セキュリティを守る有向非巡回グラフのメインチェーン

2019.06.02 [日]

セキュリティを守る有向非巡回グラフのメインチェーン

データ改ざんにも強い!次世代ブロックチェーン「有向非巡回グラフ」

有向非巡回グラフという新しい理論技術を用いた仮想通貨、DAG型暗号通貨が今注目を集めています。

以前よりあったブロックチェーンを用いた仮想通貨よりも、セキュリティの観点からも優れている点が、評価されているようです。

データ改ざんに対応できるメインチェーンの仕組みを中心に、有向非巡回グラフを解説します。

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※注 現在は「仮想通貨」を「暗号資産」に呼称変更されておりますが、本記事では一般に定着・浸透している名称の仮想通貨で記載しております。
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有向非巡回グラフ技術を用いた仮想通貨がDAG型暗号通貨

有向非巡回グラフとは、仮想通貨に用いられているグラフ理論またはその図で示される技術のことで、繋がりを一方通行かつ出発地点に帰ってこない図で示すことが可能です。

トランザクション(取引データ)を有向非巡回グラフを用いて管理している仮想通貨を、DAG型暗号通貨といいます。

 

有向非巡回グラフの仕組みの一つであるメインチェーンとは?

有向非巡回グラフでの取引では、生成済みのトランザクション(取引データ)を承認し、かつ自分が生成したトランザクションが承認されなければ取引が完了しません。

もう少し厳密に言うと、自分が生成したトランザクションに対して、その後に生成された複数のトランザクションから一定数の承認を受けると、自分の取引が完了となります。

自分が生成したトランザクションAが、その後生成されたトランザクションBとCに承認されたとします。

さらに、BはトランザクションDとEから承認され…と繋がっていくと、トランザクションAに対して、いくつものトランザクションが間接的にAを承認している、ということもできるのです。

メインチェーンには承認が厚く繋がっている

DAG型暗号通貨のByteballでは、自分が選択した12人のWitness(承認者)から、トランザクションの承認をうける必要があります。

そして、この12人のうちの7人のトランザクションが、自分が生成したトランザクションを承認すれば取引完了となります。この時の自分と7人のWitnessのトランザクションの繋がりが、メインチェーンです。

有向非巡回グラフにおけるメインチェーンとは、このようにたくさんの承認がついたトランザクションの繋がり(チェーン)のことをいいます。

 

データ改ざんに対抗できるメインチェーンの仕組み

ここで途中のトランザクション(取引データ)Gが改ざんされたとします。

Gは、後に生成されたトランザクションHとIからの承認を受けることはありません。

さらにHも後に生成されたトランザクションJとKから承認されず…ということを繰り返していくので、Gが改ざんされたことがすぐにわかるようになっています。

有向非巡回グラフでは、承認が厚く繋がっているメインチェーンがあることで、逆に改ざんされたトランザクションが見つけやすくなっているともいえます。

 

有向非巡回グラフはユーザーが多いほどセキュリティが強化される

有向非巡回グラフを用いたDAG型暗号通貨は、その仕組みにより改ざんをすぐ見つけることができるので、セキュリティ対策に優れています。

ですが、そのメリットが効果を十分に発揮するには、その仮想通貨を利用するユーザーが多くいる必要があるのです。まだ始まったばかりであるDAG型暗号通貨の、これからの動向にも注目したいところです。

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