EOSのセキュリティを高める「TaPoS」のしくみとは?

2019.08.19 [月]

EOSのセキュリティを高める「TaPoS」のしくみとは?

EOSの「TaPoS」はコンセンサスアルゴリズム「DPoS」に含まれている

EOS(イオス)のブロックチェーンに採用されているコンセンサスアルゴリズム「DPoS」には、「トランザクションのプルーフ・オブ・ステーク(TaPoS)」というセキュリティを高めるためのしくみが含まれています。

EOSのTaPoSはどのようにセキュリティを強化するのでしょうか?その役割について解説します。

 

EOSのコンセンサスアルゴリズム「DPoS」とは

ブロックチェーンがDApps(分散型アプリケーション)を動かすためには、優れたコンセンサスアルゴリズム(取引の合意形成の手順)が必要です。

EOSが採用している「DPoS」では、取引が発生するとトランザクション(データ処理)を複数個まとめた「ブロック」を生成するユーザーを21人以上、全ユーザーによる「投票」によって決定します。

ブロック生成者たちは、代わる代わる3秒に1つのペースでブロックを生成し、前のブロックとつなげていきます。

EOSのブロックチェーンでは、最も長く伸びたチェーンを「メインチェーン」とします。ここでブロック生成者の中に悪意ある者がいたとして、その者が資産を盗む目的でメインチェーンから分岐させたチェーンを生み出したとしましょう。

悪意ある者が少数であれば、メインチェーンより長く分岐したチェーンが伸びることはなく、結果その分岐チェーンは採用されない、つまり不正な取引は成立しないということになります。

 

DPoSに組み込まれている「TaPoS」のしくみ

EOSにおける「TaPoS」では、トランザクションに前のブロックを変換したハッシュ値を付け加えます。

ハッシュ値とは、ハッシュ関数を用い、生成するブロックのデータを復号が不可能なデータに変換したものです。

ブロックを生成する作業の時には、前のブロックに対してもハッシュ関数を使ってハッシュ値に変換します。

もし、生成するブロックに入るトランザクションに付けられているハッシュ値と同じものが、すぐ前のブロックから変換できなければ、生成しようとしたチェーンがメインチェーンではないとわかる、というわけです。

TaPoSでは、悪意ある者が分岐チェーンを作ろうとしていることを、EOSのネットワーク全てに知らせる役割も果たします。

EOSのユーザー全体でチェーンの分岐を防ぐことで、セキュリティを高めるしくみなのです。

 

ユーザー数が多いほどEOSのセキュリティは強化される

EOSのブロックチェーンは、中央集権的なシステムとは違う、分散型のシステムで意思決定をしていくことを目指しています。

参加ユーザー全員でセキュリティを高めていくTaPoSのしくみは、分散型のシステムをより強固にするためのしくみといえるのです。

一方、DPoSのしくみにはユーザー数が少ないと不正が起きやすくなるという課題もあります。EOSのブロックチェーンのユーザー数を伸ばしていくことができれば、その不安も解消されるでしょう。

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