パブリック・プライベート・ コンソーシアム とは!?ブロックチェーンの種類について

2020.03.11 [水]

パブリック・プライベート・ コンソーシアム とは!?ブロックチェーンの種類について

ビットコインをはじめ、暗号資産の根幹技術である「ブロックチェーン」

実は、ブロックチェーンには種類があることをご存知でしょうか。パブリック・コンソーシアム・プライベートの3つがありますが、それぞれの特徴や用途がどのようなものか詳しく見てみましょう。

 

革新的な技術、ブロックチェーンとは

そもそも、ブロックチェーンとはどのような技術なのでしょうか。

ブロックチェーンとは、ネットワーク上にデータを安全・確実・分散して管理・保管するための技術です。ビットコインやイーサリアムなどの暗号資産で用いられており、ビットコインを説明する上で切り離せない表裏一体の技術として知られています。

取引が行われた際に発生するデータをトランザクションと言いますが、これをひとまとめにしたものがブロックとなります。

データが詰まったブロックは一定間隔でネットワーク上に保存されていきますが、これがまるでチェーン(鎖)のように連なっていく構図のため、ブロックチェーンと呼ぶようになりました。

基本的にブロックは一列、つまり数珠つなぎのように連なることになっており、前後のブロックは整合性が保たれるような仕組みになっています。

そのため、悪意あるユーザーがどこかのブロックを改ざんしようとしても、その後のブロックすべてに影響があらわれるため、非常に安全性・信頼性の高い技術として知られています。

 

各ブロックチェーンの種類について

データを管理・保管する基本的な仕組みは変わりませんが、ブロックチェーンには3つの種類があります。

  • パブリックブロックチェーン
  • コンソーシアムブロックチェーン
  • プライベートブロックチェーン

この3つです。パブリック、コンソーシアム、プライベートというそれぞれ違う性質をもったブロックチェーンですが、目的によって適切なブロックチェーンを用いたプロジェクトが進められることになります。

それぞれのブロックチェーンにどのような特徴・用途があるかを見てみましょう。

 

パブリックブロックチェーンとは?

パブリック(Public)とは「公衆・大衆」という意味で、パブリックブロックチェーンとは広く誰もが利用・閲覧できるブロックチェーンのことを指します。

ビットコイン、イーサリアムなど暗号資産の大半がパブリックブロックチェーンで、誰でも取引の情報をチェックすることができるほか、特定の管理者がいないため非常に透明性が高いことが特徴です。この透明性の高さが、ビットコインが評価される理由のひとつとして挙げられることも。

一般的なデータの管理・保管方法としては、特定の企業や管理者がその責任を担っています。しかし、パブリックブロックチェーンを用いたビットコインなどの暗号資産の場合、ネットワークに参加しているユーザー全員が監視役となり、データの改ざんを防ぎます。

新しい提案や仕様変更など、なんらかのルール変更を行う場合はネットワーク参加者による合意形成が行われます。たとえば、ビットコインの場合はブロックを作る役割の「マイナー」によって合意形成がわれたことがあり、トランザクションの処理能力を向上させる技術・セグウィット(Segwit)もこの方法で実装されました。

このように、パブリックブロックチェーンは管理者が仕様変更を決定したり、データの改ざんをしたり、取引に介入するということがなく、非常に安全かつ透明性の高い取引を行うことができます。

その一方、ネットワークへの参加者については制限がなく、取引量が増えるとともに送金処理が滞ってしまうことも。いわゆる送金詰まりの状態、スケーラビリティ問題が発生する懸念もありますが、前述のセグウィットのような機能を実装させることで問題解決につながると期待されています。

 

プライベートブロックチェーンとは?

プライベートブロックチェーンは、特定の人・企業のみが管理の権限をもつブロックチェーンのことをいいます。

誰もが利用できるパブリックブロックチェーンに対し、プライベートブロックチェーンは取引の情報を閲覧することも、利用することも制限されるという特徴があります。

最大の特徴は、データの管理が基本的に一人であること。

たとえば、プライベートブロックチェーンが企業内で利用される例を挙げると、その管理や仕様変更についての決定権は社長のみ…というイメージです。つまり、管理や決定の権限が分散されているパブリックブロックチェーンと比較すると、まったく反対の性質を持ったブロックチェーンであることがわかります。

複数人で合意形成する必要がないため、承認が早いメリットがある一方、データの管理・保管についてはパブリックブロックチェーンに比べると信頼性や透明性が低いと言えます。

ただ、スケーラビリティ問題については参加者が限られること、承認のスピードも迅速に行うことができるため、スムーズな取引が可能となります。

 

コンソーシアムブロックチェーンとは?

コンソーシアム(Consortium)は「事業共同体」、つまり同じ目的を持った団体・仲間のことを指し、コンソーシアムブロックチェーンとは複数の団体や企業がともに管理の権限をもつブロックチェーンのことをいいます。

コンソーシアムブロックチェーンを用いる例としては、複数の企業が同じひとつの大きなプロジェクト(目的)に取り組むことが挙げられます。

プライベートブロックチェーンと似たようなイメージですが、その違いとして挙げられるのは管理者の数。プライベートブロックチェーンは特定の管理者(人)のみですが、コンソーシアムブロックチェーンは複数で、共同体として仲間に入った企業・人のみが利用でき、合意に関する権限を持ちます。

パブリックブロックチェーンほど合意形成に時間はかからないため、スケーラビリティ問題が起こるリスクも低く、複数の合意が必要になるため不正が起きにくい特徴を持っています。

プライベートブロックチェーンほど中央集権的ではない、その中間にあるのがコンソーシアムブロックチェーンです。

 

パブリック以外も需要が高まるブロックチェーン技術

パブリック、プライベート、コンソーシアム。実は3つの種類があるブロックチェーン技術ですが、暗号資産だけでなく企業のデータ管理やプロジェクトにも大いに役立っています。ブロックチェーンを用いた事業が増えることによって、今後さらに実用性が高まると期待されています。

 

 

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