有向非巡回グラフ(DAG)の仕組みとは?取引ユニットの流れを解説

2019.05.15 [水]

有向非巡回グラフ(DAG)の仕組みとは?取引ユニットの流れを解説

仮想通貨の新しい技術理論である有向非巡回グラフ(DAG)

新しい仮想通貨であるDAG型暗号通貨に用いられる、有向非巡回グラフ(DAG)技術理論が今注目されています。

以前からあったブロックチェーン技術に比べ、多くの取引処理を実行できたり、手数料がかからなかったり(または安い)という点で優れている技術です。

まだあまり知られていない有向非巡回グラフのことを、取引ユニットの解説を中心に紹介します。

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※注 現在は「仮想通貨」を「暗号資産」に呼称変更されておりますが、本記事では一般に定着・浸透している名称の仮想通貨で記載しております。
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有向非巡回グラフ(DAG)は取引ユニットの追加と承認によって成り立っている

有向非巡回グラフ(DAG)技術理論とは、どういったものなのでしょう?

DAGとは、個々のユーザーの取引ひとつを収納したデータの単位を取引ユニットと呼び、これがループすることなく繋がっていく仕組みです。

DAG技術を用いた仮想通貨は、DAG型暗号通貨と呼ばれます。 有向非巡回グラフで新しい取引を始めるときには、取引ユニットを生成し、かつ過去のすでに生成済みの取引ユニットを承認する必要があります。

過去の取引ユニットは有向非巡回グラフの伸びとともに複数回承認されることになり、DAG型暗号通貨自体の信頼性が高まっていくことにもつながるのです。

 

有向非巡回グラフ(DAG)での取引の手順とは?

複雑に思われがちである、有向非巡回グラフでの取引の手順を、取引ユニットの生成・承認などの流れを中心に説明します。

手順1.新しい取引ユニットの生成

あるユーザーAがユーザーBに送金取引をするとしましょう。Aはまず、送金額と送金相手などの内容を入れた取引ユニットと呼ばれるものを作成します。

手順2.過去の取引ユニットの承認

ここで、Aは過去の取引ユニットのうちから、まだ未承認のユニットを承認する必要があります。有向非巡回グラフの取引では、この手順を踏まないと自分の取引が完了できない仕組みになっているのです。

ちなみに、以前から仮想通貨の取引に用いられていたブロックチェーン技術では、承認者が別にいたので手数料を払う必要がありましたが、有向非巡回グラフ技術においては、承認は取引をするユーザーが行うので、手数料がかかりません。

手順3.承認されて残る取引ユニット

この段階でAの取引ユニットは未承認の状態ですが、他のユーザーが別の取引をすれば承認を受けた取引ユニットになります。ここまで終われば、Aの取引が完了です。

このあともAの取引ユニットは残りつづけ、この先に他の取引ユニットが承認によって連なっていくので、時間が経つにつれ間接的なAの取引ユニット承認数が増えていくともいえます。

 

登場したばかりの有向非巡回グラフの取引にはメリットもデメリットもある

有向非巡回グラフの取引では、取引の承認は後にできた別の取引ユニットが行うので、多量の取引が発生しても、ブロックチェーンのように承認者が手一杯になることがなく処理ができる、というメリットがあります。

ですが逆に言えば、この取引ユニットの承認が行われるかはユーザー数の多さに依存するところがあり、取引の実行時間の長さが不安定であるともいえます。有向非巡回グラフ技術での取引の今後に期待したいところです。

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