本トップクラスです。
創業から19億円の資金調達にも成功しており、日本のクラウドファンディング業界を牽引する企業として、注目が集まっています。
参照リンク:https://camp-fire.jp/
A-port(エーポート)
A-portは、朝日新聞社が運営をするクラウドファンディングサービスです。
A-portが他のクラウドファンディングサイトと異なる点は、朝日新聞社の関連の媒体でもプロジェクトの情報を発信してもらえる点です。
約80%のプロジェクトは、朝日新聞の紙面やハフィントンポストなどでも掲載され、プロジェクトの発案者にとって大きなメリットとなるでしょう。
参照リンク:https://a-port.asahi.com/
MotionGallery(モーションギャラリー)
購入型クラウドファンディングの中でも、アートやダンス、音楽、本などクリエイティブな案件の支援を得意としています。アメリカの有名クラウドファンディングサイトIndiegogoなどと提携をしており、日米同時にプロジェクトを進行することも可能です。
参照リンク:https://motion-gallery.net/
FAAVO(ファーボ)
FAAVOは地域活性の分野に特化したサービスです。他のクラウドファンディングプラットフォームと異なる点は、全国54地点に支部を置いている点です。
全国に支部を置くことで、より地域密着型の運営を行うことを可能にしています。
発案者は、それぞれ地域を盛り上げたいという思いでプロジェクトを提案しています。
参照リンク:https://faavo.jp/
COUNTDOWN(カウントダウン)
COUNTDOWNは世界進出を目指すプロジェクト向けの、日本語と英語どちらにも対応したサービスです。
元Google Japanの代表取締役が立ち上げており、革新的なものを日本国内だけではなく海外に向けても発信していくことを目的としています。
COUNTDOWNのアドバイザーから成功のためのアドバイスをもらうこともできます。
参照リンク:https://www.countdown-x.com/ja/
Kibidango
Kibidangoの特徴は、他のクラウドファンディングサイトと比べ、案件は少なめですが、成約率がとても高い点が挙げられます。
国内のクラウドファンディングサービスとして初めてYoutubeの公式な承認サイトに選出された実績があります。
その他にも、サポートにも定評があり、利用手数料も10%と他のサイトよりも安く設定されています。規模はアットホームですが、実績やサービスの質の評判が高い優良サイトといえます。
参照リンク:https://kibidango.com/
GREENFUNDING(グリーンファンディング)
TUTAYAの運営で有名なCCCグループ企業ワンモア社が運営をするクラウドファンディングサービスです。
購入型だけではなく、モール型でのクラウドファンディングも選択ができます。
また購入型の場合には、GREENFUNDINGからのサポートのレベルに応じて、手数料が設定されており、サイトの管理まで行うことができれば、手数料は8%と少ない負担で参入ができます。
参照リンク:https://greenfunding.jp/
Kickstarter(キックスターター)
Kickstarterは、世界一の規模といわれているアメリカのクラウドファンディングサイトです。日本のクラウドファンディングサービスの多くも、Kickstarterの仕組みを参考にしています。
Kickstarterでは、目標を達成できれば、日本国内のサイトよりもかなり高額な資金調達ができます。
2017年には日本語版も運営が開始され、日本人も使いやすくなりました。
参照リンク:https://www.kickstarter.com/?lang=ja
Indiegogo(インディーゴーゴー)
Indiegogoは2008年よりサービスを開始し、もKickstarter同様本場アメリカの代表的なクラウドファンディングサービスです。Kickstarterよりも審査がゆるい傾向にあり、気軽にプロジェクトの立ち上げが出来ると言われています。
参照リンク:https://www.indiegogo.com/
ファンド投資型クラウドファンディング4選
ファンド投資型は、支援者は特定の事業に対して投資し、事業の売り上げに対して分配金をもらう仕組みのクラウドファンディングです。分配金以外にも物やサービスのリターンがある場合もあります。
株式投資と同じように、支援した事業がうまくいかなかった場合には元本割れを起こす場合があります。
セキュリテ
投資型クラウドファンィングとして、経済的なリターンを狙いながら、社会問題の解決を目指すプロジェクトに出資ができます。地域問題、貧困問題の救済などを掲げるプロジェクトも多く、投資型でありながら、社会貢献性も追求しています。
1口は数万円から少額投資が可能です。分配金の他にサービスやモノを受け取ることができる特典もあります。
参照リンク:https://www.securite.jp/
KAIKA(開花)
KAIKAは、山口県を中心に地方の若者や女性の起業家を支援する投資型クラウドファンディングで、山口県内21社の共同出資で誕生しました。
地元のスポーツチームや、温泉など地域活性化を目的としたビジネスや、新商品の開発などを支援し、売上から分配金を受け取ることができます。
参照リンク:https://www.kaika-cf.jp/
Sony Bank GATE(ソニーバンクゲート)
Sony Bank GATEはソニー銀行が運営するクラウドファンディングです。
ソニー銀行の審査を通過した新規事業が、ソニー銀行の口座を持つ人から支援を受けることができます。新たなライフスタイルの提案や、世の中の課題解決を目標にしたプロジェクトが多いのが特長です。
国内銀行初のクラウドファンディング運営ということで注目が集まっています。
参照リンク:https://moneykit.net/visitor/sbg/
finan=sense(ファイナンセンス)
“金融と感性”をコンセプトとしており、資金調達×デザインの面から事業者をサポートすることを目的とした特長的なクラウドファンディングサービスです。
海外進出のPRなども支援しています。他のクラウドファンディングサイトと比べてもデザイン性の高いサイトなっています。
参照リンク:http://www.finansense.jp/
株式投資型クラウドファンディング3選
株式投資型は、立案者は支援者に株式を譲渡することで、資本を集めることができ、配当金を還元する仕組みです。
この投資型クラウドファンディングにより、これまで一部のエンジェル投資家やベンチャーキャピタル経由でしか投資ができなかった未上場のベンチャー企業に、一般の人が少額から投資を行うことができるようになりました。
ハイリスクハイリターンではありますが、ベンチャー投資に興味を持っていたけれどルートがなかった人に、新しい投資機会を提供しています。
FUNDINNO
日本初の株式型クラウドファンディングとして、2017年よりサービスがスタートしました。
投資家はオンラインで未上場のベンチャー企業に、年間50万円を上限に投資を行うことができます。投資対象の企業のIR情報などはFUNDINNOのHPから確認することができます。
これまで大口かつ限られたルートでしか行うことができなかった未上場ベンチャーへの投資を可能にした画期的なサービスです。
参照リンク:https://fundinno.com/
GoAngel(ご縁ジェル)
DANベンチャーキャピタル株式会社が2017年より運営を開始し、FUNDINNOに次ぐ、国内2つ目の株式投資型クラウドファンディングサイトです。
GoAngelは最低投資金額が25万円からのものが多く、他のクラウドファンディングサイトと比べても少々高額です。資金に余裕があり、投資上級者、応援したい企業がある場合にはオススメです。
参照リンク:https://go-angel.com/
エメラダ・エクイティ
CEOはゴールドマンサックス出身、取締役にも多くの金融業界出身者がおり、金融のプロ集団が立ち上げたクラウドファンディングサイトです。
投資対象は、未上場起業の株式ではなく、「新株の予約権」となり、応援している企業がIPOやM&Aとなった場合に、リターンが期待できます。
案件はすでにベンチャーキャピタルなどから出資を受けている有望なベンチャー企業のみとなっています。また、特徴の一つに、FUNDINNOやGoAngelと比べて、投資家になるための審査が厳しい点が挙げられます。
参照リンク:https://emeradaco.com/
まとめ
ここまで、クラウドファンディングサイトを23種類ご紹介しました。
一口にクラウドファンディングと言っても、非営利団体への寄付、地域活性化を目指す企業の応援、そして未上場ベンチャーへの投資など、様々な方向性があります。
自分がクラウドファンディングを行う場合には、プロジェクトと親和性があるクラウドファンディングサイトを選びましょう。
また、支援者として参加したい場合には、社会貢献性なのか、投資としてのリターンか、地元を応援したいのか、自分がどんなことを重視しているのかを明確にして、応援先を見つけましょう。