ネットバンキングの魅力とその安全性

2019.03.23 [土]

ネットバンキングの魅力とその安全性

2000年代になってから普及したネットバンキングサービス。まだ使ったことがないという方でも、金利などのメリットについて耳にしたことがあるのではないでしょうか。

今更聞けないネットバンキングの基本的な情報からメリット、セキュリティ性などを解説します。

 

ネットバンキングを理解しよう

ネットバンキングは、インターネット上で金融取引を行うことができるサービスです。

銀行やATMに行くことなく、振り込みや残高の照会、金融機関によっては定期預金などの取引を行うことが可能です。

PCやスマートフォンがあれば、どこからでも24時間365日利用ができるのが、最大の特徴です。

インターネットのみで営業を行うネット専業銀行の他、都市銀行や地方銀行でもネットバンクサービスが展開されています。

 

ネットバンキングの仕組み

インターネット上でサービスを提供する新しい銀行の形

先ほどご紹介したように、ネットバンクは、サービスのほとんどの部分をインターネットで提供しています。

従来型の都市銀行や地方銀行は本店に加えて地域ごとに支店を構えて営業を行っているのが一般的です。さらに、街角に銀行のATMが設置されている光景もよく見かけます。

比べて、ネットバンキングは店舗やATMを持たない業態のため、運営のコストを従来の営業スタイルに比べて大幅に削減することができます。

後ほどご紹介しますが、ネットバンキングのメリットには金利の高さが挙げられます。これは、店舗を持たずに運営コストを削減した分を、金利に上乗せして利用者に還元できる仕組みになっています。

入金や出金について

ネットバンクの場合、基本的には独自のATMや店舗が存在しないために、入金を行う場合には、提携の金融機関のATMから現金を入金することになります。

口座を作った際にキャッシュカードが自宅に郵送されてきますので、それを利用して他行のATMを利用する形になります。

また、他の銀行口座から振り込みという形でネットバンクへお金を移動することもできます。

現金を引き出したい場合には、ネットバンクのキャッシュカードを使い、コンビニエンスストアや提携する銀行のATMから取引を行うことになります。

 

ネットバンキングを利用するメリット

メリットは大きく分けて利便性、金利の高さ、そして安い手数料の3つです。それぞれの詳細を解説していきます。

インターネットから取引ができることの利便性

ネットバンキングのメリットとして最初に挙げられるのは、なんといってもインターネットで取引が完結する利便性です。

PCやスマートフォンからいつでも残高が確認できる点や、振り込みが行える点が魅力です。

一般的な金融機関の窓口やATMでは、営業時間内でしか受付が難しい振り込み対応も、ネットバンクによっては振り込み情報がリアルタイムで反映されるサービスが存在します。

魅力的な金利

ネットバンキングは、都市銀行や地方銀行に比べて、金利が高いことも大きな特徴です。

都市銀行や地方銀行の場合、現在の定期預金の金利は、多くが横並びで0.010%ほどになっています。

100万円を預けて、1年後につく金利が100円ということですので、お世辞にも金利が高いとは言えない状況です。普通預金の場合はさらに低く0.001%となっています。

一方で、ネットバンキングの定期預金の金利は、銀行によって多少の差はありますが、1年定期で0.03%〜0.20%と都市銀行や地方銀行と比べて高い水準にあることが特徴です。

オリックス銀行やSBJ銀行、住信SBIネット銀行が1年定期で0.20%とネットバンクの中でも最高水準の金利となっています。この場合、100万円を1年定期で預けると、金利は2,000円となり、都市銀行の金利の20倍となります。

3年定期や5年定期の場合にはさらに高い金利での運用が可能です。

手数料が安い

手数料が安い点も、ネットバンクを利用することの一つのメリットと言えます。

例えば、振り込み手数料は銀行の窓口で行う場合600〜800円となります。ATMを利用して振り込み取引を行っても、200〜400円ほどが相場でした。

一方で、ネットバンクの場合は0〜300円ほどで設定されていることが多く、全体的に安い金額で設定されています。

さらに、ネットバンクは同行内であれば無料で振り込みが行える銀行が多い上、他行であっても1〜3回であれば無条件に振り込み料金が無料になるネットバンクが増えています。

さらに口座の利用状況によって、他行へ無料で振り込みを行うことができる回数が増えるサービスを行なっているネットバンクがあります。

例えば住信SBIネット銀行であれば、前月の取引状況によって他行への無料振り込み回数が月1〜15回の間で変動する仕組みになっています。

数百円といえども、振り込み手数料は馬鹿になりませんよね。手数料が安い、もしくは無料にできる点は、ネットバンキングの大きなメリットでしょう。

 

ネットバンキングのセキュリティ対策

ネットバンキングは便利だと感じる反面、インターネット上で管理されている特徴から、そのセキュリティ性が気になる方も多いのではないでしょうか。

ネットバンクが行うセキュリティ対策

金融サービスをオンライン上で行うためには高いセキュリティ性が必要不可欠です。当然、各ネットバンクは安全対策に力を入れています。

例えば、多くのネットバンクは口座へのログインが行われた際や取引が行われた際に、顧客の登録メールアドレスに通知メールが送信されるようになっています。これによって、身に覚えのないログインや取引に気づくことが可能です。

さらに新生銀行や住信SBIネット銀行のように、セキュリティカード(乱数表)を顧客ごとに配布し、パスワードと併せてセキュリティカードに記載されているアルファベットや数字を入力しないとログインや取引ができない仕組みを取り入れているネットバンクもあります。

また、万が一の際に被害を補償できるよう、多数のネットバンクが口座の不正使用保険に加入しています。保険料はネットバンク側で負担をしています。

個人が気をつけるセキュリティ対策は何があるか

ネットバンクを利用する顧客側も、自分の資産を守るためにセキュリティ面に気をつけておくに越したことはありません。

例えば、ネットバンクによってはワンタイムパスワードが設定できるようになっています。

このワンタイムパスワード設定は、必ずオンにしておきましょう。ワンタイムパスワードとは、取引の際に1回限りのパスワードを発行し、取引の安全性を高める方法です。パスワードは登録したメールアドレスに送信されます。

また、ウィルス対策ソフトで日頃からPCのセキュリティ性を高めておくことも重要です。

PCがウィルスに感染してしまったことで、情報を抜き取られ不正送金が行われてしまう事例が後を絶ちません。必ずPCのOSやウィルス対策ソフトを最新版にアップデートし、安全性を高めておくようにしましょう。

 

ネットバンキングが利用できる銀行

日本では2000年に初めてのネットバンクであるジャパンネット銀行が誕生しました。その後多くのネット銀行が追随し、既存の大手銀行もネット分野に参入し、ネットバンキングが普及してきました。

ネットバンキングが利用できる銀行はインターネット専業で行うネット銀行と、おなじみの都市銀行のネットバンキングサービスの2種類の形態があります。

ここでは、ネットバンキングが利用できる銀行をご紹介します。

 <インターネット専業>

・楽天銀行
楽天グループの楽天銀行は、楽天証券と口座を連動すれば、金利が優遇され普通預金が年0.01%となります。楽天グループならではの特徴として、振り込みなどを行うと、楽天市場で利用できる楽天スーパーポイントが貯まります。

・住信SBIネット銀行
1年間の定期預金の金利が0.2%と最高水準となっている点が魅力です。SBI証券の証券口座と連動させ「ハイブリッド預金」となり、普通預金が年0.01%と金利がアップします。

・ジャパンネット銀行
日本で最初にできたインターネット専業銀行です。近年はセキュリティ面に力を入れている点が特徴です。例えば、1分おきに新しいパスワードを作成する「トークン」機能を取り入れており、不正アクセスを防ぐことが可能です。万が一、キャッシュカードが盗難に遭ったときのための「キャッシュカード盗難保険」なども取り入れています。

・イオン銀行
イオングループに属するイオン銀行は、ATMが全国に約6,000台設置されており、現金化がしやすい点が他のネットバンクと差をつけています。さらにATM手数料は24時間365日無料となっています。

<都市銀行が行うネットバンキングサービス>

・三菱UFJ銀行
ネットバンキングの名称は、「三菱東京UFJダイレクト」となっており、ネット経由の場合は振り込み手数料などが優遇されています。

・三井住友銀行
「SMBCダイレクト」というサービスを提供しています。セキュリティ面では「トークン」を導入し、安全性に力を入れています。

・みずほ銀行
「みずほダイレクト」としてネットバンキングを提供し、インターネット上の取引の場合は手数料が優遇されています。みずほ銀行のマイレージサービスと組み合わせて利用すればよりお得になります。

・ゆうちょ銀行
ゆうちょ銀行の「ゆうちょダイレクト」では、ゆうちょ銀行同士であれば、送金が即時に反映される点が特徴です。

 

 

まとめ

ここまで、ネットバンキングの仕組みやメリット、セキュリティ面などをご紹介しました。

日本政府は2019年現在、キャッシュレス化の推進に力を入れています。東京オリンピックも控えており、今後キャッシュレス化はますます普及していくでしょう。

それにより、キャッシュレス化と相性の良いネットバンキングサービスも、さらに活用されていくと考えられています。

ネットバンキングサービスにはお得なメリットもたくさんあります。まだ使ったことがない方も、自分に合うネットバンクを見つけて口座を開設してみると良いのではないでしょうか。

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