2020.04.15 [水]

暗号資産などでおなじみのブロックチェーンとは?今更聞けない基礎知識を紹介します

暗号資産などにあるブロックチェーンを最初から学びたい人のために、基礎知識を紹介します。ブロックチェーンは「分散型台帳」とも呼ばれ、新時代の技術として注目を受けているので、その定義や魅力などを解説します。

ブロックチェーンの意味や仕組みとは?

ブロックチェーンは「分散台帳」とも呼ばれる新時代のデジタル技術。もともとは暗号資産であるビットコインの開発にともなってできたシステムです。

暗号資産の取引などによる一定のデータがひとつのブロックにまとまり、各ブロックが鎖でつながるように連続するイメージから「ブロックチェーン」という呼び名がつきました。

ブロックチェーンは、管理を一手に引き受ける組織がない非中央集権型のシステムです。世界中のユーザーがデータを共有でき、各々でひとつのデータを管理する仕組みです。

台帳システムの一種として暗号資産に限らず、幅広いビジネス分野に役立っています。暗号資産以外にも商品の在庫管理や工場の稼働データなど、さまざまなものを記録するシステムとして活躍しています。

 

ブロックチェーンのメリット2つ

ブロックチェーンの基礎知識を学ぶには、2つのメリットがポイントです。

1つ目は、分散管理システムの性質上、正確かつ簡単な情報共有で管理コストが安くなることです。ブロックチェーンを使ったシステムに関わる全員がデータを見られるので、ビジネスの現場でも複数の事業者による連携を行いやすくなります。

2つ目は改ざんなどの犯罪に強いことです。ハッシュ値などの複雑なシステムを使っているためハッキングが困難であり、セキュリティに優れた仕組みです。

ブロックチェーンにおける2つのメリットを詳細に解説します。

分散管理によりシステムの維持コストが安くなる

ブロックチェーンの保存や管理は、ネットワーク内のあらゆる機器で使えるため、特定のグループによる一元管理よりもコストが安くなると言われています。

一元管理の場合は、システムの管理やそれを担うスタッフなどへの人件費などでコストが高くなりがちです。しかし、世界中どこからの機器でも管理できれば、維持コストを削減できます。

暗号資産のビットコインの送金手数料を安く済ませられるのも、分散管理のおかげです。ビットコインの投資家をはじめ、世界中のあらゆる人たちが管理の役割をシェアするので、コストを抑えての運用ができます。

以上から、ブロックチェーンはローコストでのデータコントロールができる点で注目を受けています。

改ざんを受けづらい仕組みなので犯罪対策にもなる

ブロックチェーンは改ざんなどの不正行為を防ぎやすい仕組みです。

データを保存するブロック同士をつなぐものは、「ハッシュ値」という特殊な文字列でできています。ハッシュ値は常人には理解できないほどの高度な計算で成り立っています。

それぞれ異なるハッシュ値がブロック同士を鎖のようにつないでいます。ブロック内のデータを書き換えると、ハッシュ値が変わります。ブロックチェーンは分散管理で世界中のユーザーがチェックできるため、ハッシュ値の異変はすぐにバレます。

ブロックチェーンはハッカーによる侵入が困難なほどセキュリティレベルが高いことがポイントです。このことは暗号資産であるビットコインやイーサリアムなどの安全性にもつながっています。

 

ブロックチェーンはデータ処理が遅くなる場合あり

ブロックチェーンの基礎知識を学ぶなら、データ処理が遅くなる可能性というデメリットに注意しましょう。

ブロックチェーンはデータ容量によって処理に時間がかかりすぎるおそれがあります。ブロック内に書き込めるデータ容量に限界があるために、処理スピードが遅くなる問題を「スケーラビリティ問題」と呼びます。

暗号資産のビットコインでは、1ブロックの容量が1MBであり、すぐにいっぱいにたまるので処理速度が遅れる場合があります。

このようなスケーラビリティの問題により、送金に時間がかかったり、送金自体を受けつけてもらえなかったりする可能性に要注意です。

暗号資産以外の分野で使うブロックチェーンシステムでも、利用者やブロック内データ量の増えすぎで処理に時間がかかり、リアルタイムでの情報をつかみづらくなるなどの問題が起きるかもしれません。

 

多様化するブロックチェーンの活用例

暗号資産のイメージを持つ人も多いブロックチェーンですが、実際はほかの分野でも活用例があります。

たとえば日本の不動産業界でもGA technologiesのように、建物や土地の契約などにブロックチェーンを用いる事業者も現れています。GAが使うブロックチェーンは、契約の自動的な締結などを行える「スマートコントラクト」というシステムがあるのが特徴です。

小売業界でも商品の在庫管理や流通状況の可視化などを目的にブロックチェーンを使う例が出ています。アメリカ最大手の小売会社ウォルマートが、自社販売の食品を生産から販売までの状況を追うべくブロックチェーンを使っているのが代表例です。

このように暗号資産以外でも、ブロックチェーンを用いる事例は世界的に増えているので、ここも基礎知識として覚えておきましょう。

 

世界中で活用例が増えていくブロックチェーン

ブロックチェーンは世界中のさまざまなビジネスで使われています。複数のサーバーによる管理の分散化などで維持コストの削減も望めるなど、さまざまな魅力もあります。この記事で基礎知識を学んだら、暗号資産などを通してブロックチェーンの魅力に触れてみましょう。

 

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