たくさんの種類が流通しているイーサリアムのトークン
イーサリアムのブロックチェーン技術を借りて発行されたトークンには、数多くの種類があり、仮想通貨取引所やアプリ(DApps)などで流通しています。
トークンとは、企業などが仮想通貨を成立させるためのシステムを借り、発行した「コイン」のことです。イーサリアムのトークンについて、大きく2つのグループの概要を解説します。
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※注 現在は「仮想通貨」を「暗号資産」に呼称変更されておりますが、本記事では一般に定着・浸透している名称の仮想通貨で記載しております。
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イーサリアムのトークンとは?
イーサリアムのブロックチェーン技術を借りて発行されたトークンには、EtherとERC規格の2種類があります。
1.Ether(ETH)
Ether(ETH)は、取引所においては「仮想通貨イーサリアム」であり、またイーサリアムのネットワーク内では、「決済や送金の際に使用されるトークン」でもあります。
決済処理の時には、ユーザーは少額のEtherを手数料(Gas)として支払い、決済に協力したマイナー(承認者)へは報酬が支払われます。
また、公開されているイーサリアムのプログラムを解析すると、新規Etherが発行できるのですが、その新規Etherもマイナーへの報酬です。
この手数料(Gas)の仕組みは、悪意あるユーザーがイーサリアムにおいて取引処理を大量に発生させ、システムダウンを起こそうとする類の攻撃から保護する役割も担っています。
それを実行するには、高額な手数料が必要になってしまうのです。
2.ERCトークン
ERCは「Ethereum Request for Comments」の頭文字からきており、イーサリアムによるトークンを発行するための規格のことです。
現在のところ、ERC20・ERC223・ERC721・ERC948・ERC1155などの9種類の規格があります。
中でももっとも多く使われているのがERC20で、この規格を使ったトークンは2万種類以上あります。イーサリアム(ETH)や、イーサリアムクラシック(ETC)もERC20トークンのひとつです。
ERC20トークンに対応するウォレット(ネットワーク上に設けた仮想通貨を保管する場所)は、ひとつあればこれらの全てを管理することができます。代表的なものが「MyEther Wallet」です。
新しい規格であるERC1155は、DApps(イーサリアムベースのゲーム)を作成できるEnjinが開発しました。DAppsにおいて複数のアセット(キャラやアイテム)を一括で送信することが可能になる、画期的な規格として注目されています。
以前のERC20やERC721規格では、1つのアセットに対して1回の取引が発生していたので、それに比べて手間と手数料が大幅に減り、ストレスフリーなゲームプレイが可能になるでしょう。
イーサリアムのトークンはこれからも増え続ける
現在も、イーサリアムのトークンの新しい規格については、積極的な議論が交わされており、開発プラットフォームのGithubでは、最新情報を確認することができます。
今後も新たなサービスが開発され、新しいイーサリアムのトークンが誕生していくのではないでしょうか。