利回りとは?正しく理解しておきたい投資用語の基礎を教えます

2019.03.30 [土]

利回りとは?正しく理解しておきたい投資用語の基礎を教えます

利回りや利率という言葉を聞いたことはあるけれど、説明できるかと言われたら自信がない、そんな方も多いのではないでしょうか。

また、実際に投資を行っている人でも、利回りと利率の違いをよく理解していない場合も多いのです。

本記事では、利回りや利率などの基本的な情報から、実質利回りと表面利回りの違いなどを紹介します。

また、より投資と利回りについて知識を深めるために、金融商品ごとに期待できる利回りの計算についても、確認していきます。

 

利率とは?

利率とは、「元本に対して支払われる、1年あたりの利息の割合」のことを指します。

債券の利率の場合、額面金額に対して、毎年受け取ることができる利率が決まっています。

額面金額が100万円で、年間の利息が3万円の場合、利率は3%ということになります。

 

利回りとは?

金融商品を、複利で運用した場合に得られる利息を、1年あたりの平均額にした数字を利回りと言います。

基本的な計算方法は、先ほどご紹介した利率と同じですが、利回りの場合、投資期間中に起こった金利の変動や、税金などの諸費用を加味した実際の収益率を表します。

 

利回りと利率の違いについて

先ほどご紹介したように、利率は、額面金額に対して毎年受け取ることができる利息の割合を指します。一方で利回りは、額面金額に金利変動の差額、税金等の諸経費を加味した際の、1年分の利息の割合の平均を指します。

そのため、利回りと利率の違いとして、利率は一定で計算式も簡易であることがほとんどですが、利回りは状況によって都度変動が起こる点が挙げられます。

投資を行う際には、利率よりも利回りの方が、実際に手元に残る利益やマイナスを把握しやすいため、利回りを判断基準として重視することをお勧めします。

 

表面利回りと実質利回りの違いについて

利回りには、表面利回りと実質利回りという2種類があります。

表面利回り

投資によって得ることができた利益のみを単純に計算して算出する利回り

計算式:利回り(%)=収益÷元本 ÷運用年数×100

実質利回り

投資によって得た利益に、手数料や税金などの諸費用を加味して算出する利回り

計算式:利回り(%)=(収益−諸費用)÷元本 ÷運用年数×100

投資を行うかどうか検討するとき、期待出来る利回りが、表面利回りを採用して売るのか、実質利回りで考えられているかを確認するようにしましょう。

実際に手元に入ってくる利益は、諸費用を引いた額ですので、基本的には実質利回りをチェックすることをお勧めします。

表面利回りでは良い数字が出ていたとしても、諸費用を加味した実質利回りではマイナスになってしまう投資では意味がありません。

特に多額の諸費用がかかる不動産投資などの場合には、実質利回りに注意をしなければなりません。

  

【事例】金融商品ごとの利回り計算

 利回りを具体的に理解するために、金融商品ごとの利回りの計算式と、例をご紹介します。

基本的な利回りの計算方法や考え方は同じですが、金融商品の特性によって計算式が異なるので、少々ややこしいのですが、丁寧に見ていけば計算自体はとても簡単です。

国債

国債とは、国が資金調達のために、債券を発行し投資家からお金を集めるための仕組みです。

投資家は決まった金利を半年に1回受け取ることができます。国債には満期があり、満期になると投資家に元本が戻ってきます。国がなくならない限り元本割れしないと言われており、安全に資産運用がしたい人に人気の投資方法です。

国債には、「額面価格」と「価格」の2つの値段の概念があり、利回りを計算する際には、この2つについて理解しておくことが必要です。

「額面価格」はその国債が満期になった時に受け取ることができる価格、「価格」は、国債を売買する時の実際の値段です。

「額面価格」は100円でも、「価格」が99円というように、額面価格と価格に差額が発生することがよく起こります。また国債の金利は、額面金額に対して決められており、額面金額に対して1%と決まっていれば、購入した価格がいくらであっても金利は1%です。

これを踏まえて、金利1%、額面金額100円の国債を99円で買った時、保有期間が5年の場合の利回り計算は、以下の手順になります。

利回り=①1年あたりの額面100円に対する利益÷②額面100円あたりの購入価格×100

1年あたりの額面100円に対する利益

1年あたりの額面100円に対する利益は以下のAとBの合計で算出します。

A:1年の利息を計算
計算式:1年あたりの利息(円)=額面金額×金利

額面金額100円×1%(0.01)=1円

B:額面価格−価格÷保有期間=1年あたりの利益または損失
(100円−99円)÷5=0.2(円)

AとBの合計 1.2(円)

額面100円あたりの購入価格は99円です。

これを最初の利回りに当てはめます。

利回り(%)=①1年あたりの額面100円に対する利益÷②額面100円あたりの購入価格×100

1.2÷99×100= 1.21%

これで利回りが1.21%だとわかりました。これが国債利回りの計算方法ですが、個人で計算するのは少しややこしいので、財務省のHPや証券会社のHPの利回りシミュレーションを参考にすると良いでしょう。

参照リンク:https://www.mof.go.jp/jgbs/individual/kojinmuke/simu/

 

株式投資

株式投資は、配当で利益を得ることができるパターンと、売却益によって利益を得るパターンがありますが、ここでは配当の利回りを説明します。

ある会社の株式を所持していると、年に2回、株主は配当金を受け取ることができます。

配当金の利回りを計算する場合、通常一株あたりの数値を算出します。

計算式:配当利回り=年間配当金額(一株)÷購入金額(一株)×100

例えばある会社の株を一株2000円で購入し、年間配当(2回分)が一株100円だった場合、100÷2000×100=5(%)で年間配当利回りは5%となります。

配当金を、どれくらい株主に還元をするかは企業次第で、配当利回りの平均値は2%前後と言われています、高いと7%を超える配当利回りとなっている企業もあります。

ちなみに、売却益を狙った株式投資は、売り時・買い時を日経平均やその会社の決算状況などを常に確認して判断しなければなりませんが、配当金狙いの投資は保有しているだけで、利益を出すことができます。利回りはそこまで高くありませんが、手間をかけずに安定して資産を増やしたい場合にお勧めです。

 

投資信託

投資信託は投資家から集めたお金を、運用のプロ(ファンドマネージャー)が株などの複数の商品で運用する方法の投資です。投資家は、口座を開いてお金を預けるだけで運用をしてもらえるため、特に投資初心者に人気が高い投資方法です。

投資信託を選ぶ際にも、利回りを判断基準にする人が多いです。投資信託の利回りを計算するとき、株式投資と比べて、投資家が負担をする諸費用の種類が多い点に、注意しなければなりません。

諸費用は以下の3つに税金を足したものになります。

購入時手数料:投資信託を買うときにかかる手数料

信託報酬:運用管理費用 運用中毎日徴収され、販売会社、運用会社、受託会社に支払われます

信託報酬留保額:投資信託を換金するときの手数料

投資信託の利回りの計算式は、基本的に以下となります。

計算式:利回り(%)=(売却損益+分配金―購入時の手数料―信託報酬―信託報酬留保額―税金)÷元本÷運用年数×100

手数料や信託報酬などはファンドによって異なります。投資信託を始める際に手数料率を確認しましょう。

 

不動産

不動産の賃貸経営を行う際には、実質利回りを用いることで投資効率や実際の利益を精度高く把握することができます。

賃貸経営はどうしても様々な経費がかかります。管理会社への報酬、税金、マンション1室の場合には修繕積立金なども必要です。

マンション1室で賃貸経営をしている場合で、年間の家賃収入が120万円、必要経費が年間で30万円、そのマンションの購入金額が1800万円の場合、実質利回りを計算してみましょう。計算式は以下です。

計算式: 実質利回り(%)=(年間家賃収入―年間必要経費)÷不動産購入金額×100
(120-30)÷1800×100=5(%)

この時5%が、諸経費を引いた実質利回りとなります。

もしも、この物件を諸経費を加味せずに、表面利回りを計算すると、6.6%となります。諸経費を入れないと、1.6%も差が出てしまうので注意が必要です。

不動産投資を行う際には、不動産販売会社に魅力的な利回りが期待出来る物件を紹介されたとしても、それが表面利回りなのか、実質利回りなのか確認をすることが大切です。

実際の投資効率を確認するためには、必ず実質利回りを計算しましょう。

 

まとめ

利回りについての基本知識と、投資商品ごとの利回りの基本的な計算式をご紹介しました。

国債を除いて、金融商品の利回りは最初から決まっているものではなく、株式の場合は会社の業績、市場の動きや、国内外の政治的な動きに影響を受けて変動するものです。

投資を始める際に、利回りを完璧に予測をすることは難しいものですが、概念を理解して大方の予測をしておくと、損をする可能性を減らすことができます。

また、投資商品の多くは、長期で保有をした方が複利での運用が可能となり、利回りが良くなる傾向があります。できるだけ長期的な目線で運用をすることがお勧めです。

この記事をシェア