スケーラビリティに優れたEOSのブロックチェーン
EOS(イオス)のブロックチェーン(取引処理のしくみ)は、DApps(分散型アプリケーション)を動かすためのプラットフォームとなるものです。
DAppsからは膨大な取引が発生し、それを素早く処理することが求められます。そのためのEOSのしくみのひとつが「LCV(Light Client Validation)」です。
LCVはどのようなしくみになっているのか、その特徴とともに紹介します。
BTCのブロックチェーンのしくみ
先に登場しているBTC(ビットコイン)のブロックチェーンを例にとりましょう。
BTCのブロックチェーンでは、取引が発生したときにはトランザクション(データ処理)を複数まとめて「ブロック」をつくり、前のブロックにつなげます。取引が増えるたびに、ブロックが次々と連なっていくのです。
BTCでは前後にはブロックが1つずつ連なっていて、1つのブロックの生成には約10分かかります。
EOSはブロックを3秒で生成できる
それに対して、EOSのブロックチェーンではブロックを約3秒で生成できます。ブロックチェーン全体のサイズは、短時間でもかなり大きなものになるでしょう。
ブロックチェーンのサイズが大きくなってしまうと、マイニング(取引を成立させるための第三者による承認作業)に時間がかかるようになってしまいます。マイニングを行うためには、作業する端末でブロックチェーン全体のデータを参照する必要があるからです。
EOSの「LCV」とは
これを防ぐために、EOSのブロックチェーンでは「LCV」というマイニング時の参照ルールを採用しています。
LCVでは、ブロックにIDを付け、そのブロックIDをある程度まとめて「マークル木」と呼ばれるツリー状にします。そしてさらに時間が進むと複数のマークル木をまとめ、それを新たなマークル木とします。
EOSでのマイニングの時には、ブロックチェーン全体を参照するのではなく、マークル木の中のつながりのみを参照します。
ブロックIDには、そのブロックの場所とマイニング済かということだけが書かれているので、マークル木全体のデータはブロックチェーンのそれにくらべ、かなり小さくすることができるというわけです。
EOSの優れた技術に市場も注目している
EOSのブロックチェーンは、前に登場したブロックチェーン以上の処理速度と、処理能力の向上を目指して開発されています。今回したLCVはもちろん、他にもそれを実現するためのしくみが数多くあるのです。
EOSプロジェクトはまだ開発の道半ばです。EOSのブロックチェーンが完成し、そのしくみが一般的になることを期待しましょう。