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DAppsゲームにはスケーラビリティの高さが求められる
仮想通貨EOS(イオス)のブロックチェーン(取引処理のしくみ)は、ビットコインなどが抱える「スケーラビリティ問題」を解決できる性能を持つといわれています。
そしてEthereum(イーサリアム)も、同様にスケーラビリティ問題の解決を目指しているものです。
どちらもDAppsゲームに利用されているブロックチェーンですが、イーサリアムとイオスとではスケーラビリティにどの程度の差があるのでしょうか?
スケーラビリティ問題とは?
「スケーラビリティ問題」とは、取引量がブロックチェーンで処理できる量をオーバーしていまい、オーバーした分の取引処理が遅れてしまう問題です。
この問題の背景には、ブロックチェーンを利用するユーザー数の増加があります。特にブロックチェーンのしくみを利用したアプリケーションである「DApps」の増加に伴い、Ethereumの取引数は飛躍的に伸びているといいます。
ブロックチェーンのしくみを利用したサービスは増加傾向にあるため、Ethereumはもちろん後から登場したEOSも、このスケーラビリティ問題を解決させようとしているのです。
Ethereumの取引処理能力
Ethereumのコンセンサスアルゴリズム(取引の合意形成の手順)を「プルーフ・オブ・ワーク(PoW)」から「プルーフ・オブ・ステーク(PoS)」へ移行させるため、2019年6月30日までに「フェーズ・ゼロ」のアップデートが行われる予定です。
PoSへの移行が完了すれば、1秒あたりのトランザクション(データ処理)量は、現在の14から100,000まで向上すると試算されています。
また「Plasma」という、トランザクションの一部を別に移し、メインのブロックチェーンのトランザクションを減らすことで、処理能力をさらに高める解決案もありますが、実現には至っていません。
EOSの取引処理能力
EOSのコンセンサスアルゴリズムは「デリゲイテッド・プルーフ・オブ・ステーク(DPoS)」といい、PoSの発展形ともいえるしくみです。
現在でも1秒あたりのトランザクション(データ処理)量は2,000~3,000、将来的には数百万もの速度にすることを目指しています。
加えてEthereumでは必要な取引手数料が、EOSでは無料です。この点からも、現段階ではEOSに軍配が上がるといえるでしょう。
EthereumとEOSともに完成には至っていない
EthereumもEOSもまだ改良を重ねている段階にあります。現段階ではEOSの方がスケーラビリティに長けているといえそうですが、Ethereumが予定しているアップデートが全て完了すれば、立場が逆転するかもしれません。
DAppsの広がりとともにブロックチェーン技術はさらに改良され、より優れたものとなっていくでしょう。