新技術「DAG」は、取引データがどのように処理される?

2019.05.30 [木]

新技術「DAG」は、取引データがどのように処理される?

ブロックチェーンに変わる、新たな技術「DAG」について

昨今、ブロックチェーンに取って代わる技術として、「DAG」の有用性が技術者の間で話題となっています。

DAGとは、日本語にすると「有効非巡回グラフ」です。専門的な言葉なので、これだけではスムーズに理解することができないでしょう。DAGの簡単な仕組みや、ブロックチェーンとの違い・メリットについて解説していきます。

 

ブロックチェーンとの違い

ブロックチェーンでは、取引データが一つのブロックにまとめられ、その一つ一つのブロックがチェーン状につながっていくことで管理されています。

従来は、一部の中心となる期間や個人が情報を管理する中央集権でしたが、ブロックチェーンでは不特定多数の人々がお互いに取引データを管理し合う「非中央集権」のシステムです。

一方で、「DAG」は、ブロックが繋がっている点は、ブロックチェーンと同様ですが、ブロックに繋がっている前後のブロックの数が違います。

ブロックチェーンでは、一つのブロックに対し、前後に一つずつブロックが繋がっています。ブロックが糸のように絡みあっているのをイメージすると、理解しやすいでしょう。

 

DAGの優れているポイント

DAGでは、取引データを糸のようにブロックを絡めてお互いに管理することで、主に2つのメリットがあります。

1つ目は、送金手数料が安いことです。

ブロックチェーンでは、「マイナー」が取引データを承認します。そのため、マイナーらに承認の手間代として、手数料が発生するため、送金手数料がかかってしまいます。

一方で、DAGは、マイナーを必要としないため、その分手数料が安く済むのです。

2つ目は、スケーリングに優れていることです。

ブロックチェーンの場合は、一つのブロックに収めることのできるデータ量に限りがあるという問題点があります。

そのため、ブロックチェーン技術を使ったビットコインでは、しばしば送金詰まりが発生していました。一方で、DAGの場合、糸のようにブロックを繋げることで、より多くの取引データを処理することができます。

 

DAGはブロックチェーンの代替となる新技術なのか

DAGは、ブロックチェーンに取って代わる、新たな取引データの管理システムですが、まだまだ歴史は浅く、信頼されていないことも事実です。

すでに、DAGを採用した仮想通貨が開発されていますが、今後はもっと増えていくでしょう。

新技術DAGを使ったサービスや仮想通貨に対して社会はどのように反応するのか、また、新たにデメリットが発見されることはあるのか、今後の動きに目がはなせません。

この記事をシェア

TAG 関連タグ