仮想通貨リップルの仕組みと特徴
リップル(XRP)は他の仮想通貨とは相違する点が多く、マイニングができないことも特徴の1つに挙げられます。
マイニングとは、不正な取引を防ぐために、ネットワーク上でデータの承認・確認作業を行うこと。マイニングを行う人もしくは組織をマイナーと呼び、マイナーはマイニングをすることで対価として報酬を得ています。
そのマイニングがリップルにない理由として、リップルは通貨の発行上限が1,000億枚と決まっていることが挙げられます。
この発行枚数から徐々に減っていくため、マイニングができない仕組みになっているのです。
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※注 現在は「仮想通貨」を「暗号資産」に呼称変更されておりますが、本記事では一般に定着・浸透している名称の仮想通貨で記載しております。
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マイニングできないリップル
ビットコインやイーサリアムなどはマイニングを行うことで通貨を送金することができ、仕組みを維持する上で、マイニングは必要不可欠な作業です。
リップルではブロックチェーン技術ではなく、XRP Ledgerという分散型台帳を使用しており、リップル社がサーバーの運営・管理を行う中央集権的な通貨と言えるでしょう。
認定された特定の承認者(validator)だけが、多数決で合意された取引記録を追加する作業を実行。この承認方法を用いることで、コスト削減とデータ処理の高速化に成功しています。
リップルの承認作業
リップルは仮想通貨でありながら、リップル社が取引承認の大きな役割を担っています。リップル社が不正を行わないと信頼した上で成り立つ仕組みです。
リップルネットワークの参加者は、バリデーター(validating node)とトラッキングノード(tacking node)の二つの肩書きに分類されます。トラッキングノードは、全ての参加者の役割であり、XRP Ledgerに登録する前の情報を、他のトラッキングノードに伝えます。
バリデーターは、その中の一部だけがなることができ、取引情報を承認し、XRP Ledgerに記録する作業を行います。
一般的に中央集権的な管理は、不正を招く恐れがあるため採用されにくいシステムですが、リップル社はあえてメリットを優先して導入しました。
他の仮想通貨と比べて、決済速度が格段に速く、取引処理数も多く扱うことができる通貨です。
海外送金のための通貨リップル
マイニングを行わないことにより、非中央集権的なシステムでの力関係のアンバランスさを防ぎ、また、市場取引価格をコントロールすることが可能になります。
リップルは銀行などの金融機関と提携して、海外送金するために開発されたシステムです。送金のインフラとして利用されているので、
リップルの価格を安定させておく必要があることが、マイニングを行わない大きな理由と言えるでしょう。