仮想通貨にはビットコインのほかにアルトコインがあります。
仮想通貨のユーザーのなかにはアルトコインの定義や、ビットコインとアルトコインの違いなどがわからないという人もいます。アルトコインの定義やビットコインとの違いを理解し、その特徴をおさえましょう。
アルトコイン概要
アルトコインは仮想通貨のうち、ビットコイン以外のすべてを指す象徴です。Alternative Coin (代替コイン) の略称で、ビットコインの代わりとなる仮想通貨を意味します。
ビットコインから派生したビットコインキャッシュなども定義上はアルトコインに含まれており、全世界に1700種類以上のアルトコインがあります。
アルトコインはビットコインの課題を解決したり、ビットコインにはない機能を備えることで独自性を打ち出しています。
ビットコインとアルトコインの違い
ビットコインとアルトコインの違いを、3つにわけて解説します。
流動性が小さい
アルトコインはビットコインと比べて流動性が低いです。流動性とは仮想通貨取引の活発性を意味しています。
記事執筆時点の仮想通貨時価総額を見ても、最も高いビットコインが約7.6兆に対し、次点のイーサリアムでも約1.6兆にしかなりません。ビットコインはイーサリアムと比べても時価が約4.75倍になります。
現在、ビットコインの取引額は仮想通貨全体の50%以上を占めているなど、他の仮想通貨を圧倒しています。全世界のアルトコインを合わせても、ビットコインの方が取引額が高いです。
ボラティリティが高い
アルトコインはビットコインと比べて流動性が低いため、ボラティリティが高くなる傾向にあります。
ボラティリティとは仮想通貨の価格が大きく動く可能性を意味し、ボラティリティが高いと、少ない取引回数でも値動きが激しくなる可能性があります。
アルトコインはビットコインよりハイリスクハイリターンの度合いが強いため、投資の際はアルトコインに関連する情報を分析し、無理のない予算で行いましょう。
活用の可能性が広い
アルトコインはビットコインではできないような用途に利用できる可能性を秘めています。
ビットコインの場合は投資対象であるほか、代金の決済や送金など、財産としての利用を主目的としています。
アルトコインは財産以外の用途にも利用できるケースがあります。例えばイーサリアムはアプリやゲーム開発のシステム源として利用できるケース。
ほかのアルトコインでも、SNS、不動産登記、保険など、ビットコインが絡まない分野でその活用の用途が広がりつつあります。
しかし多くのアルトコインの活用プロジェクトは、実用化まで時間がかかっているのが現状。アルトコインは、計画しているプロジェクトや開発状況が信用できるものなのかを見極めたうえで購入しましょう。
ビットコインの弱点を助ける役目がある
アルトコインはビットコインに判明している弱点を補う役目があります。たとえば、ビットコインのスケーラビリティ問題です。これは仮想通貨の送金や決済などのデータ処理に時間がかかりすぎるというものです。
ビットコインは送金から成立するまで10分程度の時間を要します。仮想通貨で最も人気があるがゆえに、毎日膨大なデータを働かせ、処理に時間がかかるケースも後を絶ちません。
しかしリップルの場合、3~4秒程度で送金を完了できます。イーサリアムの場合でも10~15秒程度です。
アルトコインへの投資メリット
アルトコインに投資するメリットを4つ紹介します。
ビットコインより安く手に入れられる
アルトコインは、前述の市場規模の小ささにより、ビットコインよりも安く手に入れられます。
記事執筆時点でビットコインは1BTC40万円台を推移しています。一方、アルトコインで最も人気のあるイーサリアムは1ETH15,000円前後。その次に話題性のあるリップルやモナコインに至っては、1枚あたり100円にも達していません。
アルトコインは少ない予算でまとまった数量を購入できるというメリットがあります。
ハイリターンを得られる可能性がある
アルトコインは価格の変動幅が大きいため、ハイリスクハイリターン投資となりやすい銘柄。
ビットコインの場合は元々の取引回数が多いゆえに価格が安定しやすいですが、アルトコインはボラティリティが高いので少ない取引回数でも価格が大きく動く可能性が高く、値動きの見極めがうまくいくと、価格の上昇にあやかり、大きな利益を得られますが、その分暴落による損失リスクも大きいので注意が必要です。
分散投資がしやすい
アルトコインはビットコインより価格が安いので、分散投資の対象にしやすいのも特徴です。
アルトコインはボラティリティが高いので、1つに集中投資すれば、暴落の影響をもろに被る可能性があります。しかし、2~3にわけて投資することで、1つが暴落しても影響を軽減できます。リスクを抑えたうえで、確実に利益を狙えます。
決済のスピードが速い
アルトコインは基本的にビットコインと比べ物にならないくらい決済のスピードが速いです。
ビットコインは決済の作業完了から成立まで約10分かかりますが、アルトコインは決済成立まで10秒もかからないものがあります。アルトコインはビットコインより流通量が少なくて毎日利用しているデータの規模も小さいので、仮想通貨の取引をスムーズに済ませられます。
代表的なアルトコインとその特徴
アルトコインの代表例と各特徴を5つ紹介します。
イーサリアム (ETH/Ethereum)
アルトコインのなかでは最も人気の高い仮想通貨です。便宜的に仮想通貨の一種と定義されていますが、正確には仮想通貨とは違います。
イーサリアムはブロックチェーン技術を採用したプラットフォームです。アプリケーション開発のシステム源としても利用され、そこから多くのアプリやゲームが開発されています。
スマートコントラクトという独自のシステムを採用しており、ブロックチェーンに自動的に契約などの事実を記録し、改ざんや偽物の流通を予防します。
ビットコインキャッシュ (BCH/Bitcoin Cash)
ビットコインのハードフォーク (分裂) を受けて誕生した仮想通貨です。そのため、発行上限が2100万BTCであるなど、ビットコインと似た特徴もあります。
しかし、ビットコインのデータ容量が1MBなのに対し、ビットコインキャッシュは32MB。ビットコインのスケーラビリティ問題を容量の拡大で解決しました。
記録できるブロックチェーンの規模も大きくなり、決済スピードもビットコインを大きく上回ります。
ビットコインの子どものように生まれながら、ビットコインの欠点を補う明確な目的を持った仮想通貨です。
リップル (XRP/Ripple)
リップルは仮想通貨としては珍しく中央管理者が存在します。リップル社が管理しています。
リップルは銀行の送金システム向上を目的として作られました。24時間365日いつでもどこでも送金ができることと、送金から成立までの時間を大幅に短縮し、手数料も低額で済ませられる強みがあります。
独自のスペックの高さから、リップルを支持する「リップラー」が世界中に出現しています。日本の仮想通貨大手取引所bitbankではビットコインではなく、リップルの方が最も多く取引されています。
ライトコイン (LTC/Litecoin)
ライトコインはビットコインの次に歴史の長い仮想通貨であり、ビットコインの欠片を補完する目的で開発されました。「金のビットコイン、銀のライトコイン」という格言もあります。
ビットコインが取引承認まで10分程度かかるのに対し、アルトコインはSegwit技術のおかげで約2.5分で取引が承認されます。発行枚数の上限が8400万枚とビットコインの4倍です。第三者の仲介なしで直接取引するアトミックスワップを成功させるなど、魅力的な実績が特徴です。
モナコイン (MONA/MonaCoin)
モナコインは ライトコインと同じ開発ベースで生まれた仮想通貨です。ライトコイン以上の決済スピードの速さが特徴です。その処理時間は約90秒です。
モナコインはネットショップなどの商品だけでなく、ギフトカード、メイドカフェの飲食代金も決済できます。ブログや動画配信などのクリエイターに投げ銭にも利用されるなど、ほかの仮想通貨では考えられない独特な用途を開拓しています。
2014年に「モナコインちゃん」というキャラクターが誕生し、それ以降モナコイングッズが多数販売、モナコインで決済できる「モナバー」の開店など、強力な個性を発揮し仮想通貨ファンを魅了しています。
まとめ
アルトコインはビットコイン以外の仮想通貨の総称で、ビットコインの弱点を補完したり、ビットコインではできないような役割を持っています。
仮想通貨としてのアルトコインは市場規模がビットコインよりも小さく、ボラティリティも高いですが、ビットコインよりも安値で購入できます。
イーサリアム、ビットコインキャッシュ、リップルなど、有名なアルトコインは資産としての仮想通貨を超えた独自の個性を確立しているので、仮想通貨ユーザーは必見です。本記事でアルトコインに興味を持ったら、取引所に登録して購入してみませんか。