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不動産をNFT化する「blocksquare」のブロックチェーン
イーサリアムのERC721規格を用いてつくられるNFT(非代替トークン)は、通貨としてのトークンとは違い、ものの「価値」そのものをデータ化したものです。
そして現実にある資産をNFT化し、ブロックチェーン(取引処理のしくみ)で流通させようというプロジェクトも始まっています。世界中のだれもがその資産を直接取引できることにメリットもありますが、いくつかの課題点も出てきているようです。
この記事では、不動産をNFT化するプロジェクト「blocksquare」を紹介します。
「blocksquare」プロジェクトとは
「blocksquare」は、2018年4月にICO(資金調達のため発行したトークンを販売すること)を行ったプロジェクトです。現実世界にある不動産をNFT化し、「blocksquare」のブロックチェーンに接続した誰もが売買することができるようになります。
「blocksquare」のブロックチェーンでNFT化した不動産は、ICOで発行した「BST」トークンで売買されます。
ブロックチェーン上に記録されたNFTは、透明性が高く、かつ改ざんされないという特徴があります。不正な取引が行われないようにするための監査や、取引するユーザー同士を繋ぐ中間業者も必要ありません。
また、高額な不動産の場合は「価値」をNFT化した上で、所有権を「Re-FungibleToken(RFT)」に分割して販売すれば、多くのユーザーが不動産を分割所有できるので、気軽にブロックチェーン上での売買が行われるようになるでしょう。
このことにより、不動産の流動性を高めることが可能になります。
NFT化した不動産売買における課題点
一方で、不動産などの現実の資産をNFT化することには課題もあります。その不動産をNFT化するときに、誰がその「価値」を決定するのかという点です。
加えて、ブロックチェーン上ではその不動産の価値を証明することは可能ですが、実物の不動産が確実に新しい所有者に移動したかを、証明することができません。
この二つを解決させるためには結局のところ中間業者や監査業者が必要となります。ブロックチェーンでの不動産取引は、このことによって構造上のジレンマを抱えてしまっているのです。
自由な不動産取引の前には規制の壁が立ちはだかっている
仮想通貨取引においては、各国の規制によって信用取引を行うユーザーには本人確認(KYC)が求められています。
NFT化された不動産が「証券」とみなされて、本人確認済みのユーザー間でしか取引ができないことは十分に予想され、「blocksquare」が望む流動性の高い不動産取引が行えるようになるまではもう少し時間がかかるのかもしれません。
ブロックチェーンの広がりとともに、日本を含めた各国の規制内容も変わっていくでしょう。今後の仮想通貨をとりまく環境の変化に期待したいところです。