市場で人気の「EOS」には課題もある?「DPoS」の構造上の不安とは

2019.08.19 [月]

市場で人気の「EOS」には課題もある?「DPoS」の構造上の不安とは

DAppsゲームが好評のEOSの課題とは?

EOS(イオス)プロジェクトは、企業のDApps(ブロックチェーンのしくみで動くアプリケーション)サービスをサポートするための、プラットフォーム作りを目指しています。

プロジェクトが発行したEOSトークンは、2019年5月の時点で時価総額5位に位置しており、すでに市場からの人気を集めているのです。

EOSのプラットフォームは多くの企業から期待されていますが、まだ本格的な稼働には至っていません。EOSにはいったいどのような課題があるのでしょうか?

 

EOSの課題(1)「DPoS」は本当に膨大な量の取引をこなせるのか?

EOSのコンセンサスアルゴリズム「DPoS」は、21人のブロック生成者を全ユーザーの投票によって選出し、取引を成立させるしくみです。

EOSのブロックチェーン(取引処理のしくみ)では、将来的に1秒間で数百万のトランザクション(データ処理)をこなすことを想定しているようですが、その場合であっても21人という少数で上手くいくのか?という点に疑問があるといいます。

「DPoS」は、ブロック生成者は少数であっても問題はないだろうという仮説のもとに設計されているのですが、EOSにはまだ、数百万どころか数十万のトランザクションをもこなした実績がありません。

ブロック生成者がデータ処理能力の高い端末を使えば問題はない、との声もあるようですが、このことはEOSの目標としている「分散性」と相反する部分もあり、議論の対象となっているようです。

 

EOSの課題(2)「DPoS」のセキュリティ面の不安

EOSで採用している「DPoS」にはもうひとつ、セキュリティ面に課題があります。EOSのブロック生成者はなりたい人がなれるわけではなく、他ユーザーからの投票によって決まるからです。

他ユーザーから選出されるためには、「自分に投票してくれたら謝礼金を出します」「ブロック生成者になったらより良いシステムを作ります」といった選挙活動をして、票集めをしなければなりません。

もしもEOSのネットワーク上で投票するユーザー数が少なくなれば、悪意ある集団のだれかが代表となり、ブロック生成者に選ばれる可能性が上がってしまうでしょう。

セキュリティを守るためのしくみがユーザー数によって揺らいでしまう点には、いくらかの不安があります。

 

EOSのこれからの改良に期待

EOSのブロックチェーン由来のDAppsゲームは、手数料無料とストレスの無い通信が可能な点から、ゲームユーザーの人気を集めています。

上にあげた課題点も、これからのEOSの発展とともに解決されていくのではないでしょうか。EOS開発チームからの続報に期待しましょう。

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