ブロックチェーンに変わる新技術
近年、ブロックチェーン技術が世間に浸透しつつある中で、ブロックチェーン技術にとって変わるかもしれない「DAG」という新技術の有用性について、騒がれています。
DAGとは、日本語で「有向非巡回グラフ」です。これだけでは、理解するのが難しいでしょう。
DAGの概要、そしてどのようにデータを管理するシステムなのか、順を追って説明していきます。
DAGとは?
簡単に説明すると、DAGは、ブロックを前後に繋げ、データを管理します。ブロックチェーンの場合は、その名の通り、データの入った各ブロックがチェーン状に繋がり、データ管理が行われていますが、各ブロックは1つずつです。つまり、DAGは2つ・3つと複数のブロックが前後に繋がっているのに対し、ブロックチェーンでは前後のブロックは1つずつという違いがあります。
DAGは何が優れているのか
DAGの優れているポイントは、スケーリングです。スケーリングに優れていることで、より多くの取引を処理することができます。ブロックチェーン技術を採用しているビットコインの場合、スケーリングに限りがあり、一回の取引で数分かかる場合もあります。一方で、DAGの技術を使った場合、一回あたりの取引にかかる時間はほんの数秒です。
DAG型の仮想通貨について
DAGを採用した仮想通貨は少ないですが、いくつか存在します。DAG型の仮想通貨の特徴は、送金手数料のの安さ(ほぼ無料に等しい)です。
その背景としては、ブロックチェーン型の仮想通貨だと、取引の承認を行う「マイナー」に報酬が支払われますが、DAG型は「マイナー」が必要ないため、その分取引手数料が安くなるということが挙げられます。
また、通貨が発行済という特徴もあります。上記で説明したように、DAG型の仮想通貨は新規発行し、「マイナー」に報酬が支払われる訳ではなく、全ての通貨が発行済なのです。
DAG型の仮想通貨ブロックチェーン技術を使った仮想通貨と比べると歴史が浅いため、まだまだ信頼性に欠けることは事実でしょう。
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※注 現在は「仮想通貨」を「暗号資産」に呼称変更されておりますが、本記事では一般に定着・浸透している名称の仮想通貨で記載しております。
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DAGはブロックチェーンの代替技術となるのか
DAGは、ブロックチェーン問題を解決する技術としての将来性があります。
その一方で、技術に対して、社会からの理解は不十分で、まだまだ信頼されていません。DAGのデータ取引技術を採用した仮想通貨もいくつかありますが、懸念点があるのも事実です。
DAGはどのようにブロックチェーンで足りない部分を補っていくのか、DAGを採用した仮想通貨の新たな動きに注目していきましょう。DAGは、ブロックチェーン技術を代替する可能性を秘めた、大きな可能性に満ちています。