2020.06.12 [金]

スマートコントラクトとは?今更聞けない基礎知識編

 

革新的な技術として注目されるブロックチェーン技術ですが、さらに大きな付加価値をもたらしているのが「スマートコントラクト」というプログラムです。

どのような仕組みや役割を持っているのか、詳しく見てみましょう。

スマートコントラクト=契約の自動執行プログラム

スマートコントラクト(Smart Contract)は、ブロックチェーン上で契約を自動的に行うプログラムのこと。
直訳すると「賢い契約」という意味で、暗号資産ではイーサリアムをはじめ、ネオやオーガーなど多くのプロジェクトに実装されています。

ブロックチェーンはデータが改ざんされにくく、安全・確実に保管していくための信頼性が高い技術として知られています。
どのような条件を満たせば契約が行われるのかを決めておき、契約が自動的に実行されるようにプログラミングすることで、契約にかかる手順を短縮することが可能です。

スマートコントラクトで契約を実行すると、ブロックチェーンにそのデータが記録されていくため、契約がどのように行われたのかがわかりやすく、改ざんされるおそれもありません。
つまり、スマートコントラクトはブロックチェーンと切っても切り離すことができない関係にあります。

スマートコントラクトが実行される仕組みとは

スマートコントラクトは自動的に契約が執行されるプログラムであるため、特殊なプログラミング言語を使ってプログラムを組む必要があります。

「料金分の硬貨を入れてボタンを押す」という条件を満たすと、選んだ商品が出てくる自動販売機をイメージするとわかりやすいでしょう。店頭で買い物をするときのように、店員という仲介者がいなくても自分と機械の間で条件を満たした契約が行われることになります。このように、取引の仲介者がいなくても契約(取引)が自動的に行われるのが、スマートコントラクトの仕組みです。

マートコントラクトの実用例とは?

スマートコントラクトの活用例として挙げられるのが、Dapps(分散型アプリケーション)です。
特定の管理者がいなくても自律的に動作をするアプリのことを言いますが、Dappsにはゲームやウォレットアプリなどさまざまなものがあります。

ゲーム内ではユーザー同士でのアイテム交換などが行われますが、Dappsはスマートコントラクトを利用するため、管理者がいなくてもブロックチェーンに取引が記録されます。ブロックチェーンとスマートコントラクトが利用されていることで安全性・透明性が高く、不正が起こりにくいのです。

スマートコントラクトのメリットとは

一般的な取引の場合、顔の見えない相手とやり取りを行うリスクがあったり、なかなか送金されなかったりなど詐欺的なリスクがあります。
スマートコントラクトは条件を満たせば契約が自動的に行われるため、もし取引を行う相手が不正な行為を行った場合、その条件が満たされないことになります。すなわち、取引は行われません。

つまり、取引を行う相手が誰であっても、スマートコントラクトとブロックチェーンがその信頼を担保してくれるということです。

取引の透明性が高くなり、トラブルが極めて起きにくくなるメリットがあります。さらに、取引に関わる仲介者が不要となるため、手数料が大きく削減できるというメリットも。銀行を介した振込(取引)の場合、仲介者となる銀行が取引の安全性を保証してくれるため、銀行に対して振込手数料を支払います。しかし、イーサリアムのスマートコントラクトを利用した場合、仲介者となる人物がいないため手数料はいりません。
かわりに、ネットワークを維持するためのノード(ネットワークに参加する人々)や、スマートコントラクトを実行するための燃料として手数料が支払われます。

マートコントラクトのデメリット

一方、スマートコントラクトを実装しているプラットフォームによってデメリット・課題が残されています。
たとえば、イーサリアムのスマートコントラクトはプログラミング言語に「Solidity」が使われていますが、難易度の高いプログラミング言語のため一般的ではありません。イーサリアムのスマートコントラクトが広く活用されるためには、Solidityを理解する人が増える必要があります。

また、契約内容をいったん決めると変更が難しいこともデメリットのひとつ。
もし契約内容に間違いがあった場合、修正が難しくなってしまうからです。スマートコントラクトには大きなメリットがある一方、課題も山積しています。

 

改良型スマートコントラクトの登場にも期待

イーサリアムを代表する「スマートコントラクト」ですが、サイバーマイルズ(CMS)の「スマートビジネスコントラクト」のように、他のプロジェクトにおいて改良型も登場しています。

より実用的なスマートコントラクトの登場も期待されていますが、今後の実生活にどのように関わってくるのか、より改良されたスマートコントラクトの開発が待たれるところです。

 

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