ICOとは仮想通貨を利用した資金調達プロジェクトで、多くの人がこちらへの投資で利益を狙います。
ICOには複数の魅力がありますが、はじめて参加するには正しい手順と注意点を知ることが大切です。
本記事ではICO投資のメリットと参加の流れおよび手順、ICO参加時の注意点について解説します。
ICO投資のメリット
メリット1:誰でも参加可能
ICOの参加には、特に必要な資格がありません。誰でも参加可能です。ほかの投資分野なら特別な手続きや資格が求められるケースもありますが、ICOは完全な一般人にも門戸を開いています。
ICOではホワイトペーパーとして、資金調達の目的などの情報をあらゆる人が読めるように開示しているので、初心者でも一定の情報を把握して参加できます。
メリット2:少額から参入できる
ICOは、少額から参入できます。ほかの投資分野では、万単位というまとまった金額を求められる場合もありますが、ICOは100円、1000円のようなお小遣いレベルでも参加可能です。
メリット3:企業への直接投資
ICOはインターネットを通し企業に直接投資できます。証券取引や FX のような手数料と仲介業者が存在しません。
手数料が気になって投資への参加をためらう人もいますので、そうした人にとってICOは貴重です。
メリット4:ベンチャー企業や個人への投資
ICO ではベンチャー企業や個人を相手に取引することもできます。通常、これらのタイプは倒産リスクを防ぐため、投資の仲介業者の役割を果たす銀行などが参加拒否して投資イベントを開けません。
しかしICOでは前述の通り仲介業者なしで成立するため、投資対象が広いです。
メリット5:世界中どこのICOにも参加できる
ICOは世界中で行われ、投資者もあらゆる国の ICOに参加できます。インターネットを介した直接取引が可能であるため、日本からも国境を越えてあらゆる国の案件に参加できるのがメリットです。このメリットを生かして、ICOに関する視野をグローバルに広げられます。
メリット6:大きな利益が期待できる
ICOには一攫千金のチャンスがあります。現在では人気仮想通貨のひとつであるイーサリアムもICOでのプレセールから生まれましたが、当時の価格は1ETH約26円でした。記事執筆時の1ETHは15,000円前後を推移しており、約570倍も価値が上がったことになります。
将来の人気仮想通貨を的中させることで、一攫千金を実現できる可能性もあります。
メリット7:特典が受けられる
ICO に参加することで、投資先の企業から特典がもらえる場合があります。例にはICOトークンを食事などの代金として決済できる、企業からのサービスを割安で受けられることなどが挙げられます。
ICOの参加の流れをチェック
ICOに参加するには、関連するプロセスや準備を把握する必要があります。5つにわたる参加までのプロセスを紹介します。
1.ウォレットの作成
ICO にはウォレットの持参が必須です。 ICOで購入するトークンは仮想通貨が必要なうえ、トークンを受け入れるためにもウォレットが必要です。
取引所に仮想通貨を預けているだけでは、発行者に送金できても、対象トークンが取引所で扱われていないなどの理由で事業者からトークンが送金されない場合があります。
ICO参加のためにはウォレットの作成が必要不可欠です。
2.仮想通貨を入手する
トークンの購入代金は仮想通貨で支払います。そのため、取引所を訪れ、仮想通貨を購入する必要があります。
トークンの購入に使われる仮想通貨は多くの場合イーサリアムです。次いでビットコイン、ネム、ライトコインが使われます。ICOでトークン購入に支払う仮想通貨の種類を確認し、対応している取引所にアクセスしてください。
またウォレットにより、受け入れられる仮想通貨の種類は異なります。作成しようとしているウォレットに入れられる仮想通貨を事前にチェックすることも大切です。
3.クラウドセール、プレセールへの参加
トークンの購入はプレセールまたはクラウドセールという期間中に行います。
クラウドセールはICOの主流形式であり、新たなトークンを一般に初公開した販売会です。
事前に発行者がホワイトペーパーという企画書をネットで公開し、全世界から参加者を募ります。期間は大抵1ヶ月程度ですが、複数回にわたり開催するクラウドセールもあります。早い時期に参加するほど特典がもらえる形が多いです。
プレセールとは開発者や関係者のみが参加できる非公開トークンの販売会です。これに呼ばれるとクラウドセールより安価でトークンを手に入れられます。
4.サービス開始の通知を待つ
クラウドセールおよびプレセールでトークンを購入した後は、トークンに関するサービス開始の連絡を待ちましょう。
登録したメールアドレスに通知が届くので、それ以降サービスの提供が開始します。
5.取引所への上場を待つ
ICO で人気となったトークンは取引所に上場されることがありますので、盛況だった場合は取引所への上場を待ちましょう。
そうでない場合は、発行者がトークンの上場断念を表明することもありますが、ICO以後の連絡や動向がずっとないままというケースもあります。気になった場合はすぐに発行者に確認の連絡を取りましょう。それでも連絡が取れない場合は国民生活センターなどへ相談しましょう。
ICO参加の手順
実際の ICO 参加の手順を紹介します。
1.情報収集
まずはICOに関する情報収集から入りましょう。発行者の公式ホームページに公開されたホワイトペーパーで詳細を知ることができます。
発行者が実現させたいプロジェクトやトークンに関する特典などの詳細内容、ICO開催後の計画などを吟味してください。
2.ICO参加用仮想通貨を入手する
ICOで購入するトークンは仮想通貨で支払われるのがほとんどです。そのため、事前に取引所にアクセスし、仮想通貨を購入しましょう。
ICOによって支払いに使われる仮想通貨の種類も異なるので、チェックしたうえでその種類が扱われている取引所を訪れましょう。
3.ウォレットの作成
仮想通貨用のウォレットも作成する必要があります。ICO参加予算である仮想通貨を持参したり、渡されたトークンを納めるために必要です。
4.プレセールかクラウドセールに参加する
トークンの購入はプレセールがクラウドセールでできます。これらの期間中に発行者側が指定したアドレスに仮想通貨を送金し、トークンの受け入れましょう。
間違ったアドレスに送った場合、あなたの仮想通貨は間違ったところに転送されたまま取り戻せない可能性が高いので注意してください。
購入したトークンは、ほかの仮想通貨のように売って現金に換えたり、保有し続けることでトークン特有の特典を受けることができます。
ICOへ参加する際の注意点
ICO に参加するには、以下の2つの注意点を把握する必要があります。
詐欺案件が含まれている
ICOのなかには詐欺案件が含まれているので、絶対に避けるべく注意しなければなりません。
ICO時にトークンの購入代金を集めるだけ集めて、終了後に一切の連絡が途絶えてトラブルになるケースがあります。
ICOになりすましたフィッシング詐欺もあります。参加者のメールアドレスに偽の送金先アドレスを送信し、仮想通貨を奪うという手口です。
詐欺被害を防ぐには ICOのホワイトペーパーの内容に限らず、ICO 自体や発行者の詳細情報や口コミ、 ICO詐欺案件の特徴などを参考に、中身を見極めることが大切です。
上場後に数倍になるなどの価格保証を公言している、代理店やセミナーを通した購入イベントがある、電話やメールで「絶対に儲かる」などと勧誘してくる、メールに送金用アドレスを添付していてフィッシング詐欺の疑いが強いことなどは詐欺案件の主たる特徴ですので避けましょう。
うまくいかない可能性も想定する
ICOは詐欺案件でなくても、トークンのその後の動向が不調になるなどで頓挫する可能性があります。
この場合も、ホワイトペーパーだけでなく、コミュニティなどを見て、ICOや発行者の評判をチェックしてください。
プロジェクトが解決しようとしている問題に現実味はあるか、Github上にプロトタイプがあるか、トークンの用途はどうかなどを見極めましょう。
まとめ
ICOは大企業から中小のベンチャー企業、個人まで誰でも開催し、トークンを発行しては売ることができます。参加者も老若男女構わず誰でも少額から参加可能です。
ICOに参加するには準備と手順を把握することが大事です。トークンの購入代金は仮想通貨で支払われるので、事前に仮想通貨を入手した状態で参加しましょう。仮想通貨の持ち込みやトークンの受け入れのため、ウォレットも必須です。
ICOのなかには詐欺案件や、ホワイトペーパーの情報に現実味がなく、計画が頓挫しかねない案件があります。公式情報を鵜呑みにするだけでなく、コミュニティなどからの口コミなど、多角的に情報を収集し分析することが重要です。