DAppsは仮想通貨の技術を用いたアプリケーションの一種であり、ここ最近は仮想通貨業界のトレンドとして知られています。
資産として活用されながらも、ゲーム開発など複数の用途があり将来性の高いワードとして人気です。
DAppsの意味
DAppsとは、Decentralized Applicationsの略であり、分散型アプリケーションを意味します。DAppsと定義されるには以下の7つの条件があります。
・オープンソースである (システムの中身は誰でもアクセスできる)
・中央管理者が不在である
・プロトコルはユーザーからの提案やフィードバックに基づき、ユーザーの同意のもと新しいタイプに適合可能
・ブロックチェーンを利用してデータや記録が行われる
・大衆的に流通する暗号化トークンの所持、利用によりアプリケーションを使える。
・報酬はアプリケーションと同じトークンで支払われる
・暗号アルゴリズムによりアプリケーションへの貢献が証明されることでトークンが生成される
以上のことから、ビットコイン、イーサリアムなど一部の仮想通貨もDAppsと定義されます。
Dappsならではの特徴
特徴1. ブロックチェーン利用により中央管理者が存在しない
DAppsはブロックチェーンを用いているため、中央管理者ではなく、DAppsユーザーが運営・管理します。
ブロックチェーンとは、仮想通貨の動向を記録したデータシステムです。発行、取引、開発などの事実が逐一DAppsに刻まれるため、偽物のDAppsを使った不正行為をブロックします。
中央管理者がおらず、全ユーザーが監視の役目を果たしていることから、ハッキングの対策も徹底されやすいです。
特徴2.プラットフォーム上でゲームやアプリの開発ができる
DAppsはゲームやアプリの開発をするためのデータ源として利用できます。この形式で生まれたゲームの多くは仮想通貨の一種であるイーサリアムから開発されています。
歴史上の偉人たちを仲間にして戦わせる『MyCryptoHeroes』、キューブを積み上げキャラクターを作成する『Cubego』、モンスターを捕獲し、育成して戦闘させる『イーサエモン』など話題のゲームも多いです。
DAppsのメリット・デメリット
Dappsのメリット
DAppsを利用すると得になる3つのメリットを紹介します。
メリット1:分散管理なので中央管理者の意思に左右されない
DAppsには中央管理者が存在しません。ユーザー同士の合意のみで今後の動向を決められます。
従来のアプリやゲームには中央管理者が存在し、その人 (グループ) の一存で動向が決定されており、それにユーザーが不満を唱えるケースも多かったです。
DAppsの場合はユーザーの合意が前提になるため、ユーザー同士の議論のもとでシステムの運営計画を進められます。
メリット2:透明性を持って取引可能
DAppsはブロックチェーンを利用しており、オープンソースと定義されているため、すべてのユーザーがブロックチェーンをはじめとしたDAppsの中身にアクセスできます。
透明性のある取引が許された結果、不正行為を働こうとしてもセキュリティによりブロックされ、ほかのユーザーからの通報を受けやすくなっています。
メリット3:ユーザーの同意で柔軟なアップデートが可能
DAppsを運営・管理するのは関わるユーザー全員であるため、ユーザー同士の議論により柔軟なアップデートが可能です。
DAppsの用途拡大や、そこから開発されたゲームのアイテムの料金など、多くのユーザーの賛成と反対の議論の末、最も納得のいく決断を下しやすいです。
Dappsのデメリット
DAppsを利用するうえで注意すべき3つのデメリットが存在します。
デメリット1:取引に時間がかかることがある
DAppsはインターネット上のデータであるため、アクセスやコントロール時のデータ処理がスムーズにいかず、時間がかかる場合があります。これはスケーラビリティ問題ともいわれます。
スケーラビリティ問題は、ブロックチェーンからサイドチェーンにデータを一時的に逃がして処理させるという技術の採用など、解決が急がれている状況です。
デメリット2:手数料が高くなる可能性がある
DAppsを取引 (トランザクション) するごとに発生する手数料も多くのユーザーを悩ませています。
開発されたアプリの利用時にも、特定の行動をするたびに手数料が発生することがあるため、使用に抵抗感を覚える人も後を絶ちません。
しかし最近は、仮想通貨の取引所によっては取引や送金・出金に一切の手数料がかからないケースも生まれており、手数料を安くしたり無料化するアイデアが複数生まれる可能性も期待されています。
デメリット3:セキュリティが完璧ではない
DAppsは未だにセキュリティに問題があると指摘されています。特にDAppsの代表例であるイーサリアムのスマートコントラクトのシステムが強固になりきれていないという意見が多いです。
2016年6月17日には、「The DAO事件」という仮想通貨流出事件が発生し、その影響でイーサリアムが分裂 (ハードフォーク) を起こす事態も起きました。
現在はQuantstampなど、イーサリアムのセキュリティを向上させる機能が開発されていますので、今後の安全性強化にも注目されます。
Dappsの活用事例を紹介
DAppsの活用事例を3つ紹介します。
事例1:仮想通貨・ICOトークン
DAppsの最もスタンダードな用途は投資対象としての通貨・トークンです。ビットコインをはじめ仮想通貨もDAppsの一種といわれます。
DAppsに日本円など法定通貨に換算した価値をつけ、売買することで市場経済を成立させます。仮想通貨やICOトークンを安く買い高く売るなどの投資利益でお金を稼ぐ投資家も多く現れています。実際に2017年末の仮想通貨の高騰期には、仮想通貨で億単位の利益を挙げる「億り人」の存在も語られました。
仮想通貨自体も投資対象だけでなく、送金したり、店舗などの代金を決済したりできるなど、用途が拡大化しています。
事例2:分散型取引所
前述の仮想通貨・ICOトークンを取引スペースとして分散型取引所があります。取引所のなかには創設した会社組織が中央集権的に管理するところもありますが、中央管理者がいない分散型の取引所も存在します。
分散型取引所の場合、ユーザーがウォレットに納めた仮想通貨を売買できます。管理者による仲介手数料が無料になったり、取引所に通貨を預ける手間が省けたりします。加えて、ユーザー全員が監視の役目を果たすため、ハッキングのリスクが抑えられます。
事例3:アプリ・ゲーム開発
DAppsからアプリやゲームを開発することもできます。ゲームを開発すると、アイテムの料金などを収入にもできます。DAppsからアプリやゲームを作るためのプログラミングスクールもあり、そのほとんどは在宅のままインターネットで受講できるため気軽に学べるものとして人気です。
Dappsを始めるために必要なこと
DAppsを始めるには、イーサリアムを入手しましょう。DAppsで使われるトークンの多くが、イーサリアムをベースとしているからです。
イーサリアムを入手するには、仮想通貨の取引所もしくは販売所から購入する必要があります。販売所は仮想通貨取引所内に設けられている場合がほとんどです。
仮想通貨取引所にアクセスするには、メールアドレス、パスワード、住所、身分証明書のアップロードなどの個人情報を示してアカウント登録する必要があります。
初めて取引所にアクセスした場合、イーサリアムを購入するための日本円を銀行口座から入金する必要があります。以上の手続きが済めば、イーサリアムを購入できます。
取引所はユーザー同士で売買を行う関係上、販売所よりも安く買える場合があるのでチェックしてください。
購入したイーサリアムはウォレットに送金します。DAppsはアイテムの購入費や手数料などにイーサリアムを求めることが多く、イーサリアムの入ったウォレットがDAppsへのアクセスに必須だからです。
まとめ
DAppsはブロックチェーンを利用し、中央管理者の代わりにDAppsユーザー全員で運営・管理する分散型アプリケーション。
ユーザーの同意のもとDAppsのシステムを更新したり、今後の方針を決めることができます。ただし、アクセス速度が遅くなったり、手数料がかかったりすることがあるので注意しましょう。