新技術「DAG」、取引データを分散させるクラスターとは?

2019.05.14 [火]

新技術「DAG」、取引データを分散させるクラスターとは?

取引データを分散させるクラスターとは?

新技術「DAG」とは、「取引データを分散させて管理するクラスター」の一種です。

ここでいうクラスターとは、個別のコンピュータのデータをつなぎ、情報を統合することで、運用や処理を円滑に行うシステムのことを指します。ブロックチェーン技術も、DAGと同様、分散型のクラスターです。

当記事を通して、クラスターとしてDAGはどういったものなのか、DAGのメリットやデメリットについて解説します。

 

新技術「DAG」とは?

ブロックチェーンに取って代わる新技術として、DAGが昨今、話題になっています。

DAGと、Directed Acyclic Graphの略称です。日本語にすると、「有向非巡回グラフ」となります。難しい用語ですが、データの詰まったブロックが複数絡みあいながら、太い一本の線を形成し、情報を管理するクラスターです。

複数の糸が絡まっている様子をイメージすると、理解しやすいでしょう。

 

DAGのメリット

DAGというクラスターを利用することは、ブロックチェーンに勝る2つのメリットがあります。

1つ目は、送金手数料が安くなることです。ブロックチェーンの場合だと、「マイナー」が取引データを承認することによって、データの信頼性が保たれています。

マイナーへの手間代がかかるため、手数料が自ずと高くなってしまうのです。一方で、DAGは、マイナーを必要としないため、手数料が安く、ほとんどタダといえます。

2つ目は、スケーリングに優れていることです。ブロックチェーンの場合は、すでに説明したように、マイナーが過去のデータを承認します。

しかし、情報量が増えてくると、マイナーは処理しきれなくなり、承認が滞ってしまいます。

一方で、DAGには、マイナーが必要ないため、承認が滞るなどのスケーリングの問題が発生しません。

 

DAGのデメリット

DAGはブロックチェーンを代替する新技術であると言われていますが、デメリットがあるのも事実です。DAGのデメリットは、2つ挙げられます。

1つ目は、中央集権的な要素があることです。ブロックチェーンの場合は、中央管理者が存在させずに、お互いを管理し合う「分散型台帳」と呼ばれています。非中央集権です。

DAGも将来的に非中央集権のシステムを目指しているものの、DAG型の仮想通貨の中には、中央集権的な仕組みが残っています。

中央集権は、銀行をはじめ、従来の管理体制の大きな要素であるため、デメリットといえるでしょう。

2つ目は、歴史が浅いことです。ブロックチェーンと比べると、DAGは歴史が浅く、技術としていまひとつ信頼性に欠けることは事実でしょう。

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※注 現在は「仮想通貨」を「暗号資産」に呼称変更されておりますが、本記事では一般に定着・浸透している名称の仮想通貨で記載しております。
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DAGという新たなクラスター、将来性はあるのか

DAGは、ブロックチェーンより優れているメリットがありますが、一方でデメリットがあるのも事実。

ブロックチェーンとDAG、双方の優劣を見極めた上で、今後の事業や投資に役立ててください。

果たして、今後は、DAGを採用するサービスや仮想通貨は増えていくのでしょうか。

それとも、また新たな技術が開発されるのでしょうか。DAGに関する、今後の新たな動きに注目です。

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